先日の国会参考人招致で、イーホームズから偽造を隠蔽した、と暴露された日本ERI。1年半前に、
すでに建築確認済の物件で構造的な危険性を指摘されていたが、何も手を打たなかったようです。
同じ通報者によって連絡を受けたイーホームズは、偽造を公表したわけですが、構造的な問題の指摘を受けても、
最初は意味がわからなかった、ということです。
日本ERIは、国交省認定ソフトに、容易にデータが改ざんできる脆弱性があったとし、
今度はソフトウェアの責任にしようとしているかのようです。
責任転嫁の応酬は、書いていて馬鹿馬鹿しくなってきますが、
少なくともこれまでの一連の報道を見聞きしてきて言えることは、イーホームズにしろ、日本ERIにしろ、確認検査機関は、
建築構造については、内容をチェックしていない、ただの事務手続き機関でしか無い、ということでしょうか。民間会社だから、
という理由ではなく、この点は官庁でも同じことです。
認定番号がある、ない、とかそういうレベルでしかなく、構造物が安全かどうかチェックする、というスタンスではなく、
ただ書類を処理しているだけ。
どこかの市長が、構造計算書は膨大な資料であり、法律で定められた3週間でチェックするのは困難、
などと言訳していましたが、そんなことなら法律を変更して期間を長くするとか、対処すればいいと思いますね。少なくとも、
確認するのを仕事にしている立場の人が言う言訳ではないですね。
イーホームズの告発は、一見、正義の行いようにも見えますが、その実は他の確認検査機関の無能さを暴露して、
自分だけが悪者・無能者ではない、と主張したいだけではないでしょうか。
状況を見ている側は、イーホームズに限らず「確認検査機関一般はまともに仕事をしていない」という認識ができただけでは?
他の会社も偽造を見抜けないぐらいだから、自分たちの確認業務に問題は無い、という事を訴えたいのでしょうが、
偽造された計算書が次々に出てくるようでは、ますます不安になるだけですよね。
また、イーホームズにすれば、うちは隠蔽しないだけマシ、という気持かも知れませんが、チェックできていない、
という点では五十歩百歩です。
認定ソフトに欠点が、というのも、なんとか他者に責任を転嫁したい、という姿勢にしか見えないです。ただ、
ソフトウェアって、小さい文字が並んであまり読む気にならない利用許諾契約書に、
「このソフトの仕様によって生じた損害に関しては、いっさい責任を持たない」
みたいな条項が必ず書かれていると思います(というか、結果を保証するとか書いてあるソフトを見た試しが無い)。
国交省大臣認定ソフトも、多分例に漏れないと思いますが、責任論がもつれた時に、
この条項のあつかいが問題になるのであれば、どのような結末になるのかは興味があるところです。
まあ、偽造の問題は、まだ氷山の一角でしょうから、構造設計の専門家が本腰を入れて、改めて調査をすれば、
姉歯設計以外の物件でも、耐力不足のものは出てくるでしょうね。
asahi.com
ホテル3軒強度不足、11件の書類偽造 日本ERI公表
「こんな図面通ったら大変」偽装通報者、1年半前に指摘
「国交省認定ソフトに欠点」日本ERI指摘 耐震偽装
(以下、拙文)
構造計算書の偽造
構造計算書の偽造(その2)−偽造とミス
構造計算書の偽造(その3)−責任の分担
チェックのレベル