2013年07月31日

2014年度は公共事業10%削減?復興庁の予算は使われないものも

2014年度、来年の国の予算編成では、公共事業などを含む裁量的経費を今年度当初予算より10%程度カットする方針だそうです。

カットした分は増加が続く年金・医療・福祉関係費をまかなうために使われるようです。

 

また、昨年度の2012年度に、復興庁の予算の35%が使われなかったそうです。事業が遅れているものや、業者が不足して実施困難な事業があるなど、思ったように進まないみたいです。

 

震災復興にかこつけて予算を流用しているところもあれば、肝心の復興事業はなかなか進まない。その一方で、財政危機から予算カットをしようなど、お金の使い方が乱れまくっているようですね。

これで、消費税増税を見送って・・・とか人気取りに走るようなら、景気が回復するより国が倒れる方が先かもしれません。

 

土木業界も、今のところアベノミクスで延命策が効いていますが、2014年度からはまた元に戻りそうですね。

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posted by いさた at 15:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月24日

静岡県の入札情報サービス 敷居が結構高い

今は国をはじめ都道府県など、入札結果をネットで見ることができます。昔を思えば、随分と便利になっています。

電子入札に参加するのでは無く、入札結果を見るだけであれば、IEを使えば普通は特別な操作は必要なく、簡単に見れます。

 

しかし、今日ちょっと入札結果を調べることになって初めて使った静岡県の入札情報サービス、これは結構敷居が高かった。

情報サービスのサイトを「信頼済みサイト」に登録して、そのサイトに対する設定を調整して、さらに表示を「互換設定」にしないと、結果の検索ができません。

枚数にして12ページのpdfのマニュアルを参照しながらこの設定をして、やっと検索することができました。

 

一度設定してしまえば良い、と言うことですが、たまにちょっと調べたい、という時にこれだけの設定をするというのも面倒なものです。

 

他のサイトが同じような設定を必要としないだけに、この敷居の高さにはちょっと驚きました。

他の自治体でも、同じようなシステムを使っているところがあるんでしょうか。

posted by いさた at 15:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年03月28日

千葉県談合、電子入札でも

この3月はめちゃくちゃ忙しくて記事を書いたのは1本だけ。久しぶりに記事を書いていますが、前回の記事はWBCの決勝ラウンド前。

日本は1回戦で敗れましたが、遙か昔に感じます。今、1回戦、2回戦と言えば春の高校野球の時期・・・・

 

さて、引用しているのは千葉県で談合が摘発されたというニュース。通常は談合が難しいとされる電子入札で談合が行われていた、という事で少しニュースになったのでしょうか。

 

まあ、指名競争入札なら入札メンバーがわかれば談合は可能でしょう。一般競争入札ではどんな方法を使ったんでしょうね。

公取が手法の解明を急いでいるようですが、確かに気になるところではありますね。

 

発注者が関わっていれば、指名競争だろうが一般競争入札だろうが談合は可能だろうと思いますが、調査して待っているのはそんなオチなのでしょうか。

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posted by いさた at 17:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月21日

業務の無断発注

 NEXCO西日本の社員が、およそ2年間にわたってシステム管理や広報物の印刷などの業務約3600万円分を、上司に許可を得ないままに業者に発注していたことが発覚したそうです。

 会社名の契約書を偽造したり、委託料は社名入りの口座を作って自腹で支払ったりしていたそうですが、支払いが滞ってわかったとのこと。

 

 いったいなぜこんなことをしたのでしょうか?発注業者に対して弱みでもあったのか、それとも正式に発注できない理由がNEXCO内部にあったのか、それともそもそも内部で処理すべき業務だったのか?

 自腹で委託料を支払っていたのは社員が無断発注の発覚を恐れてのことで、いろいろな嘘を重ねていった結果でしょうが、無断発注に及んだ理由がよくわかりませんね。単に自分が契約手続きをまともにしていないことを隠すためだけだったのか?

 

 上司の監督不行届き、という面もありそうですが、そちらは追及されているのかどうか。動機がわからないのでは、不可解なままですし、出勤停止2ヶ月というのは処分として妥当なのかよくわかりませんね。 

 

 NEXCOの契約に対する信用が損なわれているので、単に該当社員を処分したからはい終わり、とはならないと思いますが・・・動機やら上司が気づかなかった原因など、追及しておく必要がありますね。

 

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2011年09月13日

透明すぎる電子入札システム

 愛媛県が導入している電子入札システムで、ある条件の入札案件において、ソースコード画面を開くと最低制限価格が入札者に見えてしまう不具合が発覚したとのこと。

 発覚のきっかけは、ある工事で最低制限価格と同額の入札があり、役所が業者に確認したことだそうです。

 

 期せずして、最低制限価格を事前に公表するタイプの入札システムになっていたということですね。

 いったい、どれぐらいの業者がこの「透明すぎる」仕組みを知っていたのでしょうね。4年半前から使用されているそうですから、この案件のみに留まらないでしょうし、結構な数の業者がこの点を利用していたのではないかと想像します。

 こういうのは、案外クチコミで広まっていそうな感じがしますね。

 

 私自身は下請業者になるので、発注者の電子入札に参加したことはありませんが、電子入札システムは他の都道府県や市町村など、結構似たようなシステムを使っているかもしれません。

 入札案件の公開や検索システムは似たものが結構あるので、そこからの類推ですが・・・他の電子入札システムも一度調べて見る方がよいのかもしれません。

 愛媛県のケースは、氷山の一角である可能性もあります。

 

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posted by いさた at 15:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月27日

最低制限価格の予想屋ビジネス

 私は知りませんでしたが、熊本県と熊本市は公共工事の最低制限価格を決定するのに、コンピューターがランダムに決めるシステムを使っており、既に3〜4年ほど使っているそうです。

 一応、ランダムに決めるので事前の最低制限価格の予想は不可能、ということだそうですが、現実には過去の実績からある程度価格が予想されて50〜70%の確率であたるとのこと。この予想をビジネスとする「予想屋」も存在するようです。

 

 ある制限範囲内で最も安かったところが落札するという枠組み内では、最低制限価格の予想に力は入るのも無理からぬところがありますね。

 最低制限価格を全くランダムに決めているわけでもなく、ある範囲内で乗率をかけて設定されているなら、予想も不可能では無いような気がします。運用年数が経過して、統計的分析からある程度予測ができるようになったとか。

 

 熊本で採用しているシステムは、最低制限価格が発注者でさえ正確にわからないから、官民の癒着や談合が起きない、という発想なのでしょう。

 しかしながらこの入札システムは、発注者として果たすべき責任(例えば業者の技術力の評価など)は、従来の入札法以上に、どこかに投げ出してしまっている感じを受けます。

 

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posted by いさた at 20:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月09日

みんなで渡れば

 岩手県内の建設業者78社が談合で岩手県から指名停止処分されるそうですが、基準なら1年間のところ、 6ヶ月と半分の期間の処分になったとのこと。

 

 その理由は、これだけの業者が1年間も仕事ができないと地域社会への影響が大きい、ということらしいですが、 まあ工事を発注したい県の方も受ける業者がいないのは困る、ということもあるでしょう。

 「赤信号みんなで渡れば怖くない」という好例でしょうかね・・・・さすがに処分無しといかないでしょうが、 5割引にはなりましたね。

 

 そうそう、岩手県といえば、どこかの超有力国会議員を思い浮かべますが・・・・

 

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posted by いさた at 18:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月11日

必要以上の利益は返還

 岐阜の建設会社が、岐阜県発注の建設工事を受注する際、自社にとって十分と判断した以上の利益は、 発注元に返還するという提案をしたそうです。

 現在、公共事業の競争入札では、品質確保ということで最低制限価格というものを設け、 これを下回る額を入札すると失格になったり、あるいは本当に応札額で業務が遂行できるのか調査されたり、 あるいはチェックが非常に厳しくなったりします。

 この建設会社は、正直に入札すると失格になるため、最低制限価格で応札し、余分な利益は返還します、 と提案しているようです。

 

 私なら、利益がでるなら出来るだけ積んでおこう、ということを考えますが、この会社は違いますね。 自治体の財政を心配するのなら、別に返還という形をとらなくても、自主的にどんどん寄付すれば済むことですから、 この提案は明らかに今の制度の変革を求めているということです。

 まあ、元記事内での「入札では最低制限価格の少し上を狙うことが目的化」という現状は事実ですし、 自由な競争とは言い難いです。

 ただし、発注側としては制限を設けないとダンピング競争になり、 過度のコストダウンで造られる構造物の品質に不安がある、というのもまた実情だろうと思います。安いところに出しました、 というのは簡単でわかりやすいですが、事前に「品質」を評価することがなかなか難しいのですね。

 

 今回の提案は、入札制度に一石を投じるという点ではなかなかに興味深いです。発注側としては、自分達の積算価格が高い、 ひいては税金の無駄遣いと言われているようで、もしかするとあまり気分は良くないのかもしれません・・・・

 

 もし、このような返還提案を「落札のためのテクニック」として使う業者が次々に現れれば、 また事情が変わってくるでしょう。応札額は形骸化して、代わりにリベートで競うような状況になってしまう可能性があります。

 発注側としては、返還には応じられない(寄付は歓迎でしょうが)のではないですかね。

 

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2009年10月22日

モラトリアムに続いて「良い談合」

 亀井金融相といえば、借金の返済を一定期間猶予するという「モラトリアム」を実現させたいとか、 日本郵政のトップを入れ替えたりとか、大臣になってから鼻息が荒いのですが、今度は公正取引委員会に「良い談合を認めろ」 と迫っていたそうです。

 ここぞとばかりに爆走しているのでしょうかね・・・・国民新党ではなく、民主党としてはどう考えているのでしょうか。

 この談合容認はかねてからの大臣の主張だそうですが、地方の中小企業が仕事を分け合うために行うのが「良い談合」で、 大企業が利益を独占するための談合は「悪い談合」らしいです。

 

 こんなことを公正取引委員会が認めるわけがなく、話は物別れに終わったとのことですが、 独占禁止法からすれば認められないのが当たり前。

 ただし、地方を救済するために公共事業を発注するということで、 できるだけ高い金で多くの業者に仕事を行き渡らせるには談合が必要なんだ、という趣旨はまあ理解できます。「競争」 とは違う次元での主張ではあるのですが。

 

 要するに、ここ5〜10年間で談合がかなり少なくなり、競争になったけど実態は価格競争でしかなく、 ダンピングばかりで建設(関連)業界は疲れてしまった。その上仕事量も減少の一途でどうにもならない。 特に厳しい状態の地方の建設(関連)業界は、昔のダンピングが無かった頃に戻してくれよ、ということだと思います。

 そうすれば経営は楽になるのかもしれませんが、技術力を高めようといった努力をしなくて良くなるのもまた事実。 努力をしなければ、ますます談合に頼らざるを得なくなるという悪循環に陥ることにもなります。

 

 競争していくにあたっては、根本的には「価格が安い」だけで決定するのではなく、 設計や工事の技術力もあわせて評価して契約する、というシステムに変わる必要があるでしょうね。

 現にプロポーザルや技術提案型など、そのような方向に変わりつつありますが、 これはこれで評価方法の問題が出てきたりして、簡単ではないのですが、政権が変わったので、 このあたりの変革に力を入れてはどうかと思います。

 

 こうした技術力の評価となると、大手が有利で中小企業が不利といったことにもなり、 中小企業は仕事がとれない状況になるかもしれません。倒産するところがいくらでもでてくるかもしれません。

 それを業界の再編と見るのか、行き過ぎた競争の果てと見るのか。それでよいのか、公共事業の持つ意味は? というところまで踏み込んで考えることになるのかもしれませんね。

 

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2009年10月09日

ダム事業は基本的に凍結

 前原国土交通大臣が、ダム事業の一時凍結を行う方針を表明したそうです。

 現在日本で143ヶ所のダム事業が進められていて、国や水資源機構が直轄で行うのが56、自治体が行うものが87あり、 そのうち直轄のものは、既存ダムの機能向上を行っている8事業を除く48事業を凍結するとのこと。

 基本的にダム事業は凍結ですね。「中止」でなく「凍結」ですが、現在のムダカット、ムダカットの流れの中では、 復活は難しいでしょう。

 

 八ッ場ダムの建設中止、これは既定路線として押し通されると思っていますが、これに伴って地元への補償問題が議論され、 実際に補償が行われることになるのでしょう。

 他の凍結されたダム事業からも同じような話が出てくるでしょうから、八ッ場ダムが一つのモデルケースとなって、 補償金の支払いなどが行われる可能性があります。そのような出費が伴えば、ますます復活の芽は無くなるでしょうね。

 

 自治体が行うものについては、知事の判断を尊重するということですが、 補助金の支出に関してはストップするつもりもあるようです。そうなると、いくら判断を尊重するといっても、 費用がついてこなければ断念せざるを得ないでしょうから・・・・まあ、国にならえ、という意思表示ではないでしょうか。

 時代は変わっていく、ということのようです。

 

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2009年09月16日

「負担金」は階層構造だったのか

 全国知事会が、公共事業に関して国が都道府県に負担を求める「国直轄事業負担金」の廃止を求めていますが、 それに関連して、同じように都道府県が市町村に負担を求める「市町村負担金」を廃止する府県が出てきました。

 現時点では、来年度から和歌山県が原則廃止、大阪府と熊本県が一部廃止だそうです。

 

 橋下知事らが先頭に立って唱えている風の国直轄事業負担金の廃止。 自分ら都道府県が金を出すのは嫌だけど市町村には金を出してね、ではマズイ、ということですね。この辺は、 正直というかフェアな姿勢だと思います。

 ただ、イメージ戦略としては大阪府がまず一番に打ち出す方が良かったのではないでしょうか。 それも一部廃止でなく原則廃止で。

 

 この負担金は、国→都道府県→市町村、ときれいに階層構造をなしていますね。 行政システムはこういうのが多いのでしょうが、ひとつ変更しようとすると、様々なところに影響が出るみたいですね。

 

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posted by いさた at 14:43 | Comment(0) | TrackBack(1) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月22日

道路特定財源廃止へ法案成立

 道路特定財源を一般財源化する「改正道路整備事業財政特別措置法」が参議院で可決・成立しました。 1954年から55年間続いた道路特定財源は、これで法的に廃止が確定となりました。既に今年度予算では、 社会保障費の一部に充てられているそうです。

 これと同時に、地方自治体が公共事業に利用できるという「地域活力基盤創造交付金」というものが作られ、 道路関係税収はこちらにまわされるようなので、一般財源としての使用は限られているようです。

 

 道路特定財源の一般財源化は、昨年の3月に当時の福田首相が言いだしたことですが、 政治の世界では今に至るまでに色々と変化があって、既に遠い昔の事のようにも感じます。よくウヤムヤにされずに、 法律が成立したものですね。

 一般財源化するなら、高い税率が設定されているガソリンなどの暫定税率を何とかして欲しいものですが、 根拠となる法律が違うのと今の税収不足からするとほぼ不可能でしょうね・・・

 

 この一般財源化は、今後の土木業界の動向に影響を与えるのは間違いないところでしょう。 公共事業の予算規模は減少の一途。景気対策のための財政出動を別とすれば、減少傾向はさらに拍車がかかるのでは。

 

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posted by いさた at 13:55 | Comment(0) | TrackBack(1) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月27日

国交省が職員給与を県に負担させていた

 国土交通省が各地で工事を行う際、その事業費の一部を自治体が負担する「国直轄事業負担金」という制度があります。工事が行われると、その地域が利益を得るという、受益者負担という趣旨だそうです。

 これについて、先日、国土交通省四国地方整備局が、自身の工事事務所の建設費の一部を、負担金の一部にわからないように潜り込ませ、香川県に負担させていたことがわかり、橋下大阪府知事に詐欺師呼ばわりされていました。

 さらには長年にわたり、職員給与や退職金の一部までも潜り込ませ、四国4県に負担させていたこともわかったそうです。

 

 国交省曰く「工事には職員の人件費がかかるので払うのは当然。他の地方整備局でもやっている」そうです。また、職員の人件費が含まれていることは、口頭で説明していたがわかりにくい面があった、などとして、今後は十分説明していく、とも言っているようです。

 口頭で説明するだけで書類になっていない、というのは「隠そうとしている」と思われても仕方が無い面もあると思いますが。こんなことをしているから、地方整備局は解体してしまえ、という話が出てくることになるのでしょう。

 

 しかし、国家公務員(ですね?地方整備局は若干違うのか?)の給与の一部を自治体が負担するというのも変な話だと感じますが、国交省曰くそれが「当たり前」なんですね。

 ならば、他の省庁でも、ある地域の利益になる仕事に関わっている職員の給与は、自治体が負担しているのでしょうか?日本中、まんべんなく利益になるような仕事に関わっていたら、全国の都道府県が負担するのか?

 

 逆に言えば、自治体に給与を負担してもらっていない職員というのは、

 

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2009年01月20日

予定価格の公表を入札後に変える動き

 都道府県が発注する公共工事の入札で、 予定価格の公表を入札前から入札後に切り替える自治体が増加傾向にあるとのこと。

 昔は予定価格は公表されず、自治体から事前に漏れ出す事が多々あり、官民の癒着をまねくなど、 不透明な入札になっていると指摘されていました。その改善のため、予定価格を事前公表するところが増えてきた、 という経緯がありました。

 

 しかし、事前公表だと、入札前に価格がわかるため、最低制限価格が推測しやすくなると言う効果も生み、 公共事業が減少していく状況で、とにかく仕事をとろうと、採算に合わないような安値入札が増えているようです。

 価格競争と言えば価格競争なのですが、発注側は、あまりに安い価格では手抜き工事となるのでは、 という不安もあるようですね。

 価格だけでなく、例えばコストダウン技術や工期短縮の技術提案などを加味して落札者を判断する、 総合評価方式というのもありますが、評価の手間暇や、発注側に総合的な判断が要求されることもあって、 全ての入札について行う状況にはなっていないようです。 

 

 事後公表は、極端な安値落札を排除して、ある程度の品質水準を維持したいがための対策、という趣旨のようですが、 入札価格の公表については、事前にせよ、事後にせよ、どちらも一長一短があるのは間違い無いところでしょう。

 最も安いところを採用する、という方法をとっている限りは、 このような問題は大なり小なりついてまわることになりますね。

 

 この件は工事に関する内容ですが、公共事業の設計においても同様に、予定価格は事前公表で、 最低制限価格ギリギリで安値受注、という状況のようです。こちらも、 同じように事後公表が増える(増えているのかも知れません)。

 受注側はダンピングを繰返していても疲弊していくだけ、かといって今度は高くなれば談合を疑われたり、 となかなか難しいものがありますね。

 

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2008年09月04日

柏原市土木工事で新型談合か

 大阪府柏原市が発注する公共工事で、談合が行われている可能性があるとして、大阪地検が捜査に乗出しています。

 入札に参加した業者全員が、公表されている予定価格と同額で応札し、くじ引きで落札者を決定。 事前に予定価格で応札するように談合していた疑いがあるようです。

 

 一般的な談合は、応札者の間で事前に落札者と価格を決め、落札者以外は違う価格で入札することが多いですが、 それとは異なるという点で、「新型談合」と言えるかも知れません。

 この方式なら、業務価格を高く保つことができるので、値段のたたき合いにはならないですね。なおかつ、 落札者が適当に丸投げ外注すれば、元請するよりは安くても、仕事を回しあうことも可能。くじ運が強い業者は、丸投げで儲る、 という役得もありますね。

 仕事を取りたいがため、最低制限価格で落札しても、請けた後が大変だし、柏原市の手口はなかなか、 考えた方法ですね・・・・とあまり感心している場合ではありませんが・・・・

 

 さて、これらは、市の発注業務ということで、ごく限られた業者間の競争が続いていた可能性がありますね。 このような手口は、入札時に「抜駆け」するのがいると成立しないですから。

 市長と業者の関係、市側の関与も疑われているとか。確かに、この方式なら、予定価格を高くとどめておいて、 落札業者からキックバックを受ける、ということも考えられます。

 

 談合の疑いが浮び、予定価格の公表を止めてからは、新型談合と思われる入札はほぼ無くなったようです。 談合の防止策として行われるようになった予定価格の公表ですが、柏原市のように逆用する方法も発明? されたりとイタチごっこですね。

 きっと、柏原市以外にも、同じようなケースが全国のどこかで行われているのでしょう。

 

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2008年07月03日

北海道開発局が廃止の方向へ

 先日、官製談合が発覚した国土交通省の北海道開発局が、廃止となる方向のようです。

 

 大阪にいると、東京よりも北、東北地方や北海道の仕事をすることは、そうそうありません。 私は一度だけ北海道の仕事をしたことがある(開発局の発注ではない)ぐらいで、北海道内における、 北海道開発局の権力を知るよしも無いのですが、相当に強力な権限を持っているようですね。

 天下りOBを介した癒着や利益誘導など、現役幹部のみならず、やりたい放題にやっていたようでもあります。

 

 もともと、北海道庁が行う業務と似通ったことを行っている組織で、「屋上に屋を架す組織」 などと言われていたようですが、今回の不祥事発覚を機会として、廃止されるのでしょう。 防衛施設庁も談合などの問題で廃止されましたが、同じケースとなるのでしょうね。

 これを契機として、国土交通省の各地の地方整備局についても、統廃合が行われるかも知れませんね。 もしやるとすれば、組織のスリム化・効率化、ということで、いくつかずつまとめて統合される方向でしょうかね。

 

 役所の組織といえど、もうどうにもならない部局となったら、「淘汰される」ということのようですね。大阪府も、 このままでは廃止となり、周辺の府県に分割・吸収されるか?

 

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2008年04月24日

ODAを食い物に

 海外での大手建設コンサルタントであるPCI(パシフィックコンサルタンツインターナショナル)の元社長ら4人が、 特別背任容疑で逮捕されました。自身が代表を務めていたグループ会社をトンネルして、1億2千万を私的に流用した、 というもの。

 立件したのが上記の件、ということで、他にも以前から経費の水増し請求など、いろいろとやっていたようです。 まだ調べれば出てくることでしょう。

 ちなみに、インターナショナルが無いパシフィックコンサルタンツ、 と言えば国内の建設コンサルタント業界の中でも屈指の大手。

 

 さて、流用した金は、いったい総額いくらぐらいになるのでしょうかね。 昨日の報道ステーションで特集っぽくニュースが流れていましたが、 サラサラとインタビューに答えていた元役員のニュアンスからすると、数十億円規模なのでしょうか。 茨城県国保連合会で10億円着服、というのもありましたが、この額を軽く越えていそうです。

 

 流用された元金は、ODAの国費であり、税金です。またしても無駄遣いが発覚したことになります。談合を始め、 無駄遣いや利権の問題など、

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2007年12月07日

官製談合で発注者を共犯認定

 旧JH、現NEXCOであった鋼橋関連の談合事件で、東京高裁は、元公団理事が業者の共犯であると認定、 背任罪を適用したそうです。こうしたケースは初めてだそうです。

 官製談合で発注者側の関与が認定され、有罪になったというのは、発注者を震撼させる判決なのでしょうか。「天の声」 を発しているような人たちにとっては・・・・・他の官製談合に関わる裁判にも影響があるかも知れませんね。

 業界の雰囲気、というか発注者側の意識が少し変るだろうか、という感想。

 

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2007年01月31日

防衛施設庁の入札に希望社無し

 防衛施設庁の工事の入札で、希望社が現れない事態が発生しているとのこと。それはなぜか。希望社は入札に当って、 非常に厳しい内容の誓約書を提出しなければならないから。

 誓約書は、過去に談合をしていないしこれからもしない、また公正取引委員会から処分を受けた時は、 最大で2年間指名停止になっても良い、といった内容だそうです。

 社会通念上、誓約書に求める内容はわかりますが、自分のことは棚に上げて「官製」 談合で上げられた役所が求めるところに、ちょっと矛盾を感じますね。防衛施設庁も逆に希望社に対して、官製談合はしない、 発覚したら損害賠償します、といった感じの誓約書を出したら、お互い様でちょうどいいんじゃなかろうか。

 ゼネコンも「過去に談合をしていない」という誓約書を出すのはちと無理では(^^; このまま希望社が現れなければ、工事が出来ないことになるが、さてどうなるんでしょうね。

 最終的には、指名競争入札にして、入札を希望しなかったり、不調に終ったら指名停止処分にする、 というような手法で工事発注になるんでしょうか。

 

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2007年01月05日

国交省OBが橋梁業界に資金要請

 今年の参院選出馬予定の国交省OBが、橋梁メーカー各社にパーティー券購入を依頼していたそうです。 橋梁メーカーの中には、先頃談合事件で起訴されている26社を含むとのこと。引用したアサヒは、 民側の不正に厳しい姿勢の国交省も、実は民にもたれかかっている、という論調。OBが自民党公認ということで、 自民のイメージダウンを狙ったんでしょうね。

 まあアサヒの論調はもっともなんですが、はっきり言って、この出馬予定のOBは、橋梁業界、 もっと広くは建設業界全般、もしくは自動車業界やら、国交省管轄の業界に、 政治資金を要請しないと仕方が無いでしょう(^^;
 官僚代表みたいな議員で、しかも旧建設省出身の議員の後継なのだから、さらに致し方ないでしょうね。引退する議員の、 地盤の引継ぎみたいなものなんじゃないでしょうか。

 詳しく知りませんが、一昔前なら、要請された企業は全社がパーティー券を購入していたのかな? だとすれば、 今回購入していない企業があった、ということは、業界の体質もわずかに変ってきた、ということなんでしょうか。

 

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2006年12月25日

談合を自首しても国交省は処分を課す方針

 現在、公正取引委員会が、談合を自首すると、 課徴金を減免する制度(リーニエンシーと言うそうです)を導入していますが、 国土交通省は自首した企業に対しても厳しい処分を課す方針を決定したとのこと。

 リーニエンシーは摘発を増やすために導入された一種の司法取引ですが、 国土交通省は司法取引には応じないということですね。自首しても談合をしていたことに変りはないわけで、 それに対して処分を下す、ということは一般的な感覚としては普通のことだと思います。

 企業が国土交通省から営業停止や指名停止などの処分を受けると、他の地方自治体も右にならえで、 同じように処分を受けることになるので、経営への影響が大きい。企業側としては国土交通省も取引をして欲しい、 ということなんでしょうが、当の国土交通省は独自に判断する姿勢ですね。官庁の縦割セクショナリズム的な匂いも感じますが・ ・・

 引用記事中のメーカー幹部のコメント「これでは自首に踏み切れない」=裏で談合やってます、 と公言するコメントですなf(^^;

 

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2006年07月24日

公有地の競売をネットで

 あまっている公有地の競売を、インターネットオークションで行うようになっていくらしい。 ヤフーが引受けたそうですが、公告で買手を募るより、はるかに多い買手の目にとまるでしょうから、 売る方としては都合がよいのでしょう。
 ただし、「だれでも」入札可能なら、落札後に何らかの問題が発生する可能性は否定できないですね。

 これが順調に行くようであれば、近い将来、 公共事業の入札もインターネットオークションで行われるようになるかもしれませんね・・・

 

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2006年06月13日

公益法人との随意契約は94%が不適切

 中央省庁と、OBが天下っている公益法人が昨年度に交した随意契約のうち、94%は不適切だった、ということです。 不適切、というのは競争相手を探す努力が足りない、といったことだそうです。
 天下り先として、公益法人・独立行政法人・民間企業と範囲を広げると、77%が不適切だそうです。不適切度は、 公益法人が特に高いようですね。

 

 財務省の報告だそうですが、不適切な随意契約の解消に向けて、本気で取組むなら、 画期的取組みと言えるのではないでしょうか。随意契約がやりにくくなれば、公益法人のメリットが薄れ、 既得権益が失われることになりますね。公益法人から再委託を受けているところも同様。この権益の壁は厚く、 高いかもしれません。

 方向性としては、随意契約から入札や公募に変えるようですが、価格だけの勝負になると、 シンドラーエレベータのような事態が起きる恐れがあります。品質確保の問題には対処していけるのか。
 しかしながら、現在の調達システムでは、ダンピング競争になるのは避けられそうもないですね。

 土木業界も、当然ながら影響を受けるでしょう。コストダウン、コストダウン・・・

 

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posted by いさた at 18:10 | Comment(0) | TrackBack(2) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月27日

公共事業費を年3%以上づつ削減

 公共事業費をこれから年3%以上減らしていく、という政府の方針が固まったそうで、私が身を置く業界は、 ますます縮小へと向う状況になってきました。
ここ数年来、仕事量は減少の方向なので、苦しい状況が続いているのですが、 そのうちどこかで商売替えをしないとダメかもしれませんf(^^;

 

 公共事業費の削減は、 国や地方の莫大な借金を何とかするためには仕方がないと思いますが(莫大な借金のもとをつくったのも公共事業であるので)、 政府自体の経費、人件費を減らすとか、自分たちが改革に取組む姿勢を見せる必要がありますね。

 引用記事によると、2011年度には今年よりも約1兆円減る、ということですが、公共事業費削減は、 アメリカ様へのミカジメ料を捻出するためか、とか邪推してしまいますね。

 

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posted by いさた at 13:06 | Comment(0) | TrackBack(1) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月16日

汚泥処理施設談合 コンサルタントが激安入札

 汚泥処理施設の設計業務で、コンサルタントが非常に低価格で落札していた、というYOMIURI ONLINEの記事ですが、メーカーがコンサルタントに資金提供をしていた可能性が高い、ということです。

 低価格の入札といっても、1円入札ほど極端なものではないので、これまで騒がれなかったのでしょうか。
入札を実施した自治体は、安値入札をどう思っていたのか。安く済んだ、ということで、余った金は別のことに使っていたのか? 自治体自身もコンサルタントやメーカーになめられている、という事に気づいているのか?

 それにしても、メーカーの協力を受けて、資金提供までも受けていたコンサルタントは、 技術で生きているコンサルタントではなく、単なるメーカーの手先ですね。

 

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posted by いさた at 12:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月27日

剰余金で社会貢献

道路公団、ファミリー企業の剰余金で社会貢献
http://www.asahi.com/national/update/0825/TKY200508250360.html

985億円と言われる、剰余金をとりあえず100億円ほど使って、今年は、 高速道路での救急救命対策や逆走防止装置の開発、 障害者に対応したトイレ整備などをするそうである。しばらくは継続的に行われるようである。

ハード的な整備が必要な事業計画が出てくれば、仕事が減りつつある建設業界にとって、少しは売上げの足しにはなるのかもしれません。 結局は剰余金をバラまいて終った、ということにならなければ良いですが。
まさか、事業計画の実行を発注した先が、ファミリー企業だった、というような、実は資金の内部循環だった、ということは無いでしょうね。

社会貢献として、高速道路の一般利用者にとって利益になる内容を考えているようですが、例えば、 もう単刀直入に公団の借金返済に充てるとか、交通遺児などを対象にした奨学金制度を創設するとか、もっと大きな視点から、 CO2排出量削減のための研究に使うとか、そういった方向の貢献の仕方でも良いのではないか、と思います。

 

posted by いさた at 02:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月03日

落札率と余った税金

今、世間を騒がせている橋梁談合。

落札率とあわせて、税金の無駄遣いだ、といろいろと追求を受けているが、仮に談合が無くなり、 落札率が予算の80%とか75%に下がった場合(という状況が、正当な競争が行われている状態で、 これを目指しているのだろうと私は思います)のことを素朴に考えてみる。なお、できあがるモノの品質問題は無視しています。

(1)落札率80% → 予算額の減少 → さらにその80%...という感じで、理論的にはどんどんと下がるけれど、 あるところで頭打になるはず(原材料費も出ないような額では、さすがに続かなくなると思う)。そうなると、 落札率は100%に近くなると思うが、そうなってしまうと、また問題になるのか?

(2)落札率80%で、余った20%の金はいったいどこに行くのか。会計システムには詳しくないが、余った金で借金の返済をしたり、 翌年度に繰越したり、あるいは福祉にまわしたり、といった使い方ができるのだろうか?。(当初の予算に無く、 緊急性があるわけでもない)別の工事をしたりして、結局使ってしまっているのか?それとも、予算が余ったので、国民の皆様に還元するとか?

 

談合自体は法に触れることなので、弁護をするつもりは無いですが、つまるところ、「無駄に使われずに残った税金」 はどこに流れていくのでしょうね.....

 

posted by いさた at 16:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 土木関連(入札契約) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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