昨日になりますが、麻生首相が追加経済対策を発表。長いですが、産経ニュースから麻生総理の会見を引用させていただきました。
庶民の生活に直接関係してくるであろう対策は「生活者の安全保障」と銘打った一連のものです。赤字国債にしない、という点は評価ポイントだと思います。
ニュースなどでよく取り上げられているのは、給付金方式の定額減税、高速道路料金を一律1000円に、といった具体策。わかりやすいと言えばわかりやすいのですが、消費の刺激、という点での効果は、私は懐疑的です。
多少の効果はあるでしょうが、多くは貯金や節約の方向となるのでは。高速道路料金が業務用車両にも適用されれば、産業界の各方面で助かる面が大きいでしょうが、その規模になると、財源が追いつかないでしょうね。
また、大胆な行政改革を行い、経済状況を見て3年後に消費税増税、という点にも触れています。消費税の増税は、いつまでも避けて通れないと思いますし、増税時期を打ち出したのは良いと思いますが、3年後というのは微妙なところですね。
その頃まで、麻生政権が続いているかどうか。総理が変われば、話がうやむやになることは珍しくないわけで。増税するにしても、「大胆な」行政改革が可能なのか、という点も疑問が残るところ。
ともあれ、しばらくは衆議院の解散も無さそうな雰囲気になっています。多少なりとも、対策を功を奏すれば良いですが。
産経ニュース
麻生太郎首相会見
麻生太郎首相は30日夕、首相官邸で記者会見し、追加経済対策を発表した。会見の詳細は以下の通り。
それでは今回まとめさせていただきました国民のための経済対策を発表させていただきます。はじめに現在の経済の状況について、私の認識を申し上げさせていただきたいと存じます。現在の経済は100年に1度の暴風雨が荒れている。金融災害ともいうべきアメリカ発の暴風雨と理解しております。米国のサブプライム問題に端を発しました今回の金融危機というものは、グリーンスパン元FRB(米連邦準備制度理事会)議長の言葉を借りるまでもなく、100年に1度の危機と存じます。
証券化商品という言葉がありますが、これに代表されます新しいビジネスモデルが拡大をした。しかし、その中で金融機関がそのリスクを適切に管理できず、金融市場が機能不全に陥ったと存じます。ただし日本の金融システムは、欧米に比べ、相対的に安定をしております。日本の土台はしっかりしているということです。しかしながら、全世界的な金融システムの動揺というものは株式とか、債券市場を経て、世界の、また、日本の実物経済、実体経済にも影響を及ぼしていくことが確実であろうと存じます。こうした状況の中で、何より大事なことは生活者の暮らしの不安というものを取り除くことだと確信しております。すなわち国民生活の安全保障であります。
暴風雨をおそれて萎縮(いしゅく)してはなりませんし、台風が通り過ぎるまでじーっとしているだけでもだめです。今回の対策はこうした認識を背景に策定をさせていただきました。対策は大きく分けて2つです。1つは国内でできること。それは生活者の安全保障であり、金融の安定です。考えられる限りの大胆な対策を経済対策としてまとめさせていただきました。2つめは国際的にしなければならないことであります。金融の安定化のために国際協調を進めます。
まず、国民の経済対策について説明をさせていただきます。概要は配布をしていると思いますが、その資料の通りです。今回の経済対策は国民の生活の安全保障のための国民の経済対策です。ポイントはスピード、迅速にということです。これまでにない大胆なもの。重点を絞り、バラマキにはしない。そして財源は赤字国債を出さないこと。策定にあたっての主な考え方を説明します。まず、日本の経済は全治3年という基本認識のもとで今年度からただちに日本経済の立て直しにとりくみます。当面は景気対策。中期的には財政再建、中長期的には改革による経済成長という3段階で経済財政政策を進めてまいります。また、今回の景気対策の意義は、単なる一過性、その場だけの需要を創出することではありません。自立的な内需拡大によるいわゆる確実な経済成長につなげる必要があります。
そして体質を転換し、日本経済の底力を発揮させることであろうと思います。さらに財政規律維持の観点から、安易に将来世代にツケを回すというようなことは行いません。経済成長と財政健全化の両立を目指してまいります。こうした考えに基づき対策の財源は、赤字公債に依存しません。
今回の対策の主なものを紹介します。まず第1は生活者対策です。定額減税については給付金方式で全所帯について実施します。規模は約2兆円。詳細は詰めてまいりますが、単純に計算すると、4人家族で約6万円になるはずです。雇用につきましては、雇用保険料の引き下げ、働く人の手取り金額を増やしたいと存じます。また、年長をすぎたロスト・ジェネレーションともいいますけれども、正規雇用をするように奨励します。介護、子育てについても力を入れます。これは控除可能額を過去最大に拡大したいと思います。
第2に中小企業、金融対策であります。これから年末にかけて中小企業の資金繰りが苦しくなります。第1次補正で、緊急信用保証枠を6兆円としましたが、その後の国際金融情勢がより厳しいものとなっております。中小企業、小規模企業の資金繰りをより万全とするために、私の指示で20兆円までこの枠を拡大します。また政府系金融のいわゆる緊急融資枠を3兆円と前申しましたが、これを10兆円まで拡大します。あわせて約30兆円の対策となります。省エネ、新エネ設備を導入した場合に、即時償却、すなわち初年度に全額償却できるようにします。金融対策につきましては、金融機関への資本参加枠も拡大を行わさせていただきます。株式に対する配当課税など現行10%しております軽減税率を延長させていただきます。
第3は地方についてです。高速道路料金を大幅に引き下げます。休日はどこまで行っても一律1000円というわけではなく、1000円以下に。最高1000円。平日は昼間も3割引にさせていただきます。また道路特定財源の一般財源化に際しましては1兆円を地方に移します。以上のようなことを行い、その際にできるものから順次実施させていただきます。法律、予算の伴わないものは、でき次第直ちに。次に20年度補正予算案と関連法律。その次に21年度の当初予算と関連法律を順に実施をしてまいります。
次に財政の中期プログラムについて申し上げさせていただきます。今回の経済対策の財源は、赤字公債を出しません。しかし、日本の財政は依然として大幅な赤字であり、今後社会保障費も増加します。国民のみなさんはこの点について大きな不安を抱いておられます。その不安を払拭(ふっしょく)するために、財政の中期プログラム。すなわち歳入歳出についての方針を年内にとりまとめ、国民の前にお示しします。その骨格は次のようなものであります。景気回復期間中は減税を時限的に実施します。経済状況が好転した後に財政規律や安心な社会保障のため、消費税を含む税制抜本改革を速やかに開始します。そして2010年代半ばまでに段階的に実行させていただきます。本年末に税制全般につきまして、抜本改革の全体像を提示します。
簡単に申し上げさせていただけるなら、大胆な行政改革を行ったあと、経済状況をみたうえで、3年後に消費税の引き上げをお願いしたいと考えております。私の目指す日本は中福祉中負担です、福祉に関して。中福祉でありながら、低負担を続けることはできません。増税は誰にだって嫌なことです。しかし、多くの借金を子供たちに残していく、ということも止めなければなりません。そのためには、増税は避けて通れないと存じます。もちろん、大胆な行政改革を行い、政府のムダをなくすことが前提であります。
次に、国際的な金融・経済問題について申し上げます。まず、金融機関に対する監督と規制の国際協調体制についてであります。今回のサブプライム問題に端を発した金融危機をみると、次のような問題が挙げられると存じます。1つ、貸し手側のほうが行った、ずさんな詐欺的な融資。2番、証券化商品の情報というものが不透明。3つ目、格付け会社の格付け手法に対する疑問。このような、証券化商品のあらゆる段階において、不適切な行動がみられたということだと思います。さらに、こうした証券化商品が世界中の投資家の投資に対象となったことで、危機が全世界に広まったと思います。金融機関という本来、厳格な規制が必要とされる分野におきまして、ここまで大きな問題点を見過ごした監督態勢については、大いに反省すべき点があると思います。
特に、現在のような、各国当局がおのおの監督を行う仕組みでは不十分だと思います。金融機関を監督・規制する際に、いかに国際協調を構築するかについて、現実的な仕組みを、来月15日にワシントンで開かれる、財政に関するいわゆる首脳会議において議論をしたいと思います。
2つ目には、格付けについてのあり方です。格付け会社は、債券市場発展には不可欠なインフラ、いわゆる社会的基盤であります。しかし、サブプライム問題において、証券化商品に関する格付けのあり方などに、深刻な問題点があったことは否めないと思います。このことが、世界的な金融不安を増長した、という面がありました。こうした影響力を有する格付け会社に対する規制のあり方がどうあるべきか。また、アジアなどローカルな証券の格付けを行う地場の格付け会社を育成する必要があることを、首脳会議で議論をしたいと思っております。3つ目には、会計基準のあり方についてです。今回のような、金融市場が大きく乱高下するような状況において、すべからく時価主義による評価損益の計上を要求することが果たして適切であろうか。時価主義をどの範囲まで貫徹させるべきか。さらに有価証券を売買するか、また満期まで保有するのか、によっていかなる評価方法が適切であるのか。国際的な合意を目指して、首脳会議で議論を行わさせていただきたいと思っております。これが、国際金融問題に関する私の問題意識と、改革案です。
以上、国民の経済対策と金融問題の対応についてその骨格を申し上げさせていただきました。かつてない難しいかじ取りであります。日本政府の総力をあげて取り組んでまいります。国民の皆さんのご理解とご支援をお願い申し上げて、説明にかえさせていただきます。
−−総理がさきほど発表された追加経済対策の柱となっている給付金の資金繰りについて、平成11年に実施された地域振興券と同じように、財政負担の割には景気浮揚の効果が薄いのではないか、ということもあって、野党側からもばらまきではないかという批判もでている。総理は一貫して政局より政策といっているが、この中身をみると、生活対策より選挙対策という声も出ている。この批判についてどうお考えか。もうひとつ、この一部を実施するための第2次補正予算について、今国会に提出し会期を大幅に延長してでも成立を期すという考えがあるのか。
「給付方式はばらまき、というご批判なんだと思いますが、私は減税方式に比べまして、少なくとも今年度内にいき渡る、ということが第一。税金を払っていない、あるいは納付額が少ない家庭にも給付されるという点において、より効果が多い方式だと、私自身はそう思っております。また、これを今補正予算とうとうの話を、これ第2次補正(予算)にするか、これは今後の国会の運営の中で考えていくべき段階であって、今これを今臨時国会中に出して、出すか出さないか、というのを今の段階で決めているわけではありません」
−−衆議院の解散総選挙の時期について。今後の国会は早期解散を求める民主党が抵抗を強めて、政策の実現が難しくなることが予想される。党内では選挙で直近の民意を得て、本格的に政策を実現すべきとの声もあるが、総理は解散総選挙をいつ断行するおつもりか。
「解散の時期につきましては、しかるべき時期に私が判断をさせていただきます」
−−公明党も早期解散を主張していたが、さきほどの公明党、太田昭宏代表との会談で、解散について、どのようなやりとりがあったのか。
「解散につきましては公明党の方々のご意見、なにも公明党に限らず、党内でもいろいろなご意見がありましたが、ご存じのとおりです。従って、私自身としてはいろいろなことを勘案して、この解散の時期を決めさせていただくということで、公明党の方々と綿密な意見を交換させていただき、十分な意思の疎通がはかれたと思っております」
−−公明党は11月30日に総選挙という前提で本格的に準備を進めていたのではないか。この点について、選挙の時期についての考え方の違いというのが、連立を運営していく上で、何か影響があるのではないか。また、ここにいたる経緯についての意思疎通について、何ら問題がなかったということでよいのか
「何がなかった?」
−−意思疎通について、何かしらの問題がなかったのか
「あのー、いろいろ特定の新聞社におもしろおかしく書かれた例は知らないわけじゃありませんけれども、私どもの間で、特定、あの太田(昭宏公明党)代表との間にいろいろな意味で意思の疎通によって、連立関係、おかしくなるというような関係はありません」
−−今、解散についてお話しいただけなかったと思うのですが、この3年間で…
「解散の時期については私が決めます。それが答え」
−−この3年間、国民の審判を得ないままで、3代にわたって総理大臣がかわった。麻生総理自身も文芸春秋の論文で「国民の審判を最初に仰ぐのが使命だ」と書いたが、その政権で、政局より政策を実現できることに対する正当性についてどう考えるか
「政策を遂行することについて?」
−−正当性について
「正当性?あのー、うちは大統領制じゃないということは、もうよくご存じの通りだと思います。ここは、議院内閣制ですから。従って、議院内閣制によって運営されているのであって、大統領制とは全く違うということであって、その正当性ということに関しては、全く問題がないと思っております。また、今、少なくとも、世の中の中において、政局よりは政策、なにより景気対策という世論の声の方が圧倒的に私は高いと思っております。
−−2次補正については今国会、2次補正…
「はいはい」
−−今国会で出すかどうかはまだ決めていないということだったが、民主党の協力が得られるようであれば、今国会提出するということは、当然考えていくということか
「あの、私どもとしては、これは国会の運営上の話と密接に関係をしますので、それが本当にいらないのかどうか、それを見極めながらでないとなんとも答えが出せない、もうご存じの通りです。そういったことでありますので、きちんとした、今、本国会に最後に出しますとか出さないとも言えないというのは、そういうことがあります」
−−地方への1兆円について、現在、国の道路特定財源の中から約7000億円を地方に交付する地方道路整備臨時交付金というのがある。今回、一般財源化にあたり、臨時交付金というのは、なくした上で、あらたに1兆円を交付する仕組みを作るのか、また、7000億円を地方に交付する制度は維持した上で…
「7000億を?」
−−7000億円を地方に交付する、この制度は維持した上で、これに加えて1兆円を交付する制度を作るのか、そのいずれか
「あの、これはまだ詳細に決めているわけではありません。しかし、基本としては、1兆円というものを地方にということが基本です」
−−解散総選挙のことに関連して、政局よりも政策、景気対策を求めるのが国民の声といった。確認になるが、現在のところにおいては、当面は、解散はないというふうに受け取っていいのか
「NHKの当面っていう言葉の定義が、詳しくわかってないんで、うかつなことは言えないんですが、当面っていったじゃないかといわれて、どの程度が当面なのかよく分からんから、お答えのしようがありませんけれども、少なくとも今の段階において、この補正予算というものの定義、通るか通らないか、これは国会の対応等を見た上で、解散の時期等々はそれに関連してくる、当然のことだと思いますよ。いずれにしても、私どもとしては、この政策というものを、是非、実現して、結果として、国民の生活不安に応える必要があるというのが、僕は、優先順位からいったら一番なんだと、私自身はそう思っています」
−−先ほど総理は100年に1度の危機だとおっしゃった。アメリカも大統領選挙があり、アメリカもしばらく政治空白になることが予想される中で、日本が解散によって政治空白を作ることがあるのかどうか。それについての率直な麻生総理の考えを聞かせてほしい
「アメリカの場合は11月の4日から1月の20日まで、いわゆる、トランス…。何…。移行期間の間がなかなか難しい。これは4年にいっぺん、必ず訪れる話であります。そういった時期に世界第1の経済大国と第2の経済大国の日本とともに、それがかなり、選挙等々でごちゃごちゃしているという状況は極めて好ましくないと、たぶん世界は思っている。事実、言われたこともありますけれども、そういったことは確かに考えておかねばならぬ大事なところだとは思います。しかし、一番大事なのは、この政治空白という言葉がどういう意味で言っておられるのかよく分かりませんけれども、少なくとも選挙になったからといって、突如と、なんて言うの? 行政がなくなるわけではありませんし、政府はそこに存在しておりますので、議院内閣制としては、そこにアメリカには一挙に何千人にもお役人が変更するとか、変わるということもありませんし、そういった意味での政治空白というのは、ちょっと定義が、この種の話は定義が難しいところですけれども、そういった意味でただちに政治空白が起こると考えているわけではありません」



