2012年03月20日

耐震診断結果を「低く」改ざん?

富山県の滑川市民会館の耐震診断結果が、市職員の指示で本来の調査結果より低い値に改ざんされている疑いがあるそうで、現在内部調査を行っているとのこと。

 

建築の場合、Is値(構造耐震指標)というのがあり、この指標値を算出することで建物の耐震性を評価しているようです。

問題の市民会館のケースでは、調査報告によるとIs=0.68で、これは0.6以上で「倒壊の危険性は低い」そうです。

この結果に対して市職員が改ざんの指示を出し、最終的にIs=0.217にしたとのこと。0.3未満の場合は、「倒壊の危険性が高い」と評価されるとのこと。

 

以前大きく問題になった構造計算の偽装は、耐震性不足を満足と改ざんしていましたが、これは逆のケースですね。

改ざんの理由は、耐震工事の理由づけのためと考えられるようです。

 

前市長によると、会館は老朽化していて耐震云々に関係なく改修する方針だったそうで、無理に理由づけをする必要は無い、と話しているとのことですが・・・

これは、例えば耐震性が低い場合、改修工事に際して国や県から補助金が出る(結果的に市としては工事費を安くできる)とか、そういう制度を利用したいがための改ざんのような気がします。

 

そういう制度があるのかどうか詳しく知りませんが、何度も調査した会社に書換えさせたということは、どうもそんな動機があるように思います。

改ざんの動機が、どういうレベルから出てきたものなのかも問題でしょうね。担当者の独断、あるいは部の意志、もしくは、市長レベルとか?

 

技術者として気になるのは、結果的に報告書の改ざんを行うことになった調査会社は、倫理的にどうなんだろうか、という点。

もちろん、資格試験問題としてはアウトになるのは明らかでしょうが、これが「報告書を書直さないと業務費は払わない」といった展開だったら?現実的な対処方法は考えさせられるものがあります。

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posted by いさた at 19:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 建築関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月03日

サウジで1000mの超々高層タワー計画

 サウジアラビアの世界的富豪が、高さ1000mの超々高層タワーの建設計画を発表したとのこと。実現して完成すれば、ドバイの「ブルジュ・ハリファ」828mを抜き世界一の高層建築になりますね。

 

 建設費が約950億円、5年計画らしいです。その資金力もさることながら、建設可能な技術がある、ということです。ドバイで先行しているのである程度のメドはついているのでしょうね。

 地域的に見て、日本のような耐震設計の想定はなさそうなので、これほどの超々高層タワーも割に現実的なのでしょう。

 

 スケールの大きさでため息が出てくる話ですが、バベルの塔建設の欲望はやはりある、というところでしょうか。

 

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2011年04月19日

建築物の長周期地震動対策を強化へ

 先日の東日本大震災で、新宿の超高層ビルが13分間にわたって揺れ続けていたことがわかったそうです。

 「長周期地震動」によるものだそうで、現状の耐震設計基準では1分間以上の揺れに耐えるよう要求されているとのこと。

 これを、最近の研究結果により、8分間まで引き上げる予定だったそうですが、この調査結果を受けて、再度検討するそうです。結論はこれからでしょうが、より長い時間に耐えられるようにするのでしょうか。

 

 建物の固有周期は、高さや形状で決まってきて、この周期と地震の揺れる周期が一致すると揺れが大きくなります。高層建築物は固有周期が長くなるので「長周期」。

 調査結果では振れ幅が108cmもあったそうで、建物地震の耐震性も必要ですが、中にいる人やあるいはモノへの影響も考えないといけません

 これまでなら、東日本大地震の地震動に耐えられるように、ということになるでしょうが、どれぐらいまで想定するのかは福島の原発事故の影響を考えると難しいところでしょうね。「想定外」はいつか必ず起きると思いますが、原発に限らずこの言葉は今非常に使いにくい・・・

 

 土木分野の耐震設計でも、近く何か動きがあるのでしょうか、それとも・・・?

 

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2010年01月06日

ドバイの超々高層ビル ついに完成

 2010年の初記事です。本年もよろしくお願いいたします。

 さて、2日ほど前になりますが、ドバイで建設が進められていた世界一の超高層ビルがついに完成したとのこと。 その高さは828mで200階建て。2位の「台北101」の高さは508mでその高さは大きくぬきん出ています。

 

 こうなると、建物というより山のスケールの方が近い感じですね。大阪の周辺で言えば、

六甲山 931m
生駒山 642m
金剛山 1125m
葛城山 858m

と、葛城山とほぼ同じ高さ。全然ピンと来ませんねf(^^;

 

 こんな規模の建物になると、構造的に地震はあまり気にしていないんだろうな、と言ったことや、 地域的に石油は潤沢なんでしょうが一体どれぐらいのエネルギーを消費するのだろうとか、そういうことが気になります。

 建築物としてとらえるよりも、一つの街としてとらえる方が適切な規模なのかもしれませんね。

 

 ビルの名称が「ブルジュ・ドバイ」から大統領名を入れた「ブルジュ・ハリファ」に変更されたそうです。 経緯がわかりませんが、権力者の名前を入れるというのは、どことなく独裁者を思わせるものがあって、 経済のみならず国の体制としても怪しいところが出てきたのでしょうか。

 建設が始まった頃は、経済発展の象徴だったのでしょうが、今の経済状況ではその意味も薄れて、 意地で竣工させたというところでしょう。

 今後の採算がどうなるのかは不透明なようですが、「バベルの塔」となる可能性が高いように感じます。

 

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2009年11月29日

「住宅版エコポイント」制度実施か?

 政府は省エネ対応やバリアフリー対応の住宅の新築や改築を行った場合、ポイントをつけて商品やサービスなどで還元する 「住宅版エコポイント」制度を実施する方針のようです。

 今年度の第2次補正予算に計上し、制度の適用は2010年中に着工する住宅となるようです。

 

 景気対策の一環ですが、住宅に関わる産業は多様なので広い範囲への効果を期待しているようです。ただ、 不正申請対策として工事の確認をするらしいので、仕組みは面倒なことになるかもしれませんね。

 

 家電のエコポイントである程度売り上げアップ効果があったようなので、では住宅関係にも、という発想ですね。

 しかし、家電と住宅では買い物としてのお金の桁が違います。ポイント制度よりも、素直に現金で還元するなり、 価格から値引きするなりした方がよっぽど良いんじゃないかと思います。

 

 主体になるのは国土交通省でしょう。クルマと同じように、取得価格を安くすれば良いように思いますが、 何故なんでしょうね。自民党との違いを出したいから?

 

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2009年05月11日

消防法改正で長周期地震動への対策を義務化

 6月1日より消防法が改正され、高層ビルや超高層ビルで被害が懸念されている「長周期地震動」 による被害への対策として、事務機器の転倒防止や、 エレベーターに閉じこめられた人を救出する計画の策定等が義務づけられるそうです。

 

 長周期地震動というのは、震源が遠くにあり、ゆっくりした周期で長い時間揺れる地震によるもので、 高層ビルや超高層ビルで揺れが大きくなるものです。建築物自体の設計でもこれまではあまり考慮されてきておらず、 近年問題になっていますが、今回の消防法の改正は、建築物自体ではなく、 建物内の家具や什器の転倒被害を減らそうとするもののようです。

 エレベーターからの救出云々は、2004年の新潟・中越地震で、東京の六本木ヒルズのエレベータワイヤが切れた、 という実際の被害に基づいているようですね。

 

 大きな揺れで家具や事務機器がフロア内を動き回ったら、収納しているモノは無事でも、 人が怪我をしたり場合によっては亡くなることもあるでしょうから、転倒防止・固定化は必要な対策と言えるでしょうね。 あまりに揺れが大きいと、ビルから事務機器が飛出す、なんてこともあるかもしれません・・・・

 

 この義務化は、計画の作成や管理点検の報告が義務づけられるそうですが、 果してどこまで実効性があるのかは気になる点です。

現在も行われている立入り検査でも、スプリンクラーの有無のような、ハード的装備はなかなかごまかしようもありませんが、 例えば非常避難経路は、検査時はOKでも、日常は物置になっていて塞がっている、 といった有名無実のようなケースは多々あります。

 今回も同じ状態に陥るのではないか、という危惧はありますね。

 

 また、高層ビルでも、

 

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2009年02月25日

耐震偽装で建築確認の責任を認める判決

 姉歯元建築士による構造計算書の偽造が発覚し、大騒ぎになったのは2005年の11月。もう3年以上の前のことですね。思えばその後の食品偽装やら産地偽装やら、一連の偽装のはじまりのような事件であったように思います。

 そんな、いくつもある偽造計算書の一つに基づいて建てられ、結果的に建て替えを余儀なくされた愛知県のあるホテルが、建築確認をした愛知県とコンサルタント会社を相手に損害賠償を求めた裁判があります。

 

 その裁判の判決が愛知地裁であり、建築確認側の責任・過失が認められたそうです。

 建築確認側の責任がはっきりと認められたのは、これが初めてではないか、ということです。そういう意味では画期的判決のようですが、一般的感覚からすれば、責任の一端はあって当然だと感じられます。

 

 確認側としては、姉歯事件当時までは、構造計算は確認の範囲外であった(建築士が責任を持って良心的にしているはず)、3週間という短い時間で膨大な構造計算をチェックすることなど出来ない、ということで、偽装を見抜けなくても仕方がないし責任もないんだ、というスタンスでいるはずです。

 現実として、恐らく構造計算をチェックできる担当者は稀であったでしょうから、チェックしろと言われてもチェックできなかったのが実態でしょうね。

 

 そこに、安全性を保つための注意義務を怠った、過失がある、と言われたら、これは困っているのではないでしょうかね。これが判例として、全国至る所で建築確認側の責任が認められることになったらどうなることか、と注目が集まっているかも知れません。

 地裁判決でもあるし、これは愛知県は控訴するでしょう。何としても責任回避・・・・

 

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2009年02月02日

WTC 新府庁にするなら耐震補強

 大阪府庁舎の更新に関して、南港のWTCに移転すると言う案が、最近脚光を浴びつつある状況ですが、 もしWTCに移転する場合、ビルの耐震補強が必要なようです。

 

 もともと、現在の設計基準に照らすと、一部不適となる部分があるらしいのですが、商業ビルで使用する分には 「既存不適格」ということで法的には問題がないようです。

 ただし、府庁舎となると、災害時に重要機能を担うことから耐震補強が必要となるそうです。 大阪府の基準では通常の1.5倍の強度を要求するそうなので、なおさら必要でしょう。移転費用として、 この耐震補強費(18億5千万程度らしい)も見込む必要がある、ということになりますね。

 この耐震補強はビルの上屋に関する補強みたいですが、地盤と基礎は大丈夫なんでしょうかね。南港は埋立地なので、 建物を支える地盤自体、あまり強固ではないと思います。そのあたりの現状把握と対策も必要ではないでしょうか。

 

 また、災害時は府庁が重要機能を果す、とのことですが、 南港へのアクセスを確保しておかないと機能しないでしょうね。南港から大阪市内や各方面へアクセスする道路や鉄道にも、 それ相応の耐震性を持たせることが必要になります。

 特に、立地上、橋やトンネルの耐震性がキーになりますね。これが全滅となれば、府庁は孤立状態になってしまいます。

 

 道路や鉄道関係は、阪神・淡路大震災以降、耐震補強を進めて行っているはずですが、 こちらについても南海地震の長周期地震動などを考えると、「既存不適格」 なものが出てくる可能性があるんじゃないでしょうか。

 問題は意外と広範囲に潜んでいるかも知れません。

 

(関連記事)
大阪府庁をWTCに移転する案
移転後の跡地利用も考えた上

 

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2008年12月08日

1級建築施工管理技士 替え玉受験発覚

 国土交通省所管の国家資格「建築施工管理技士」で、替玉受験が発覚し、 資格スクールの責任者が逮捕されていたそうです。替玉受験を請負った資格スクールの責任者は、 数十万円の報酬を受取っていた、ということです。

 発覚した原因は、30代の受験者の顔写真に、50代半ばの容疑者の写真を貼っていて、とても年齢不相応だった、 ということだそうです(笑)。替玉は今回が初めてだったのかどうかわかりませんが、替玉の背景として、過去は、 意外と試験実施側のチェックが甘かったのではないか?だから替玉でもいけると思ったのではないか?という気もします。

 

 監理技術者としては、1級建築士よりも、1級建築施工管理技士の方が、より広い範囲の工事でなれるようですね。 施工管理技士は、建築以外にも土木や造園といった分野についてもあります。

 資格があった方が、いろいろと有利と言うことで、取得に励む者・励まされる者がおり、それに関連して 「資格ビジネス」で儲けている人たちがいますが、替玉はビジネスとしてはやはり行きすぎで、犯罪になってしまいます。

 

 「試験」と名の付くところ、替玉の問題は古くから存在していると思います。おそらく、発覚したのは氷山の一角で、 施工管理技士に限らず、他の資格にも潜んでいることでしょう。

 こういった替玉が横行すれば、やがては資格自体に信用が失われ、社会的に意味を成さなくなることでしょう。 そうなれば、資格ビジネスもあがったり、ということになるのですが、それでは自分の首を絞めていることになるのでは?

 もちろん、替玉受験を行う方が悪いのですが、試験の実施側も、より確実な本人確認の方法が必要ですね。

 

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2008年05月15日

おから工事

 昨日のTVニュースで知りましたが、中国では、手抜き工事のことを「おから工事」と表現するようですね。 中国語だと「豆腐渣工程」だったか?「手抜き」の脆さ・いい加減さの比喩として言い得て妙だなぁ、 と変なところで感心してしまいました。

 ニュースの本題は、四川大地震の被害の大きさは、その「おから工事」にも一因がある、というものでした。 おから工事の原因は主に汚職で、要職にある者が使う建築物はしっかり造られるが、学校など、 民衆が使う公共施設にはおから工事が横行しているらしいです。

 

 確かに、建物をしっかりと造っていれば、被害の拡大は防げた可能性はありますね。ただし、 震源近くでは震度7とか8とかの揺れだったのではないでしょうか? 中国の建築物の耐震設計がどのようなものか知らないのですが、震度7以上なら、 それ相応の被害は受けるのではないでしょうか。無事で済んだら、それは僥倖というべきでしょう。

 日本の耐震基準で臨んでも、四川のような規模の直下型地震は設計上想定していないでしょうから、 震度7や8になると、どんな被害を受けるのか、本当のところはわからないでしょうね。設計上余力があり、 何とか持ちこたえる、というケースはあるでしょうが。

 

 四川大地震の被害は、おから工事による人災という側面もありますが、それが全てではない、ということですね。 やはり、大半は激烈な地震の破壊力がもたらした被害と言えるものでしょう。

 

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2007年10月12日

[訃報] 建築家・黒川紀章氏 逝去

 建築家の黒川紀章氏が亡くなられたとのニュースが。73歳。

 唐突な知らせにかなり驚いていますが、どこか身体が悪かったのでしょうか? 都知事選や参院選に出馬して怪気炎をあげていた姿からは、こんな時期に亡くなる方とはとても思えませんが・・・・・

 最近の選挙での主張・公約はともかくとして(^^;、建築家としては様々に功績をあげられた、 まさに有名建築家であります。故人のご冥福をお祈りいたします。

 

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2007年07月12日

JFE系商社がエレベーターで鋼材の強度偽装

 フジテックが製造した1万基以上のエレベーターに、設計指定よりも強度が低い鋼材が使われ、 強度不足の恐れがあるとのこと。最も低い場合で設計上の70%しかないそうです。
 問題の鋼材を納入したJFE商事建材販売は、鋼材の検査証明書を偽造して、強度が低く安い鋼材SPHCを、 設計通りの鋼材SS400に見せかけていたということです。フジテックが了解済だったかは、 JFE商事とフジテック側で主張が違っています。

 ミートホープのミンチではありませんが、鉄も見た目ではまずわかりませんね。偽装をした動機はなんでしょう。
  1.安い鋼材を納めて、高い鋼材分の代金をもらっていればJFE商事が儲ります。
  2.安い鋼材をその値段で買って、つくったエレベーターを高く売ればフジテックが儲ります。
  3.フジテックが儲った分、JFE商事に少し分け前をやれば、お互いに多少儲ります。
この中のどれかが真相に近いのか。やっぱり3.ですかね。だとすればフジテックも了解済のことですよ。

 

 エレベーターの設計がどんなものか知りませんが、本来の70%の強度しかないのであれば、 地震が来た時には鉄の降伏点を超えていそうです。 ちなみに、鉄が降伏点を超えると、変形が戻らなくなり、 急に弱さを見せるようになります(なので、降伏点と呼ばれます)。降伏点を超えてさらにいくと、最終的に破断します。

 多分、普通の設計なら、地震が来ても降伏点は超えないように考えるだろうから、 設計をやり直したらNG連発なのではないでしょうか。ただ、SPHC鋼材は規格として降伏点が決っていないようなので、 どう判断するのでしょうね。

 通常使っている状態では、さすがに降伏点には至らないでしょうが、いわゆる許容応力度を超えているでしょうから、 厳しい使用状態におかれることになり、製品としての寿命は本来期待されている期間よりも短いと予想されます。 エレベーターの取替え需要が発生して、フジテックが儲るかも知れませんが、 使っている側としては困った話ですね(^^;

 

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2007年06月24日

三重のマンションで強度不足の欠陥

 三重県桑名市の15階建て分譲マンションに欠陥があり、約半数の住民が退去済または退去する予定であるとのこと。 売主は欠陥を認めて謝罪し、販売価格の90%で買戻すなどの条件を提示しているそうです。 瑕疵に対して賠償が行われるのは救いですね。

 asahi.comから引用した元記事に写真がありましたが、平常時に建物の自重で下層階の天井が沈み込み、 クラックが入っているというはすさまじい状態ですね。鉄筋のかぶり不足なども見つかっています。平常時にこの状態では、 耐震性はまず期待できませんね。ちょっと大きな地震がきたら致命的ダメージを受けるのでは?床が抜けて、梁が壊れるとか。

 原因は調査中ということですが、設計ミスか施工不良のような感じを受けますね。偽装ではなく、 何か相当大きなミスを犯しているのでは。
施工は鴻池組という事ですが、どれぐらい下請けに任せたのでしょうね。設計者は引用記事には出てきていませんが、 建築主の三交不動産が自前で設計したのでしょうか。

 

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2007年05月31日

耐震補強工事でミス 避難出口がふさがれる

 東京都江戸川区の公共施設で耐震補強を行った際、引き戸部に補強の筋交いを入れたために出入口がふさがれてしまい、 建築基準法施行令違反の状態になってしまっているとのことです。この工事により、2施設の2室が、 災害避難時の出口が1ヶ所しか無い状態で、2ヶ所以上設ける義務に違反していることになります。

 出入口が1ヶ所ということは、地震に限らず、例えば火災になった時に、逃げ場が無くなる可能性がある、 ということです。あちらがたてばこちらがたたず、という状況ですが、引き戸を補強して耐震化を図ったのであれば、 設計ミスですね。

 問題がある2施設は、いずれも子供の利用がある施設なので、利用者のみならず保護者も心配でしょうね。 江戸川区からは特に説明がないまま施設が使われ続けている、ということですが、 説明が無いのは今どきとしてはマズイでしょう。説明しない理由は何なのか、隠蔽か、とかいろいろと憶測されるだろうし、 信用が失われますね。

 状況が改善されるまで、避難するような事態が起きなければいいですが。

 

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2007年05月07日

[耐震偽装] 構造計算ソフト改訂が新制度に間に合わない

 一連の耐震偽装問題を受け、6月20日から新しい建築確認の制度が始るとのことですが、 それに対応する新しい大臣認定ソフトの改訂作業が大幅に遅れており、制度開始にソフトが間に合わないそうです。 新ソフトを使用せず従来の方法で申請すると、建築確認に要する期間が長期化したり、 チェックに要する費用が高くなったりするとのこと。

 asahi.comの記事は、「時間も金もかかるよ」という審査する側の言訳であると共に、 結局はこれまでの審査はテキトーなものだった、というのを物語っているように思います。 全うに仕事をしている構造設計者の立場からすれば、だから何?という感じなのでは・・・・。
 また、新しい建築確認では、新ソフトを使っていれば構造計算はOKとする、というようにも読めます。 新ソフトに絶大な自信あり、という感じですが、そのうちまた「チェックできなかった」「認定ソフトだったのに・・・」 という事例が出てくるでしょう。

 まあ、改訂が遅れているとは行っても、新ソフトが出てくれば、 確認申請を早く終らせたいという要求が高いでしょうから、設計者も新ソフトを使わないといけなくなるでしょう。 新ソフトの値段がわかりませんが(土木設計なら専用ソフトが数十万より、というところなので、同じような相場か?)、 設計者にとってはとんだ物いりですね(^^;

 

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2007年04月17日

照明設計の新指針 一室一灯から多灯分散

 照明学会が、新しい住宅照明の設計指針をまとめたそうです。「一室一灯」から「多灯分散」 というのが大きな方針のようです。照明設計というのがあることは知っていましたが、内容については全く知らず・・・ この学会の指針が、世の設計では広く目安として使われているのでしょうか?

 「多灯分散」が照明の効果としてはいいんだ、ということですが、照明用の配線も必要だし、 電球や蛍光灯も(一灯よりは)余分に必要になるし、消費電力も若干ですが増えるようです。
 住宅の電力消費における照明の割合は小さいものでしょうが、エネルギー消費、 モノの消費という点では気になるところですね。快適な照明環境と、 資源の節約がうまくバランスする落しどころが難しいのかも。

社団法人 照明学会
http://www.ieij.or.jp/

 

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2007年04月03日

構造計算の判定員実技試験は合格率40%ぐらいか

 一連の耐震強度偽装事件により、今年6月から新しい構造設計審査制度がはじまることとなりました。 「構造計算適合性判定員」なる人たちが、構造計算をチェックすることになります。
 この判定員候補に対して行った講習会で、講習の後、実際に構造計算のチェックを行う実技試験が行われ、その結果、 判定員としての能力を持っていると認められる人は約40%、不合格は約50%だった、ということです。なお、 正式な判定員になるためには、実技に合格してさらに国土交通大臣に申請して認められる必要があるとのことです。

 今回の合格率40%は高いのか低いのか。受験者の母集団がどんな人たちかにもよるので、 一概には言えないところがありますが、一級建築士の合格率が10%程度、技術士が15%程度なので、 値を見れば40%は高い数字でしょう。
 ちなみに、建築構造専門の大学教授や准教授は、実技試験を受けるまでもなく判定員の要件を満たしているとか。 実技試験を受けていたら、100%の合格率で合格していたのでしょうか。

 私の感想では、やはり40%は実務経験者が受験しているから高い数字なのでしょう。しかし、一般の人が見たら、 合格率半分以下で大丈夫か?という感じでしょうね(^^; asahi.comの記事は「48%が不合格」 という見出しですから。

 新しくできる構造計算の適合性判定機関は、果してうまく機能するのでしょうか。ちょっと見るところ、 構造計算の権威機関になりそうな感じですが。

国土交通省
構造計算適合性判定に関する講習会の結果概要について

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2007年01月27日

[耐震偽装] アパホテルの設計荷重の報道で思うこと

 引用したasahi.comの記事は、今話題のアパホテルの構造設計における設計荷重が基準値の半分、という、 ちょっとセンセーショナルな見出し。設計担当はもちろん田村水落設計。

 記事の内容は次のようなもの。京都市調べによると、アパホテルは、 一般的な目安である建築基準法施行令に示した値の半分程度で構造計算がされている。施行令と違う荷重を使う場合は、 根拠を示す資料が必要なところ、資料が添付されていなかった。
 設計者は、日本建築学会の指針を採用した、と説明した。京都市は 「施行令以外の目安を採用する場合は根拠を示す資料を付けるべきだった」とコメント。

 

 京都市のコメントは、どうも、 構造計算書に設計で用いた建築学会の指針を添付していれば良かった(根拠があれば荷重の大小は問題ではない)と受取れます。 建築物の安全性云々よりも、書類上の整合性や、資料の不備があるかないか、準拠する設計基準は何か、 というところに重点が置かれているのでは?公共事業の場合に行われる会計検査みたいです。

 結局、引用記事では、「基準値の半分」という見出しで、一般大衆にアパホテルへの不安・ 不信感を持たせる効果はあると認めます。ただし、本質的な問題である、 一般的な目安である施行令より少ない荷重で建築物を設計した場合、その建築物の強度に不都合があるのかどうか、 全くわかりません。

 設計荷重の妥当性は、問題のアパホテルの利用状況に即して推定される荷重値と、 設計に用いられている荷重の比較によって判断されることになると思います。どの基準、という論点ではないので、 京都市や田村水落設計では結論づけられないでしょうね。決着するためには、 第三者が利用状況の調査をするなどして判断するしか無さそうです。

 

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2007年01月25日

[耐震偽装] アパ・水落ケース

 国土交通省が、アパグループの京都市内のホテル2棟で、耐震強度不足が見つかったと発表、 京都市がホテルの使用禁止を勧告。水落光男という一級建築士が関わった物件とのこと。

 これが元イーホームズの藤田が告発していた耐震偽装の一角なんでしょうか。国交省は耐震強度不足、 建築士は強度は不足していないと主張していますが、解析手法の問題もあるので、 現実の建築物が地震に耐えうるのかどうかはよくわからない。

 建築士個人の所業なのか、それともアパグループが意図して偽装をしているのかどうか、 さらにはアパから安倍首相へとつながる利権を暴きたいのか。安倍首相のスキャンダルになれば、「美しい国づくり」 も崩壊といったところか。

 

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2006年12月26日

[耐震偽造] 姉歯被告に懲役5年の実刑判決

 耐震偽造問題で一躍有名になった姉歯被告に対し、東京地裁は懲役5年、 罰金180万円の実刑判決を言渡したとのこと。姉歯被告は偽造の事実を認めており、情状面だけが争点だった、 ということです。

 執行猶予無しという点では厳しい判決。しかし、多くの欠陥建築物を意図的に設計、実際に造られていた、 という行為に対して、懲役5年という量刑は、こんな程度で済むのか、という印象です。賠償となると、刑事ではなく民事の問題なんでしょうね。

 姉歯被告はこの判決を受入れるのか、それとも控訴するのか。反省の色を示すなら、受入れて刑に服すべきでしょう。

 

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2006年11月24日

木造住宅の耐震性実験

 実物大の木造住宅に、阪神淡路大震災クラスの揺れを与える実験が行われ、 現行の建築基準法による木造住宅の最低限の耐震強度では、巨大地震時に倒壊する可能性があることがわかったとのこと。

 建築の基準には詳しくない門外漢ですが、現行基準は82年と実に約25年ほど前のものなので、 関東大震災のようなプレート型地震が念頭にあり、 阪神淡路大震災のような直下型地震は想定していないのではないかと思います。
 なので、最低限の等級1で倒壊、というのも不思議ではない。とりあえず、 等級1の1.5倍の強度である等級3を目指して設計すれば、直下型地震に対しては大丈夫なようです。

 ただし、設計で想定する地震の強度が地域によって異なる点と、阪神淡路大震災クラス、という点は要注意でしょうね。 昔から地震への備えが言われてきた首都圏や東海地方は大きな震度を想定しているでしょうが、 過去に大きな地震が無かった地域ではどうか。現在は過去に大きな地震が無かったといっても安心できない。
 また、現時点ではあまり言われませんが、阪神淡路大震災を越える加速度を記録する地震がいくつかおきているはずです。 確か、中越地震がそのような地震だったように思います。これをどう考えるか。

 建築基準法の改正も、確実に耐震設計にしばりをかける、という意味では必要ですが、 それよりも既存住宅の耐震補強に関するガイドライン的なものが無ければ作成する、あるならもっと周知するように努める、 といった方が重要な気がします。

 古い家を壊して新しく建替える、というのはなかなか難しいので、既存の家をいかに耐震補強するか、 という需要が高まってくると思います。何らかの目安が無ければ、実際の効果が疑わしい○○補強工法、 といった怪しげな商売の温床になる可能性がありますね。

 

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posted by いさた at 11:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 建築関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月20日

長周期地震動で超高層ビルに重大損傷の可能性

 建築学会と土木学会の共同研究により、長周期地震動によって、超高層ビルに設計の想定を大きく越える力が作用し、 重大な損傷が起きる可能性があることが明らかになったそうです。両学会は「耐震性をチェックし適切な補強を」 との提言を出しているとのこと。

 長周期地震動、というのは震源が遠くにあり、ゆっくりと長時間揺れるような地震。関東大震災とか、 これから発生すると言われている東海地震や東南海地震もこのようなタイプ。

 

 内容としては、学会のシミュレーションで、設計の想定を大きく越える力が作用するケースがあった、ということ。 これは、従来の設計基準で考えている以上の地震が実際に発生したため、このような研究していたようです。

 その地震力を、従来の設計基準でできている建物でシミュレーションすると、設計の想定を大きく上回り、 重大な損傷が起きるケースがあった、ということなのですが、 まあ当り前といえば当り前の結果(設計の想定以上の地震を作用させているのだから、 多かれ少なかれ上回っても不思議ではありません)。上回る度合がかなり大きかった、ということのなのでしょう。

 理屈ではそのような話ですが、実際にその設計基準で設計された建物が既に建っているわけで「補強しておきなさい」 という提言は、それはそれでまた当り前の提言。
 ただ、ではどの程度の地震にまで耐えるように設計するか、という判断は難しい。 過去に起きた地震に耐えるだけでは十分ではない。かと言って、ではどこまで強力な地震に耐えればいいのか?

 

 ちなみに、今回の両学会の提言は、反対されるような内容では無いと思いますが、法的な拘束力を持ちません。コスト面・ 技術面などを検討して、現実に補強を行う動きにまで結びつくか、どうか。

 

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2006年10月18日

[耐震偽造] イーホームズ藤田社長、執行猶予付有罪

 イーホームズの藤田社長に、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の有罪判決が下りました。検察側が主張する、 見せ金の件と構造計算書偽造を見逃した件との関連は認められませんでした。確かに、検察側の主張はこじつけ気味で、 苦しいのは苦しい。

 藤田社長自身、控訴はしない方針だそうですが、自らの耐震偽造に関する責任は無い、との立場は崩していないので、 いわば事件の本質と関係のないところで有罪となった、というところでしょうか。
 藤田社長の主張は、国が悪い・建築確認のシステムが悪い、自分はシステムに従ってビジネスをしていただけで責任は無い、 ということだと思います。法律やシステムの規制・マニュアルを犯していない、よって責任は無い、という感じでしょうか。

 しかし、これでは問題の建物を買ってしまった住民や、実際に建築物の設計や施工に関わる実務者の意識とは、 永遠に平行線なのか、とも思います。
 実務者の良心からは、確認やチェックと言えば、国が認定したソフトを使っているからOK、 なんてことでは済ませられませんし、欠陥構造物が実際に出来て、永久ではないにしろ後世に残ると考えると、 いい加減なことはできないな、とちょっとした恐怖感を覚えます。

 単に規則を犯していないから問題は無い、という意識は、 ものづくりの世界では余にもビジネスライク過ぎるように思います。株の取引ならそれでもいいんでしょうが・・・・

 

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2006年10月02日

日本ERI 建築確認手数料引上げ

 建築確認期間の日本ERIが、建築確認業務の手数料を約20%引上げるとのこと。その理由は 「(構造計算書偽装)事件後、審査に時間に人手をかけるようになり、人件費など経費が大幅にかさむようになったため」 だそうです。

 要するに「今までは審査に時間も人手もかけていなかった」という告白ですねぇ。
 つまり「安かろう、悪かろう」だったわけで、 しかるべくして姉歯ケースをはじめとする構造計算書偽装事件の一因となったわけです。

 審査をきっちりとする、ということに異論はありませんが、手数料引上げにより、審査の「質」が確保できるのか。 いくら時間をかけても、審査する人間が建築のプロでなければ、質の高いチェックはできないでしょうね。

 

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2006年07月31日

設備・構造専門の1級建築士資格新設へ

 耐震偽装問題を受けて、国土交通省は一級建築士のあり方を見直す方針を固めたそうです。一級建築士の枠の中に、 さらに専門分野の資格として、構造と設備関係の建築士資格を設けるらしいです。 構造と設備には専門の責任主体を設けることを狙っているようです。また、免許取得後に講習受講、 修了試験などの一種の更新制度を設けるようです。

 更新制度や、建築士資格の専門特化は、別の国家資格である技術士の例もあるし、まあ妥当な線でしょう。もちろん、 これで完全に偽装が無くなるわけではないでしょうし、ミスが無くなるわけではありませんが、ある程度、 現状の改善は望めるでしょう。

 引用した記事では、一級建築士の再試験が検討されたが、反発が大きく見送られた、ということですが、 そりゃそうでしょうね (^^; 本当に再試験したら、資格保持者は激減するのでは・・・? 管理職となって久しい人などにとっては、大変なことになるでしょうし。「そんなことを言うのだったら、 建築確認担当の公務員も再試験を受けろ」なんていう意見も出たのかもしれませんね(^^;

 建築士事務所の区分登録についても、反発があって見送りなるようなのですが、 これは見送らずに行った方が良いように思います。
 その方が実態がわかりやすくなるだろうし、建設コンサルタント業界では、 (区分の仕方はともかくとして)区分登録は特に珍しい形態でもないし・・・何がマズイのでしょうね。

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2006年06月14日

建築基準法など関連4法が改正

 耐震強度偽装に関連し、建築基準法、建築士法など関連4法が改正され、参議院本会議で可決・成立したとのこと。 不正行為に対する厳罰化が目玉なようです。施行は1年以内に順次行われるそう。
 欠陥建築物に対する補償といった対策は、また別途改正が行われるようです。

 建築確認の厳格化、ということで構造計算をチェックする第三者機関「構造計算適合性判定機関」 というのができるそうですが、実際に機能するかどうかが、設計偽装に対処する上で重要になるでしょうね。

 まじめにチェックをすれば、建築確認が下りるまでの期間が長くなるでしょうし、 かと言って大臣認定ソフトを使用しているかどうか、ぐらいのチェックをする程度なら、 現在あるザルチェック機関が看板をすげ替えたにすぎません。
 ましてや、構造計算手法によって、結果が変ってくることもあるのだから、「適合性の判定」というのは難しいでしょうね。 そのうち「判定機関対策」を主眼に置いた構造計算手法が開発され、計算手法が統一に向うかもしれません。

 

 今回の改正は、今のところ私が関係する土木設計自体には影響してこないものですが、近い将来、 同じように第三者機関のチェックを受けるようなシステムに変るかもしれません。

 

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2006年04月26日

耐震偽装関係者を逮捕

 姉歯ケースの耐震偽装問題で、姉歯元建築士をはじめ、関係者8人が逮捕されました。逮捕された、といっても、 まあ耐震偽装とは直接関係の無い別件逮捕ですね。
イーホームズは廃業する、ということなので、木村建設に続いて関連の会社が消滅することになります。 ヒューザーも弁償問題でそのうち消滅でしょうか。

 結局、刑事責任を問うとすれば、耐震偽装では詐欺罪が適用されることになるのでしょうか。あとは民事で、 耐震強度が不足する建物の住民による賠償請求で、社会的には問題が処理されることになるのでしょうかね。

 

 耐震偽装も、時間が経てばあまり話題にもならなくなりましたが、結局、同様な偽装を防ぐ仕組づくりが進まないと、 同じことが繰返されます。
 この問題は、国交省をはじめ、地方自治体が責任を持って取組まないとダメだと思いますが、 どうも嵐が過ぎるのを待っているだけ、のような気がしてなりませんね。札幌でもあったように、 調べれば偽装されているケースはもっと出てくるでしょう。発覚していないだけ。

 

 耐震偽装の問題は、政府に期待しても仕方がないような感じなので、一般庶民としては、 家を買う時は信用できそうなところから買う、とか費用はかかるけれども第三者に構造設計の調査・検証をしてもらうとか、 自衛策を考えていかないとダメでしょうね。

 

(関連記事)
構造計算書の偽造
構造計算書の偽造(その2)−偽造とミス
構造計算書の偽造(その3)−責任の分担 
構造計算書の偽造(その4)−結局はザルでしかない
構造計算書の偽造(その5)−証人喚問 
チェックのレベル

 

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2006年03月08日

耐震強度偽装(札幌・浅沼ケース)

 計算書偽装の問題は、姉歯ケースだけではないと思っていましたが、調べればいくつも出てきます。 札幌の浅沼二級建築士が関わったケースは、引用したニュースの他、昨日記者会見の様子をTVで見ましたが、二級建築士、 というところにまず驚きました。二級建築士の場合、関われる建物の規模に制限があることぐらいは知っていたので。

 記者会見では、構造計算は独りでやりました・・・と言っていましたが(他人に迷惑をかけまいと配慮したのか、 それとも真実を正直に話しただけか)、法的に二級建築士で扱える建物の規模を越えているのに、 一級建築士は何も関与していなかった、という話では、非常にお粗末ですね。構造計算を依頼した一級建築士も、 責任を問われるでしょう。

 

 また、偽装に対する釈明も、「俺の信念に基づいた計算がダメになるのは、 理論がおかしい(だから建物自体には問題はない。書類のつじつま合せをしておけばよい)」ということなんでしょうか。
 非常に高度な技術力に裏打された主張であれば、多少は通じるかも知れませんが、浅沼建築士自身に、 技術力不足な感じが否めないので、釈明としては苦しいです。

 

 まあ、大幅な強度不足でない、という点は救いでしょうか。 (これから調査が進めば状況は変るかも知れませんが)

 

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2006年02月13日

再調査で入力ミス

 先日、熊本市で耐震強度が不足する建築物が発表されましたが、再調査時に間違った構造計算がされていたそうです。 強度不足の指摘を受けた設計者は、再調査は信頼できない、として反論しているそうです。

 建築物の構造計算は、詳しいことはわからないし、どの程度ミスがあったのかも具体的にわからないのですが、 0.45とかが1.0以上になるような、激しいミスだったのでしょうか。感覚的には、かなりなミスでないと、 計算値が2倍も違ったりはしないと思いますが・・・
 この熊本市の再調査がミスだったのであれば、きっと他の自治体が行っている再調査でもミスはあるのでしょうね。今度は、 再調査の再調査が必要でしょうかf(^^;

 

 とにかくも、構造計算が正しいか、正しくないかはまだ籔の中ですが、ひとつ、わかることは、建築指導課といっても、 やっぱり役人は素人で、無責任だなあ、ということですね。(市のコメントが報道で操作されていなければ、ですが)

 「不完全なデータで検証したため、協会が入力ミスをしたのだろう」すっかり他人事です。
 熊本市の建築指導課がこんな姿勢であれば、きっと他の自治体にも、同じ姿勢のところがあるでしょうね。

 

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2006年02月09日

耐震強度の判定

 耐震強度が0.9しかない、とか0.6しかない、といった表現は、耐震偽造以来すっかり有名になって、 すでにこの表現は独り歩きを始めていますね。1.0以上無ければダメ、地震で倒壊する、危険だ、という感じで、 よってたかって血祭に上げられます。

 で、記事の終りで引用した、asahi.comのニュースの中で、「強度が不足していたという認識はない。 構造計算ではプログラムや設計者の考え方で違う数値が出る。誰がどうチェックして強度不足と断定したのか」という抗議は、 (建築だけではなく)構造設計をしているのであれば、その意味はよくわかることです。

 

 耐震に関する構造計算は、ごく簡単に言えば、これから造る建築物や構造物を、ある理論(考え方)に基づいて、 モデル化し、地震に対する耐久性を評価して、必要な鉄筋などを決定しています。
 このモデル化をする時、いろいろな考え方があるために、同じ構造物でも、設計者が違えば、多少は違う結果になっても、 不思議ではありません。(いろいろな考え方がある、というのは、現実の現象は、人間が考えているよりもはるかに複雑であり、 また不明な部分も多いからで、その対処のために、いろいろと考えるわけです)

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2006年01月31日

東横イン 違法改造

 最近、ライブドアショックに代り、にわかに話題になっている東横インの違法改造。一連の耐震偽造問題の余波を受けて、 騒ぎになっているのですが、罪状としては建築基準法違反、ハートビル法違反、ということになるのでしょうか。
きっと、誰かが構造計算書の内容や、政治家とのつながり、なんて言うことを調べていそうです。最近の報道は、 すぐに問題の核心から発散していってしまうので、時間が経つと共にわけがわからなくなります。

 しかし、東横インの違法改造は、法律違反よりも、企業の信用低下、イメージ悪化の方が、より深刻だろうと思います。利益優先、 効率優先で、障害者の利用を切捨てる。建築確認を通る工事をしておいて、確認が降りたらさっさと都合良く改造。改造の仕方は、車検の時だけ、 問題ないパーツに交換して・・・、という感覚と共通していますね。

 本来、健常者も障害者も、それを意識することなく共通に使いやすい客室を備えているのがいいと思いますが(もちろん、 障害の程度にもいろいろとあるので、全ての客室に備えることが難しい設備もあるでしょう)、一般用の客室や駐車場に対して、障害者用の・・・ というところが、こういう問題を起こすことになった一因かも知れません。

・・・・それにしても、このところの悪事に関する報道は、かなりヒステリックになっている印象を受けます。 爪の先ほどでも関連があると見るや、ここぞとばかりに記事にしていますね。

 

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2005年12月15日

構造計算書の偽造(その5)−証人喚問

 昨日行われた、姉歯元建築士を始めとする証人喚問は、ニュースなどでダイジェストで見ただけですが、 耐震強度不足の建築物によるビジネスは、システマティックに行われている印象を受けました。

 どうも、全体像が見えないのですが、要するに、マンション販売やホテル経営に関して、 イニシャルコストを削減して価格競争力(マンションで言えば分譲価格、ホテルで言えば客室料金設定)を高くし、 薄利なのか高利なのかはわかりませんが、多売で勝負する、というようなビジネスを、(今のところ)総研をトップにして、 組織的に行っている、という感じではないでしょうか。
 計算書の偽造は、イニシャルコスト削減のための、一つの手段でしかない。マンションを買う側は、 食い物にされているわけです。

 経済設計をしてイニシャルコスト削減のため、鉄筋量を減らせ、という話が出てくるのでしょうが、 構造計算が専門である姉歯氏を除く証人が、「鉄筋量を減らした建築物は、設計基準を満たさない違法なものであった」 という認識があったかどうかは、今回の喚問では不明でした。
 姉歯氏の証言では、圧力は感じたが、「法に触れるからこれ以上鉄筋を減らすことはできない」と明確に言ったことは無い、 ということだったので、これを信じれば、木村建設や総研が「法令の範囲内で行っていることだと思っていた」と言っても、 これが嘘だと断じることは、別に明らかな証拠が出てこないと難しいと思います。
 もっとも、関係者は皆、構造に関してはズブの素人ばかりで、姉歯氏以外に専門家がいなかった、 という状況は非常に考えにくいので、限りなく嘘に近いと思いますが・・・・

 

 しかし、私が冒頭で想像したような多売を目指した商売では、 建築主にとっては比較的メリットが大きいと考えられますが、設計者や施工者、それに経営コンサルタントには、 さほどメリットがあるようには思えない、せいぜい仕事の数が増えるぐらいかと思うのですが、総研からさらに遡っていけば、 官僚とか政治家とかの黒幕が出てきて、また別のメリットが生じる仕組になっているのでしょうかね。

 問題が発覚した場合、偽造の実行犯である姉歯氏と、木村建設の東京支店長当りをスケープゴートにして、使い捨て。
 上流にいる黒幕達は、時間を稼いでいる間に、計画倒産などで瑕疵担保責任を逃れると共に、自分自身の財産は保全する。 政界との関係を利用して、被害者の救済に税金を投入して問題解決すれば、自分たちの懐は痛まない。
 危機管理もきちんと考えていた、ということでしょうか。

 

 今回の喚問では呼ばれていませんが、ヒューザーやイーホームズも、このシステムに組込まれているかもしれません。 イーホームズは、もしかするとザル具合を利用されただけなのかもしれませんが・・・

 

(以下、拙文)
構造計算書の偽造
構造計算書の偽造(その2)−偽造とミス
構造計算書の偽造(その3)−責任の分担 
構造計算書の偽造(その4)−結局はザルでしかない 
チェックのレベル

 

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2005年12月01日

構造計算書の偽造(その4)−結局はザルでしかない

 先日の国会参考人招致で、イーホームズから偽造を隠蔽した、と暴露された日本ERI。1年半前に、 すでに建築確認済の物件で構造的な危険性を指摘されていたが、何も手を打たなかったようです。
 同じ通報者によって連絡を受けたイーホームズは、偽造を公表したわけですが、構造的な問題の指摘を受けても、 最初は意味がわからなかった、ということです。
 日本ERIは、国交省認定ソフトに、容易にデータが改ざんできる脆弱性があったとし、 今度はソフトウェアの責任にしようとしているかのようです。

 

 責任転嫁の応酬は、書いていて馬鹿馬鹿しくなってきますが、 少なくともこれまでの一連の報道を見聞きしてきて言えることは、イーホームズにしろ、日本ERIにしろ、確認検査機関は、 建築構造については、内容をチェックしていない、ただの事務手続き機関でしか無い、ということでしょうか。民間会社だから、 という理由ではなく、この点は官庁でも同じことです。
 認定番号がある、ない、とかそういうレベルでしかなく、構造物が安全かどうかチェックする、というスタンスではなく、 ただ書類を処理しているだけ。

 どこかの市長が、構造計算書は膨大な資料であり、法律で定められた3週間でチェックするのは困難、 などと言訳していましたが、そんなことなら法律を変更して期間を長くするとか、対処すればいいと思いますね。少なくとも、 確認するのを仕事にしている立場の人が言う言訳ではないですね。

 

 イーホームズの告発は、一見、正義の行いようにも見えますが、その実は他の確認検査機関の無能さを暴露して、 自分だけが悪者・無能者ではない、と主張したいだけではないでしょうか。
 状況を見ている側は、イーホームズに限らず「確認検査機関一般はまともに仕事をしていない」という認識ができただけでは? 他の会社も偽造を見抜けないぐらいだから、自分たちの確認業務に問題は無い、という事を訴えたいのでしょうが、 偽造された計算書が次々に出てくるようでは、ますます不安になるだけですよね。
 また、イーホームズにすれば、うちは隠蔽しないだけマシ、という気持かも知れませんが、チェックできていない、 という点では五十歩百歩です。

 認定ソフトに欠点が、というのも、なんとか他者に責任を転嫁したい、という姿勢にしか見えないです。ただ、 ソフトウェアって、小さい文字が並んであまり読む気にならない利用許諾契約書に、 「このソフトの仕様によって生じた損害に関しては、いっさい責任を持たない」 みたいな条項が必ず書かれていると思います(というか、結果を保証するとか書いてあるソフトを見た試しが無い)。
 国交省大臣認定ソフトも、多分例に漏れないと思いますが、責任論がもつれた時に、 この条項のあつかいが問題になるのであれば、どのような結末になるのかは興味があるところです。

 

 まあ、偽造の問題は、まだ氷山の一角でしょうから、構造設計の専門家が本腰を入れて、改めて調査をすれば、 姉歯設計以外の物件でも、耐力不足のものは出てくるでしょうね。

 

asahi.com 
ホテル3軒強度不足、11件の書類偽造 日本ERI公表 
「こんな図面通ったら大変」偽装通報者、1年半前に指摘 
「国交省認定ソフトに欠点」日本ERI指摘 耐震偽装 

(以下、拙文)
構造計算書の偽造
構造計算書の偽造(その2)−偽造とミス
構造計算書の偽造(その3)−責任の分担 
チェックのレベル

 

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2005年11月22日

構造計算書の偽造(その3)−責任の分担

 世の中、マンションの作り手よりも、買手となる人が多数派ですから、耐震計算書偽造の問題で気になるのは、 偽造に至るプロセスよりも、欠陥構造物に住むことになってしまった人々への賠償に関することでしょう。
 転居等の費用を負担する、といった発表をしている建築主もある一方で、偽造については姉歯設計以外の関係者は、 今のところ「知らなかった」として責任を認めていないようです。

 私の勝手な見立てでは、検査機関を除き、「全く知らなかった・気づかなかった」ということは無かったと思いますが、 どうなのでしょう。検査機関については「内容はチェックしていないので知らなかった」というところでしょうか。

 賠償を受ける側としては、別に誰が賠償してくれても良いのでしょうが、賠償する側としては、 瑕疵は無い(責任はない)、として賠償を回避したいところでしょうね。賠償するとしても、偽造に関しての責任は認めず、 企業イメージの悪化をわずかでも食止めたい、というところでしょうか。

 偽造の実行犯、という感じの姉歯一級建築士ですが、計算書を偽造した事実からは逃れられない、と見て、一か八か、 暴露戦術に出ようとしているのでしょうか。
 インタビューに応じたりするのは、戦術の一環かもしれませんね。

posted by いさた at 18:37 | Comment(3) | TrackBack(9) | 建築関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

構造計算書の偽造(その2)−偽造とミス

 耐震(強度)偽造、ということで続々と報道がなされています。
 首都圏に限らず、姉歯設計(この名字も一躍有名になりましたね)が過去に関わった建築物は、 再度構造設計がチェックされるようです。

 「偽造」という行為に焦点が当てられているので、何らかの「ミス」があっても、即偽造だ、と言うことになりそうで、 冷静な報道がされると良いですが・・・人間がすることですから、偽造するという意図は無くても、間違うことはあります。
 無論、ミスがある、というのは問題なのですが、一連の偽造報道の反作用として、構造設計者は、 偶発的なミスはしない(意図的な偽造は行う)、というようなイメージができつつあるように感じます。

 結果は同じであっても、その質は大きく異なるのですが、一緒くたにされると、非常に困ったことになります。
 私も、土木分野とはいえ、設計者の端くれなので、偶発的なミスについて、偽造だ、という指摘をされるようになると、 仕事がやりにくくて仕方が無くなります(^^;

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2005年11月18日

構造計算書の偽造

 千葉県市川市の姉歯さんという一級建築士が、構造計算書を「偽造」して、 耐震性に問題のある建築物が出来上ってしまった事件。ひどいものは、震度5強の地震で倒壊する恐れがあるらしいです。

以下、asahi.com
首都圏でマンション構造計算書偽造、耐震性不十分の恐れ
  http://www.asahi.com/national/update/1117/TKY200511170340.html
マンション耐震強度偽造 揺れる関係住民・自治体
  http://www.asahi.com/national/update/1117/TKY200511170415.html
耐震計算、偽造認める 建築士「仕事増やしたくて」
  http://www.asahi.com/national/update/1118/TKY200511180220.html

 耐震性に問題があるのがわかっていて、問題が無いという結果の構造計算書を作ったという点が「偽造」 に当ると言うことでしょうか。直接の責任があるのは、構造計算書を作成した一級建築士にあるのは当り前ですが、 興味を引くのが、偽造の動機です。
 当初の報道では、『コスト削減のプレッシャーを受けていた』でしたが、後に『仕事を増やしたくて始めた。 増え出してからは逆にこなしていくために続けてしまった。 仕事をこなすことを優先してしまった 』となっています。
また、建築主からの依頼は否定する一方で、違法性については『 ないといったらうそになる。建築確認の検査会社はノーチェック状態だった 』と語ったそうです。

 

 当初は、外部的な圧力を匂わせていましたが、後に自分の責任であるということに変っています。 勘ぐりかもしれませんが、多分、責任問題で関係者から圧力を受けてこのような話になったのではないでしょうか。
 建築主とは限りませんが、この建築士に依頼した依頼主が、構造計算書の偽造を要求したのではないでしょうか。 要求を受入れれば仕事が入るが、拒否すれば仕事は来ない=仕事を増やしたくて・・・ということなのでは。で、 一度手を染めたら、後は毒食らわば皿まで、という状態になっていたように思えますね。

 コスト削減のプレッシャーが、という方が実情を表していそうです。賃貸や分譲マンションなら、 イニシャルコストはできるだけ抑えた方が儲かるのは当り前ですよね。で、耐震性の問題は、 大きな地震が来ないとわからないので、発覚しにくいでしょうし。

 検査会社はノーチェック状態だった、と発言されていたようですが、実質的にザル状態だと言うことは、 検査会社の質や、建築確認のシステムにも問題があるのでしょう。私が勝手に考えたチェックのレベルだと、 全くチェックしないか、レベル1程度のチェックしかしないのでしょうか。
(拙文) チェックのレベル
 http://isata.seesaa.net/article/9152413.html

 

 しかし、実際に建物ができているのだから、設計者や施工者が、耐震性に問題がありそう、 ということに全く気づかない、という状態は考えにくいですが・・・
 建築設計の流れは、私は詳しく知らないのですが、意匠、構造、設備など、分業化が進んでいるようなので、 今回の事件のようなケースは、例えば意匠の人が構造計算書を見ても意味がわからない、といったような感じで、 誰も気づかないままになってしまうのでしょうか?

 建築業界全体、というと大げさなのかもしれませんが、実は業界に広く浸透している、根深い問題なのかもしれません。

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2005年11月04日

不注意が重なり団地に住めなくなる?!

 堺市にある大阪府営団地で、エアコンダクト用の孔明けの際、140ヶ所も鉄筋を切断して、団地丸ごとが、 耐震性に問題がある状態になってしまったそうです。で、入居している住民(78戸、174人)に、 早急な移転を求めているとのことです。団地自体は、築35年経って老朽化が進んでおり、建替え案も含めて、 復旧案を考えるそうです。

 発覚したのは、住民が「鉄筋が切れているが大丈夫か」と問い合せたことからだそうです。発注者も、設計者も、 施工者も、言ってみれば不注意が重なって、このような事態になったのでしょうが、あまりにもヒドイですね・・・・
 記事では、設計事務所が、鉄筋位置を確認しないまま図面を作成し、 府営団地を管理する大阪府住宅供給公社も見のがしていた、ということですが、普通では考えられないような事態ですね。 何人ぐらいの人が関わっているのかわかりませんが、普通は、誰かが気づいてもよさそうなものですが・・・何も見ていないか、 技術的・構造的な問題以外の、何らかの都合でこうなったのでしょう、きっと。

 設計者としての立場からは、典型的な自戒とするケースです。救いに思えるのは、危険である、 という事実が隠蔽されずに公表され、早急な移転というちょっと無理な対策ではありますが、対策が進みつつある、 という事でしょうか。

 今後は、住民への対策も進められるのでしょうが、発注者・設計者・施工者の間で、 責任の明確化(なすりあいとも言う)が行われるのでしょう。

asahi.com
エアコンの穴で耐震性低下、団地1棟もう住めない

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