2011年12月13日

放射性物質は十分に希釈される?

東京都杉並区の小学校で、芝生の養生シートから約9万ベクレル/kgの放射性セシウムが検出されたとのこと。

このシートの処分法として環境省は「シート1kgに対して他の廃棄物1トン(1000kg)を混ぜて焼却すれば放射性物質は十分希釈される」と回答し、焼却処分を認めたそうです。

 

ベクレルとは、wikipediaによると、『放射能の量を表す単位で、SI組立単位の1つである。単位記号は、[Bq]である。1 s(秒)間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量が1 Bqである。例えば、毎秒370 個の原子核が崩壊して放射線を発している場合、370 Bqとなる。』ということで、被曝量で使われるシーベルトとはまた違う単位。

見つかったシートは、1kgあたり、1秒間に9万個のセシウム原子核が崩壊して放射線を放っているということになりますね。

 

さて、このシートを、焼却処分するにあたっては、廃棄物1000kgを混ぜて、数値計算上は9万÷1000=90ベクレル/kgになって薄まるからOK、ということのようです。

 

単なる数字の辻褄合わせ、としか思えませんが、こういう考え方で良いのでしょうかね?濃度だけ考えていて、総量規制という観点が無いように思いますが・・・

これでよいのなら、例えば福島の除染作業で出てきた廃棄物で、燃やせるものは日本中(場合によっては他の国にでも)、分散させて他の廃棄物に混ぜて焼却処分すれば済む、ということです。

さらに拡張すれば、燃えないものでも他の廃棄物と混ぜればどこに埋立てて処分してもかまわなそうですね。

 

放射性廃棄物の保管場所をどうしよう、という問題もかなり解決しそうですが、日本中で薄めて焼却・埋立て処分する、という方針を打出したらどうなんでしょうか。

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posted by いさた at 17:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年11月18日

環境省と放射能汚染土

福島市のある人物から環境省に放射能で汚染された土が送られてきて、この土を環境省職員が自宅近くに投棄した、という問題。

関係した職員の処分やら、大臣が給料を返上するやら、環境省の不祥事、といった報道です。

 

まあ、確かに適当に土を捨てる、というのは放射能に対する人びとの不安をよく考えずにした行動と言えるでしょう。

 

しかし、それ以前になぜ環境省にわざわざ放射能を含んだ土を送りつけるのか?

原発事故に対する怒りから?・・・・意図がよくわからないところがありますが、送ることによって運送に関わる人たちも汚染土に接することになるし、放射性物質の拡散を促進していったいどうするんだ、と思います。

 

国が事故の責任を自覚して平身低頭なのは、それはそれで必要なことだと思います。

ですが、わざわざ放射性物質を拡散させるようなことはしない、とか今後の対処については、責任問題から離れた理性的な観点から、国民に周知していかないといけませんね。

 

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posted by いさた at 12:43 | Comment(0) | TrackBack(1) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月14日

震災翌日、致死量の被曝可能性想定

 東日本大震災の翌日、福島第一原発周辺では、条件によっては致死量に至る被曝可能性の検討がなされていたとのこと。これは、原子力安全・保安院の内部文書によりわかったという記事がありました。

 事故発生当初の危険な状態では、危機対応としてさまざまな想定はするべきでしょうし、当たり前と言えば当たり前でしょう。逆に非常に楽観的な想定だけ、あるいは検討もしていない状況よりははるかにマシだった、ということですね。

 

 まあ、安全保安院が想定した最悪な事態にまでは至らなかったので、アサヒの記事も事実を淡々と書いている、というか政府に批判的なニュアンスは感じられません。

 あえて批判するとすれば、事故対策でそのような想定を明らかにしなかった、情報操作的な政府の対応でしょうか。

 今は冷静に考えられますが、もしこんなことを震災翌日に公表していたら、相当な確率で日本はパニック状態になったのではないでしょうかね。それを考えると、情報公開といっても難しいところがありますね。

 

 ところで、この安全保安院の文書は「1号機において耐圧ベントができない場合に想定される事象について(案)」という題だそうです。

 (案)は役所で作成した文書でよく見られ、これは(もし文書に間違いがあった時などの)責任回避のためにつけられていると聞いたことがありますが、こういった緊急事態の場合にもやはりつけているのですね。

 こんな時にまで(案)をつけるとは、いや、冷静というか余裕があるというか・・・・

 

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posted by いさた at 13:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月31日

原子力発電は賠償しても低コスト?

 財団法人日本エネルギー経済研究所が、発電コストを試算した結果を発表したそうです。

 それによると、原子力は1kwhあたり7.2円で、火力発電は10.2円と3割ほど安く、 福島原発事故の賠償額を10兆円としても、日本の原発運転期間46年間に均してしまえば、 7.2+1.3=8.5円でなお低コストだそう。一方、地熱発電などのコストは8.9円とのこと。

 こういった試算をしていますが、その一方で福島原発の溶けた核燃料を回収開始するには技術的課題が多くあり、 将来の工程を明示できない状況にあるようです。スリーマイル島の事故では6年かかったそうで、 それ以上にかかることは間違いなさそうですね。

 

 燃料回収に向けて技術開発が必要となると、事故対策費でこれからどれぐらいの費用が必要になるのでしょう、 ちょっと想像がつきません。

 賠償以外の費用がさらに積み上がれば、また賠償額が膨らめば「低コスト」という一種の優位性は大きく揺らぎます。 さらに(起きて欲しくはありませんが)他に事故が起きれば・・・コストの上昇はとどまるところを知らなくなる可能性もあります。

 そして、莫大な費用を投じて事故処理が出来ても、今度は放射能で汚染された、 人が利用できない土地が出現するということにもなるでしょうが、発電コストにはその当たりの評価が織り込まれているのかどうか。

 

 試算結果の数字で原子力は8.5円、地熱は8.9円。 自然エネルギー発電は原子力とコスト的に同等で事故被害のリスクは小さい、と見るか、 いや賠償を考えてもこのように低コストであり、十全にコントロールすれば原子力が優位だ、と考えるのか。

 解釈の仕方により、使われ方が大きく変わってくる数字ではあります。総理大臣が変わって、 エネルギー政策に変化はあるのでしょうか。

 

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2011年08月06日

放射線測定器が売れている?

 福島第一原発事故の影響で、福島県以外の地域でも自前で放射線測定器を購入し、測定する住民が増えているそうです。 読売の記事は千葉の例ですが、福島県に近い地域ほど、そういった傾向が強いのでしょうか。

 機器による測定結果の違いにも触れていますが、長さや重さを量るわけではないので、それなりの誤差も出るでしょうね。

 

 原発からの放射性物質の放出はまだ続いていますし、行政や研究機関の測定結果はさほどきめ細かくない。 自衛のためには自身で放射線の状況を知る必要がある、ということでしょう。

 そうして、誤差はあれど、きめ細かく放射線の状況を把握できたとして、次は安全性を判断したいところですが、 現時点ではその判断基準が曖昧であるところが問題ですね。

 

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posted by いさた at 14:42 | Comment(0) | TrackBack(1) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月22日

淀川の水からごく微量の放射性セシウム検出

 守口市付近で水道用に採取した淀川の水から、ごく微量ですが放射性セシウムが検出されたそうです。

 浄化処理後の水道水からは検出されておらず、また検出量も厚労省の制限値の35万分の1ぐらいだそうで、確かにごく微量ですね。

 

 水道水からは検出されていないので、さしあたって問題はありませんが、福島原発事故の影響が西日本にも及んでいると言うことですね。淀川の水と言うことは、遡っていけば琵琶湖ですから、こちらの方も影響が及んでいると言うことなのでしょう。

 

 放射性物質の放出はまだ続いていますから、今後の状況変化に注意です。

 

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posted by いさた at 15:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月17日

[福島第一原発事故] 事故収束へのステップ1はほぼ達成?

 福島第1原発事故の収束に向けた工程表では、今日17日がステップ1の期限だそうです。政府と東電は、 これについてはほぼ達成できたとする見解をまとめており、19日に発表になる予定だそうです。

 「放射線量の着実な減少」が大きな目標であり、これについては放射性物質の測定結果から着実に減少している、 という判断のようです。

 確かに減少傾向にはあるのでしょうが、放射性物質が漏れ続けているのは間違いなく、 また汚染水浄化装置の度重なる故障など、とても順調とは言えない状況だと思われます。

 

 さらに、次のステップ2では原子炉を冷温停止状態にするのが目標で、 こちらは来年1月中旬の期限を前倒しで実現すると菅首相が意思表明をしたそうです。

 これは「脱原発」表明の時と同様に私的見解なのでしょうか、それとも前倒しのメドがある程度立っている、 という前提での発言なのでしょうか。前者の可能性が高そうですが。

 「工程表」は、とにかく目標達成出来るように関係者の方々にがんばっていただくしかありませんが、 自画自賛するような甘い評価でその局面局面をしのいでいくような姿勢はとって欲しくありませんね。

 

 さて、原子炉自体の事故処理が進んだとしても、すでに外部に放出された放射性物質の対策は、 牛肉のセシウム汚染問題が発生するなど、そう簡単ではないようです。

 例えば福島原発から100キロ以上離れた地域でも、 屋外にあった稲わらは安全基準値の400倍近い高濃度のセシウムが検出されるなど、 政府が想定する以上に広範囲にわたっています。原子炉が冷温停止に至るまでに間に、より広範囲に、例えば日本全体、 といったレベルで放射性物質が広まるのではないでしょうか。

 

 セシウムは半減期が30年と長期間であり、こんな放射性物質が水やら土やら空気中やら、広い範囲に拡散してしまうと、 こちらの除染の方がはるかに時間がかかります。

 果たして、放射性物質で汚染された土地から退去する、あるいは汚染された食物を摂らないよう注意する、 といったこと以外に、有効な対策を打つことが出来るのでしょうか。

 

 

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posted by いさた at 02:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月23日

全国の海水浴場で放射能検出せず

 国の発表によると、全国の海水浴場135ヶ所で放射性物質の検査を行ったところ、福島県いわき市の1ヶ所を除いて検出限界値以下だったそうです。

 とりあえずは泳いでも良し、ということのようですが、今年はもちろんのこと、将来にわたって継続的にモニターしていかないとダメですね。

 

 空気、海、土、水、食物など、同様で、継続的に放射性物質の影響をモニターしていかないといけませんね。そうしながら研究していくことで、人体への放射能の影響がより深くわかり、環境基準の決め方もより合理的なものになっていくのでしょう。

 

 放射能漏れ事故に対する対策や影響などについて、これからさまざまな技術やノウハウが日本に蓄積され、その分野でも「世界一」になれるのではないでしょうか。

 例え「世界一」を誇っても、活用される事がない方が良い技術ですが。

 

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2011年06月18日

[福島第一原発事故] 汚染水浄化ままならず

 昨日の夜、福島第一原発内にある大量の放射能汚染水を浄化し、原子炉の冷却に再利用するための浄化装置の運転をはじめた、というニュースが流れていましたが、5時間ほど運転したところで、放射性物質(セシウム)吸着装置にたまった放射線量が早くもフィルターの交換基準に達してしまい、運転を停止したそうです。

 この浄化装置は、宇宙戦艦ヤマトで言うところの「コスモクリーナー」的な一種の救世主的装置でしょうか、昨夜のニュースでは、関係者の方々は本格運転がはじまって一段落、といった感じの表情でしたが、これでまた一転して暗礁に乗り上げた感じですね。

 

 装置の仕組みは4段構えで、油の除去→セシウム除去→他の放射性物質除去→塩分除去となっているそうですが、それぞれに違うメーカーの技術を組み合わせたもののようです。

 このような事態のためにじっくり研究して準備していた、といった類のものではないでしょうから、試運転時の水漏れなどは仕方がない面もあると思います。

 不測の事態は何とか対応を考えて手探りででも進んでいかねばなりませんが、次々に問題が出てきますね。

 

 セシウム吸着装置は、除去機器に何らかの問題があるのか、それとも測定機器に何か問題があるのか。急速に原因を究明しないと、建屋から汚染水があふれ出す事態になってしまうようです。

 それよりも、単に東電などの発表以上に放射性物質が漏れている、という原因が考えられますが、元記事では触れられていません。

 

 汚染水にしても、原子炉の建屋自体にどれぐらいの水密性があるのか疑問に思っていますが、そこに触れられることもありませんね。

 詳しい状況がわからない、ということもあるでしょうが、施設の経年変化、あるいは地震の影響で建物のどこかにクラックが入っているかもしれず、汚染水が既に地下に浸透していっている可能性もあると思われます。

 原発の施設に詳しいわけではないので、杞憂であればよいですが。

 

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2011年06月07日

[福島第一原発事故] メルトスルー可能性 政府が公式に認める

 溶け出した核燃料が原子炉の圧力容器にたまるのがメルトダウン、さらに圧力容器から燃料が漏れ出し、格納容器にたまるのを「メルトスルー」というそうです。

 このほど、政府がIAEAに提出する予定の報告書で、福島第一原発で「メルトスルー」の可能性を初めて公式に認めているとのことです。

 

 可能性、ということですが、公式に報告書に書いているということは、ほぼ確実なのでしょうね。メルトダウンを越えた事象発生、ということで人類史に残る原発大事故、ということでしょうか。

 何か、放射能漏れも日常的になってしまった感があり、ある程度慣れてしまったのか、あまり驚きもありません。今頃認めたのか・・・という印象が強いです。

 

 事故の収束にはかなりの時間が必要なようですが、メドは立ってきているのでしょうか・・・

 

 

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2011年05月07日

首相が浜岡原発運転停止要請

 菅首相が、中部電力の浜岡原発の運転停止を要請したとのこと。法的な拘束力は無いそうですが、中部電力はこれを受けいれる方向のようです。

 浜岡原発は静岡県にあり、近い将来に発生する確率が非常に高い東海地震の影響を大きく受ける可能性が高い。福島第一原発事故を教訓に、異例の要請に至ったようです。

 様々な政治的思惑が絡んだ今回の要請のようですが、それでも一種の「英断」と言えるでしょう。良い方向なのか、悪い方向なのかはよくわかりませんが。

 

 とりあえず運転を停止するのは、東海地震による被害を軽減するという点では良いのですが、運転停止だけで留まらず、原発に代わって電力供給をどうするのか、あるいは国民の皆さん電力消費は極力控えましょう、など、これからの方向性をエネルギー政策として打ち出していかないと十分とは言えませんね。

 さしあたっては他の電力会社による供給や、火力発電など他の発電量を増強するしかないでしょうが、CO2排出云々ということもあり、代替発電手段が早急に必要でしょう。

 

 浜岡原発は、数年かけて津波対策の強化等を行った後に運転再開する予定のようですが、まずはその強化の程度問題から議論しなければならない気がします。

 原発の「絶対的な」安全性を確保、ということを検討していたら、運転再開までには相当な時間がかかると思われるので、それならば代替手段を探る方が現実的かもしれません。

 あるいは、今年の夏が猛暑となり深刻な電力不足が起きれば、原発の災害時安全性はさておいて、社会的な要望によりすぐにでも運転再開を・・・となることも考えられます。

 

 この要請単発で終わらずに、十分な現実性を持ったこれからのエネルギー政策の方向性がすみやかに示されれば、まさに「英断」になると思いますが、これからどうなるのでしょうか。そのあたりはまだ見えてきませんね。

 

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2011年04月30日

[福島第一原発事故] 遠隔操作ロボット投入

 福島第一原発で、がれきの撤去や放射線量の測定などで、遠隔操作のロボットや重機の投入が進んでいるそうです。

 

 少し前の別の記事で読んだ記憶がありますが、以前に、現在起きているような事態に対応できる、国産のロボットを開発する計画があったらしいですが、何らかの事情により頓挫したとか。

 あるいは、別の用途で開発された日本製の遠隔操作ロボットは実績が乏しいので、今回の事故で早期の投入が見送られたとか・・・

 

 遠隔操作よりは、人の手でやるのが確実性が高いのでしょうが、人間が近づくことさえ難しい環境では、やはりもっと早くロボットを投入する判断をするべきだったでしょうね。

 どうしても対応が後手に、後手になっている感が否めません。どうしても人の手でないと・・・というところまでは行っていないようなのでまだマシでしょうが。

 

くそ続きを読む
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2011年04月12日

[福島第一原発事故] レベル7に

 福島第一原発事故の事故評価尺度がレベル7に引き上げられたそうです。過去最悪の事故であるチェルノブイリに肩を並べたことになります。

 これまでに放出された放射性物質の量は、チェルノブイリに比べれば1割程度という説明ですが、このまま長期化すればどんどんとチェルノブイリに近づいていきますね・・・

 

 先行きがわかりませんが、規模の大きな余震もまだいくつも起きていますし、まだまだ予断を許さない状況だと思います。評価尺度「8」を新設、といったことにならなければよいですが。

 

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2011年03月31日

[福島第一原発事故] 廃炉までは長期戦

 東日本大震災で事故を起こしている福島第一原発。タービン建屋の地下に大量に汚染水があるのが見つかるなど、さまざまな障害が次々に出てきて事態の収拾の目途がつかない、という状況のようです。

 さしあたっては、漏れ続ける放射性物質を封じる必要がありますが、今のままではまだかなりの時間がかかりそうです。アメリカやフランスなど、諸外国の協力を得ることで何とか前進していけるでしょうか。

 

 当面の放射能漏れを止めても、最終的に原子炉を廃炉にして処分するには、数十年単位という長期戦になるようです。通常の廃炉作業でも、20〜30年かかるようですが、事故を起こした状態からの廃炉は、さらに時間を要すると考えられるようです。

 こうなると、長い時間的スパンを見据える視点も持ちながら、事故対策にあたっていかないといけませんね。

 補償問題も同様ですが、長期にわたる場合、大企業といっても一民間企業でどこまで対応できるのか・・・・国が関与しないと無理なのでは。ただ、国が関与すると言うことは、最終的には日本国民の負担による、ということになりますが・・・

 

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2011年02月05日

家電エコポイントのテキトーなCO2削減試算

 家電エコポイントの根拠になったCO2削減量の計算が、 実際の削減効果とはかけ離れて大きかったことが発覚したそうです。

 制度実施の時の環境省の試算では400万トン削減。その後、実際の販売実績からの試算では70万トンほどと、 当初の試算は6倍ぐらい大きかったようです。

 

 試算のいい加減さは引用記事にいろいろと書いてありますが、計算根拠資料を廃棄していたということから、 当初から計算のうさん臭さを認識していた可能性が結構高そうです。

 きちっとした試算に基づいて政策を実施せよ、というのは正論ですが、その前にそもそも家電エコポイントって、 家電関連業界への経済対策なんじゃないでしょうかね。

 

 CO2削減云々は、そのための建前であって、たとえ当初予測よりだいぶん少なかろうが、「増加」じゃなくて「削減」 になっていて、建前が崩れなくて良かった、ぐらいの意味合いしか無いと思いますが・・・・

 まあ、こういった試算は、いかようにも操作できるということがよくわかる件ではありますね。

 

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2010年09月18日

メキシコ湾海底油田流出原油 封じ込め完了

 自然環境への甚大な影響を及ぼしたメキシコ湾の海底油田原油流出事故で、流出の封じ込めが完了したようです。

 7月に応急手当としてフタを取り付け、とりあえずの流出を止めることに成功。その後別の井戸を掘り、そこから問題の油井にセメントを注入して固める作業が完了した、ということです。

 4月に事故が発生、深海底であることから流出を止めることが容易でなく、ここまで至るのに約5ヶ月かかりました。

 

 メキシコ湾岸地域にどれぐらいの環境破壊や経済的被害が出ているのか、日本ではあまり詳しいことは伝わってきません。しかし、ダントツに史上最悪の原油流出事故であることは間違いが無く、自然環境や生態系の回復には相当な時間がかかることもまた、間違いないことでしょう。

 

 油田開発技術はよくわかりませんが、この世界でも安全性より効率・採算性優先という流れになっているのでしょうか。今回の事故が将来の安全対策に教訓として活かさないといけません。

 

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2010年07月23日

諫早湾の干拓地にワニ?

 長崎・諫早湾の干拓地にある湿地帯で、ワニと思われる生物が3匹確認されたそうです。体長1m未満だそうなのでまだ子供ということでしょうか。

 ペットで飼ってみたものの、飼いきれなくなって誰かが逃がした?しかしワニとは物騒です。

 

 生物調査の過程で見つかったそうですが、他にどんな生物が確認されているのでしょう。既存の干潟を破壊した後に、新しくできつつある生態系が、外来生物を取り込んだものだったら、皮肉さを感じますね。

 懐が深い、というべきですかね?・・・・

 

 

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タグ:諫早湾 ワニ
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2010年07月16日

メキシコ湾原油流出 フタに成功?

 4月20日以来、3ヶ月近くに渡って海底油田からの原油流出が続いていたメキシコ湾。事故を起こしている油田の開発元のBPが、原油の流出が止まったと発表したそうです。

 

 噴出口に取り付けたキャップがうまくゆき、とりあえず原油は出てこない状態だそうですが、高い圧力がかかるので、しばらくは経過を観察する必要があるそうです。

 海底1500mで起きていることであり、簡単に対策できません。言わば応急手当とはいえ、様々な対策が失敗した後で、ようやく少し有効な対策が打てたようですね。

 

 抜本的には、原油を汲み上げる新たな井戸「救助井」が必要とのことですが、この完成は8月になるそうです。それまで、この「キャップ」で押さえておくことが出来るでしょうか。

 結局は、一度噴き出してしまったものは漏れないようにキチンと汲み上げるしか方法が無い、ということです。シンプルな話ですが、現在の技術の限界を感じる出来事でもあります。

 

 すでに54万キロリットルの原油が流出したと推定されるそうですが、この量を聞いてもピンと来ませんね。日本海でロシアのナホトカ号から重油が流出し、沿岸に漂着する事故がありましたが、あれで約6千キロリットルだそうです。

 それと比較すると90倍。メキシコ湾岸の自然環境や生態系にはいったいどれほどの影響が出ているのでしょうか・・・・

 

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2010年05月03日

メキシコ湾海底 原油流出事故

 日本では扱いがあまり大きくない気がしますが、メキシコ湾の海底油田掘削施設で爆発事故があり、既に10日あまりの間、 海底から原油の流出が続いているとのことです。

 

 今のところ、原油の流出を止める有効な手だてもなく、史上最悪の海洋汚染事故になる可能性も出てきているとのこと。

 オバマ大統領が現地に入るなど、合衆国としても手を打っていくようですが、 アメリカ政府も事態の重大さに気づくまでに時間がかかったようです。

 

 流出する原油がもったいないと言えばもったいないわけですが、生態系への影響の方がより重要で緊急度の高い問題です。

 事態の収拾への目途が立っていないようですが、非常に広範囲に原油が漂着したり、 海底を覆ってしまうといった状況になると、生態系に相当なダメージを与える可能性があります。

 生態系へのダメージが大きければ漁業にも影響が出るのは必至ですし、 場合によっては食糧問題にまで広がるかもしれません。

 

 とりあえずはアメリカの対処を見守っているしかないわけですが、海底1500mで起きていることあって、 人間の手による原油流出の停止は難しい気もします。人間ができることは、自然、 というか地球の持つ力に対してあまりにも小さい気がして。

 自然に流出の勢いが衰えて、やがて止まるのを待つか、あるいは拡散していかないようにある範囲に押さえ込んでいくか・・ ・・・・?

 

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2010年01月14日

地球から見れば人間いなくなるのが一番優しい

 記事タイトルは、鳩山首相が温室効果ガス削減に向けたイベントで述べた言葉だそうです。

 いろいろな環境問題に関する知識をかじっていけば、誰もが一度は到達する意見ですね。

 

 そりゃそうなんでしょうが、それでも地球で人間が生きていくために地球環境とどう折り合いをつけていくのか、 というところが難しくて、そう簡単に解決できない問題です、当たり前のことですが。

 理系的見地からは、では具体的にどうするのか?という点への言及が重要に感じるのですが、首相の発言の続きでは、 地球温暖化への警鐘ならしと、「人間がいなくなる」という結論はとりたくない、という月並みなところに落ち着いたみたいです。

 

 政治的発言、それもイベントのあいさつですから、そのあたりのオチが妥当なんでしょうが、わざわざ「地球から見れば・・ ・」とぶつことも無かったのでは、という感想ですね。

 「地球のために我が国は少子高齢化から人口減少社会を目指している」という締めくくりであったのなら、 大いに意味があったでしょうが(^^;

 

 

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2009年12月10日

ホッキョクグマが共食いを始めたと言うが

 アメリカの調査によれば、北極圏の氷が溶け、共食いするホッキョクグマが現れたことなどにより、 ホッキョクグマの生息数が減少している、というニュースが流れている。

 産経のもと記事には、小熊の頭をくわえた雄のホッキョクグマという、ちとショッキングな写真もあり、 深刻な事態が進んでいるように思われます。

 

 ただ、wikiなどを見ていると、雄のホッキョクグマが小熊を食べてしまう事象自体は以前からあるようで、「共食い」 が気候変動の結果によりはじまった、とは必ずしも言えないように感じます。餌が不足して、 共食いが増えているのかもしれませんが。

 気候変動の影響で、ホッキョクグマの生活圏の南下とヒグマの生活圏の北上が起きていて、 両者が混在するところでは交配種の熊もいるらしいので、環境に適応しようとしている一方、 純血種としてのホッキョクグマは減っているようです。

 

 いずれにせよ、ホッキョクグマの生息数減少は事実だと思うが、ニュースの伝え方は煽りが入っている気がします。

 

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2009年11月01日

南米はリチウムの宝庫

 今時の充電式電池の材料に使われるリチウムは、世界の8割に相当する量が南米にあるそうですね。

 鉱石を採掘するのではなく、塩湖の地下水にリチウム塩が含まれていて、汲み上げた地下水から水を蒸発させて、濃度を高めてリチウムを生産する、という点が非常に特徴的です。

 リチウムの需要も、携帯電話やパソコンのバッテリーだけでなく、ハイブリッド車や電気自動車に使われるようになれば、急速に拡大するはずで、今から産地の争奪戦がはじまっているようです。

 

 工業製品の輸出国としての日本からすると、商売上、リチウムの将来性と供給元を押さえておくことは重要ですが、同時にリチウムの生産に伴って、新たな問題が生まれる可能性もありそうですね。

 塩湖でのリチウム生産の実際を詳しく知りませんが、地下水を汲み上げているとすると、過度にやりすぎれば、地盤沈下やあるいは周辺地域への水供給に変化が起き、思っても見なかった問題が起きるかも知れません。

 

 供給元との交渉において、現地の環境が変わる可能性についての調査や対策もあわせて打ち出すことが出来れば、争奪戦でのちょっとした武器になるかもしれませんね。

 

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2009年10月07日

CO2排出量 世界最大は中国に

 これまで、世界最大のCO2排出国はアメリカということになっていましたが、この度発表された国際エネルギー機関・IEAの統計によると、2007年時点で中国がアメリカを抜き、世界最大の排出国になっているとのこと。

 世界全体の排出量のうち、中国が21%、アメリカが20%でほぼ双璧をなしているようです。約2年経った現在では、その差はもっと開いているかも知れません。

 

 あれだけの規模の国が、近年で急激に経済成長をし、エネルギー消費も増えているにもかからわず、日米欧ほどエネルギーなどの利用効率が高くないのですから、世界最大になって当たり前ですね。

 以前から言われていたことですが、予想よりもハイペースで排出量が増えているのでしょう。

 

 こうなってくると、下手な言い訳を続けるわけにもいかなくなるでしょうから、排出量削減を実行せざるを得なくなるでしょうね。

 ただ、どういう方向に進むのか?自動車産業が中国を新たな巨大市場として期待しているように、排出権取引でも巨大市場化、ということになるのでしょうか。

 

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2009年09月29日

風力発電と低周波音

 風力発電機の周辺地域で、低周波音の影響と思われる体調不良が起きている、という記事を見かけ、 以前も同じようなものを読んだ記憶があるな、と思っていたら、今年の1月に記事を書いていました。

 

 今日みたニュースは、苦情の増加を受けて環境省が低周波音が健康に及ぼす影響を調査することに決めた、というもの。 冬場の強風が吹く時期、つまり風力発電機が良く稼働する時期に調査するようです。

 重い腰を上げたというべきか、役所としては割と速い動きと思うべきなのか、いずれかよくわかりませんが、 まずは調査をして因果関係を把握し、対策を考えるべきですね。

 詳しいメカニズムの解明となると調査や研究に時間が必要でしょうし、 そんなことをしている間に問題が起きそうな風力発電機が次々と建設されていくことになる可能性もあります。

 今回の調査により、とりあえずであれ、低周波に関する環境基準を定められるところまで行けば、 対策を進めやすくなるのではないでしょうか。

 

 ところで、低周波を発生するものとして省エネタイプの家庭用給湯器が出てきています。いわゆる「エコキュート」 とかでしょうね。

 過去の記事を見ると、冷暖房機やボイラーなどからも低周波が発生するそうなので、 給湯器で発生しても不思議ではありませんが、風力発電機よりは身近に設置されるものですから、健康に影響を与えるのであれば、 製品の改良が必要ですね。

 

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2009年09月28日

母体に蓄積された化学物質の影響を調査

 来年の秋からことだそうですが、環境省が母体に蓄積された化学物質が子供に与える影響について検証するため、 調査をはじめるそうです。妊婦10万人を対象にし、子供が12歳になるまで調査を継続するとのことなので、 大規模かつ長期の調査です。

 

 過去20〜30年間で、先天異常や小児ぜんそくなどが確実に増えているそうですし、 化学物質も様々なものが生活環境の中に溢れている状態でしょう。いわゆる「環境ホルモン」の問題もあり、 化学物質が子供の健康に影響を与えている可能性は高いのではないかと思います。

 自分の子供の頃を振り返ってみて、今、私の周りでも何かのアレルギーを持つ子供たちが昔に比べて結構な数いるなあ、 という印象です。アレルギーの全てが化学物質に起因するわけでも無いでしょうが、いくつかは関連があるかもしれません。

 

 人間自身が環境中に振りまいてきたものによって、次の世代の健康に異変を起こしているのなら、 生物として自分自身の首を絞めていっているようなものです。

 でも、そんな環境を改善するのは、時間も必要だし、技術的にも難しいでしょうね・・・・

 

 しかし、今から調査というのも後手にまわっている感じがしないでもありませんが。案外、 調査することになったのは政権が変わったからとか?

 

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2009年09月25日

バイオエタノールの生産コストを10分の1にする

 一時期、非常に注目を浴びたバイオエタノールですが、最近あまり話を聞かなくなりましたね。

 もてはやされていた頃、某超大国がバイオエタノール推進を打ち出したおかげで、原料になるトウモロコシが食用でなく燃料用にされ、あるいは儲けるためにとにかくトウモロコシに転作するなど、食糧不足や価格の高騰の原因になっているという批判が起きてから、あまり話題に上らなくなったように思います。

 

 そんなバイオエタノールですが、この度アサヒビールが、稲わらや麦わらからバイオエタノールを製造するコストを従来の10分の1程度に引き下げる技術を開発し、特許を取得したそうです。

 バイオエタノールを製造するために必要な酵素をローコストで大量に作る技術だそうです。

 

 穀物そのものではなく、わらなどの残り物を有効利用できるのなら、意味は大きいのではないでしょうか。

 バイオガソリンを使うようにすれば、CO2削減にも効果が期待できます。25%削減を本気でやる気なら、それこそ様々な手段を考えねばならないでしょう。バイオガソリンを使えるハイブリット車、というのも面白いかも知れません。

 

 あと、エネルギー資源に乏しい日本国内で、ある程度自給してゆけると良いですね。

 農業は衰退していっている状況ですが、わらなどを原材料として売り買いする仕組みができれば、農家の収入の助けにもなりそうです。農業の振興に多少は役立ちませんかね?

 一石三鳥ぐらいの活用がされると良さそうです。

 

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2009年09月23日

鳩山首相 国連演説「温室効果ガス25%削減」

 アメリカに行っている鳩山首相ですが、国連で演説し、温室効果ガス25%削減という「鳩山イニシアティブ」を表明したとのこと。

 一応、先進国のひとつである日本が達成不可能とも言える厳しい目標を掲げることで、温室効果ガス削減に消極的な途上国や巨大な排出元である中国やインドなど高度成長中の国に、削減意欲を促す、と言った効果が一部では期待されているようです。

 

 まあ、意気込みとしてはいいんでしょうが、達成はどうするの?という目標。鳩山首相が割と具体的に言及したのは、国内排出量取引制度や再生可能エネルギーの固定価格買取制度、地球温暖化対策税といった内容。

 例えば温室効果ガス排出を減らす新技術の開発とか、植林や都市の緑化を進めるといった話ならまだわかりますが、その辺に言及しないのはなぜでしょう。緑化など、温室効果ガス削減以外に、ヒートアイランドの抑制効果や生態系への好影響など、他の効果も望めると思うのですが。

 

 排出を抑制する手段として、温暖化対策税やエネルギーの固定価格買取というのはまだマシな方だと思いますが、下の下なのは排出量取引でしょう。しかも、これを政府が切り札に考えているらしいので、うんざりしてきますね。

 結局、目標達成するために、海外の排出枠買い集めに腐心して終わり、というオチのような気がしてなりません。資金は、国債なり税金から調達することになるのでしょうか。

 

 こんなことをしても、中世にあった「免罪符」を買い集めているのと同じで、結局は何の解決にもなっていないと思うのですが、違うんですかね。

 排出量取引のマネーゲームで儲けている人達にとっては、鳩山イニシアティブは、とてもありがたい話なのかも知れませんね。

 

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2009年07月06日

外来種との交雑種

 オオサンショウウオと言えば特別天然記念物として有名ですが、京都の賀茂川などでは、 外来種のチュウゴクオオサンショウウオや、外来種と日本固有種との交雑種が繁殖し、固有種を駆逐しつつある状況のようです。

 

 例えば、オオサンショウウオを保護して川に放す場合、それが固有種なら→外来種の中へ放り込むことになる。 外来種や交雑種であった場合→固有種を駆逐することになるそうで、ちょっと一般庶民ではどうして良いのかわからない状態ですね。

 とりあえず、発見したら研究機関に連絡するのがベストみたいです。研究機関でどう扱うのか決めるのでしょう。

 

 ペットとして飼える動物がかなり自由になったために、国内に色々な動物が持ち込まれ、 中には日本の自然環境に適応するものもいて、こういった交雑種や外来種の問題は両生類に限らずさまざまな動物で起きています。

 技術的には遺伝子解析ができるようになったため、交雑種の存在が顕在化しやすくなり、 問題としてより認識されやすくなっていることもあると思います。

 

 国内の固有種でも、同じ種と言っても、遺伝子レベルで見れば生息する地域によって若干違うこともあるそうです。 ここまで保護しようとすると、国内の固有種でも、元もと生息していなかった地域に放すことはできなくなりますね。

 人間の技術の進展で、新たに考えないといけない問題が出てきたようです。

 

 

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2009年06月24日

木質バイオマス発電の苦境

 木質バイオマス発電、という方法があるそうです。木材や樹皮、 木くずなど(実際はチップに加工したものを使うようです)を燃やしてタービンを回し発電する方法で、 ガスタービン発電+廃熱利用とすれば、熱効率80%にもなるという、高効率な発電方法のようです。

 

 植物を燃やして発電しても植物が取り込んだCO2が大気中に戻るだけ、という都合の良い解釈が成されており、 新エネルギーとして推進されているそうですが、現在は燃料不足により、発電所の3割ぐらいが運転休止、 あるいは稼働率を低くせざるを得ない、と言う状況だとのこと。

 発電所が増えたおかげで木質チップの価格が暴騰しているらしいので、採算的に厳しいということもあるのでしょう。

 

 国内で発生する間伐材や製材所のおがくず、建築廃材などを燃料に供給できれば燃料不足もマシになるのでは、 ということですが、国内の林業が弱ってしまっている現状では、そううまくまわってくれないようです。

 これからはわかるのは、

 

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2009年06月23日

マングースが本土に上陸

 国内では沖縄本島と奄美大島だけで生息しているマングースが、鹿児島市で確認され、本土に上陸したことがわかりました。

 マングースは、昔ハブの駆除にと持ち込まれたものの、あまり役には立たず、 今やヤンバルクイナやアマミノクロウサギなどの天然記念動物を捕食して繁殖し、自身が駆除される対象になっています。

 人間の都合により持ち込んだ外来生物ですが、皮肉な結果を招いてしまいました。

 

 生息は確認されたものの、今のところ被害は報告されていないとのこと。もし九州で繁殖して、 数が増えてきたら被害が出るのかも知れません。日本の在来動物では、タヌキやイタチと競合するポジションのようで、 生態系が崩れてマングースの天下になる可能性もあるようです。

 

 人間の手で完全に駆除するのは難しい。日本の自然環境に適応すれば、九州からさらに北上してくる可能性もあるでしょう。

 日本のマングースにはこれと言った天敵がいないそうですが、自然界に天敵がいれば、それほど数も増えないのでは。 といっても、熊、あるいは野犬ぐらいしかいませんか。

 

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2009年06月03日

太陽の活動弱まる ミニ氷河期の恐れ?

 太陽の活動が200年ぶりという低水準になっていて、このままだと地球がミニ氷河期に突入する可能性があるとのこと。 太陽の活動は、黒点の数が多いほど活発とのことなのですが、最近は黒点が相当減少しているそうです。

 活動の強さの周期は、11年サイクルの短いものと数百年周期の長いサイクルのものが知られていて、 長周期の方は200年ほど前に極小期があって、その当時はミニ氷河期となっていたそうです。70年ほど続いたとのことですが、 人間の生涯と比べると長い期間です。

 

 太陽の活動が弱まって地球が寒冷化すると、これまた色々な問題が起きてきますね。

 200年前とは人間の数や生活している状況が相当に違いますが、もしミニ氷河期に突入したら・・・・・ これを乗り越えるための冷静な行動は可能でしょうか。割と早く終わるのか、それとも数十年続くのか、よくわからない状態で、 です。

 

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2009年05月24日

アルゼンチンアリ増殖中

 特定外来生物にも指定されている「アルゼンチンアリ」が国内で増殖中のようです。現在は7府県で確認されているそうで、輸入木材にくっついて侵入した可能性が高いようです。

 このアルゼンチンアリは世界的に問題になっているらしく、生命力・繁殖力が強いため在来種のアリを絶滅に追い込むなど生態系へ深刻な影響を与えるほか、家に侵入して人間を攻撃したり、あるいは家畜を攻撃することもあるようです。

 毒はないので、噛まれても痛いとか、不快である程度のようですが、気持ちの良いものではないですね。

 

 大阪では、こういった昆虫系の外来種として有毒の「セアカゴケグモ」が数年前から問題になっています。アルゼンチンアリはこれほどには言われていないようですが、大阪でも確認されているそうなので、思わぬうちに生息地が広がっているのかも知れません。

 

 このアリの駆除は、今のところ決め手となる方法が無いようです。外来種は人間の活動のため、本来の生息地以外に広がってしまったもの。とりあえずは、外来種と在来種をあわせた生態系が、ある程度バランスがとれるような方策を考えるしかないのでしょうかね。

 

 このような問題では、人間が考えた通りにうまく行くほど、自然の仕組みは単純ではないと感じていますが、こんな発想は、つまらない足掻きなのかもしれません。

 

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2009年04月21日

日立冷蔵庫でエコ偽装

 製造工程での大幅なCO2削減やリサイクル材料の使用などをうたい、ヒット作となった日立の冷蔵庫が、 実はうたい文句ほど環境を考慮していなかったことが発覚しました。公正取引委員会より排除命令を受けています。

 この製品は、経済産業省の「省エネ大賞」を受賞していましたが、返上したとのことです。

 

 こういうことがわかった、というのはやはり内部告発でしょうか?偽装となった原因は、 開発セクションと商品企画セクションの間で連絡の不備があり、実際の商品と宣伝文句の間に乖離ができてしまった・・・つまりは 「過失」ということらしいですが、どこまで本当なのでしょうか。

 実務でどうしているのか知りませんが、発売前に最終的に確認したりはしないんでしょうかね。過失であっても、 確認していないということであれば、製造側としてはあまり関心が無い事柄なのかもしれませんね。

 

 製造工程でCO2を48%削減と言っていたものの、実際には大きく下回っていたらしいです。 48では無く4.8だったとか、あるいは30年前の当社比で48%だったとか?

 実際の削減量を知りたいですが、出ていません。日立のサイトをザッと見ても、製造工程での削減量は書いていませんね。

 

 冷蔵庫の購入にあたって、今回指摘された「エコ」であることが、動機としてどれぐらいのウェイトを持つのか。 第1位ではないでしょうが、日立を選ぶ理由の一つになっているのなら、ある意味、購入者を裏切ったことになりますね。

 こういった偽装が発覚すると思うのは、「氷山の一角」かな、ということです。

 

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2009年02月21日

環境省のモデル校を返上

 京都府八幡市の中学校が、環境省の補助事業「学校エコ改修事業」のモデル校を返上し、 国からの補助金を返還することにしたそうです。

 地方自治体が補助金を返還するのは珍しいケースのように思えますね。モデル校を返上するのは、 生徒が授業に集中でき、学力向上につながるようにと新年度から、モデル校以外の学校にもエアコンを設置することにしたから、 というのが理由だそうです。

 エアコンはCO2を排出するので事業の目的にあわない、とも考えているようです。

 

 これは、温暖化防止に対する市の考え方・姿勢が伝わってくる話ですね。モデル校として、 断熱や通風に配慮した校舎改修の設計を既に行っているそうですから、そのまま改修して、 ついでにエアコンを設置したら良いのではないでしょうかね。

 ただ、モデル校以外の他の学校にもエアコンを設置するそうなので、 どちらかと言えば予算の制約(額と使途の問題)の方が大きいのかもしれませんね。

 

 仮に、校舎を改修してエアコンをつければ、一般的なエアコン設置の学校よりも、 エアコンを運転する頻度が下がりますとか、冬なら設定温度をより低くしても快適ですとか、そういったことになれば、 環境に配慮していると言えると思いますがどうなんでしょう。

 もっと厳格に考えて、今はエアコンが無いのだから、このまま暑さ寒さはエアコン無しでしのがないとエコではない、 と考えているのでしょうか。もしくは、改修工事でのCO2の排出量云々、ということまで考えての判断なのか。

 学校の校舎は長期間使う建物だし、災害時の避難場所にもなっているでしょうから、エアコンの設置とは別に、 エコ改修することには意味があるんじゃないでしょうかね。

 

 

 さて、学力向上だ、となったのは全国学力テストで全国平均を下回ったためだとのこと。

 授業に集中できるようにと、空調の効いた部屋を用意してもらえるなんて、今の生徒は恵まれていますねぇ。 私が学生だった頃は「心頭滅却すれば火もまた涼し」といった姿勢で授業を受けていましたが、時代は変りましたね。

 

 果して、エアコン設置の効果の程は?この効果があったとなったら、全国にこの流れが波及するんでしょうか。

 エアコンに限らず、あまりに恵まれていては、勉強する意欲がもうひとつ湧いてこないような気もします。

 

環境省エコフロー
http://www.ecoflow.go.jp/

 

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2009年02月12日

初の衛星交通事故?

 北シベリアのはるか上空790キロで、アメリカの通信衛星(携帯サービスのイリジウム用で稼働中)と、 ロシアの既に機能が停止した通信衛星が衝突したらしいです。人工衛星同士が衝突する事故は、これが初めてではないか、 ということです。

 

 衝突した後、双方の衛星が破壊し、600以上の宇宙ゴミ(デブリ)となって漂っている状態だそうで。 デブリのことは以前の記事でも書いた記憶がありますが、10センチ以上のものはレーダーで捕捉されていて、 現在約1万2千個が地球の周りにあるそうです。

 今回の事故で、このデブリがさらに増えたことになります。小さくても速度が速いので、 ぶつかるとかなりの威力を発揮する危険物ですね。

 

 イリジウム携帯サービスについては、今回衛星が一つ無くなりましたが、サービス自体への影響は「ほぼない」 らしいです。国際宇宙ステーションやスペースシャトルなどには、高度の差があるため、今のところ影響はないとのこと。 「まいど1号」は大丈夫なのかな?

 人工衛星同士の衝突が起きた、ということは衛星の密度がかなり上がってきた、ということなんでしょうか。 遂に起きるべくして起きた事故で、これからも発生が続くのでしょうか。

 

 デブリ問題がより深刻になると、宇宙での活動がより危険になり、デブリの監視以外に、 それを消滅させるような手だてが必要になってくるのかも知れません。

 実際にデブリを目にすることは、一般庶民にはほぼ不可能ですが、言ってみれば成層圏環境問題、 という感じでしょうか。

 

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2009年01月19日

風力発電所付近で健康被害?

 日本各地に風力発電所が増えていますが、その周辺で身体のしびれや、頭が揺さぶられるような感覚など、 体調不良が起きるケースも増えつつあるそうです。

 原因自体ははっきりと解明されていないようですが、 低周波音(人間の耳では聞取りづらい周波数が100ヘルツ以下の音)が原因ではないか、と考えられているようです。 風力発電の風車の近くの家で、低周波音により家が振動する現象は確認されているようです。

 

 風力発電の風車、風車というとオランダの方の風景イメージを思い起すので、「プロペラタワー」 という表現の方が個人的にはしっくりと来る感じです。

 何度かそのプロペラのそばに行ったことがありますが、発電中は「ブオン、ブオン」と絶え間なく音が出ています。 会話に支障があるようなボリュームではありませんが、やや小さめの音量のBGMとして流れ続けれている、 といった印象でした。

 人家が近くにあった場合、このような音が周辺に届き、建物が振動したりするのでしょうね。周波数の帯域によっては、 人体に影響を及すことがあるのかも知れません。人に影響しているのであれば、 周辺の動植物にも何らかの影響を与えている可能性もありそうです。

 

 クリーンエネルギーとして期待されているものの一つですが、そう良いことづくしでも無く、負の側面もある、 ということなのでしょう。これまで人里離れた場所に設けてきたものが、適地が少なくなり、 人家の近くにつくられるようになったことで顕在化してきたと考えられますね。

 環境省によると、低周波音の影響に関しては、今のところ科学的に未解明で、対策の規制値・ 目標値が設定できない状態だそうです。風力発電自体に、ちょっと行き詰りが見えた、という感じがします。

 

 

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2009年01月15日

沖縄・泡瀬干潟の埋立て

 沖縄市にあり、南西諸島に残る最大の干潟とされている泡瀬干潟の本格的な埋立て工事がはじまったとのこと。

 この干潟は、環境省が定める「日本の重要湿地500」に指定されているそうです。 特に湿地の生態系を保全する目的で制定された国際条約「ラムサール条約」の登録湿地ではありません。

 

 Wikipediaを見ていると、出島方式で埋立てられるようで、 沿岸部の干潟はある程度は残される感じでしょうか。しかし、干潟周辺の浅い海が無くなったり、潮流も変るでしょうから、 現在の干潟の自然環境はかなり変ってしまうでしょうね。失われるものが多そう。

 工事期間中、絶滅危惧種であるトカゲハゼという魚が産卵する4〜7月は、工事を中断するそうですが、 効果のほどはどうなのでしょうか。環境が変っても生きていけるのでしょうかね。

 

 埋立て工事の完了予定は2012年だそうです。地元の建設業者にとっては、この不景気に仕事が出てきてありがたい、 というところかもしれません。

 完成後は、沖縄県と沖縄市が、地域活性化として、埋立て地にホテルや商業施設を誘致する計画だそうですが、 果してうまく行くのでしょうか。3年後の経済状況がどうなっているのかはわかりませんが、今の状況から推すと、 今後1〜2年ぐらいは誘致に乗ってくる企業はほとんど無いんじゃないでしょうかね。

 工事を進めず、様子を見ている方が賢明かと思いますが、行政側に何か都合があるのでしょうかね。 干潟を無くして得たものは、広大な空き地と負債、という事にならなければ、少しマシでしょうか。

 

Wikipedia 泡瀬干潟
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A1%E7%80%AC%E5%B9%B2%E6%BD%9F

 

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2008年06月27日

諫早の潮受け堤防・門は開くのか

 長崎は諫早湾干拓で、堤防を締切ったため、漁に深刻な影響が出て、 国を相手に堤防の撤去や門の常時解放を求めた訴訟で、佐賀地裁の判決があり、国に対して3年の準備期間を経た後、 5年間にわたって潮受け堤防の排水門を開くよう命じた、とのことです。

 

 裁判所は、漁業と潮受け堤防の締切について、中・長期的な因果関係を調査するための開門を命じる、 ということのようです。今回の判決は国に厳しいものであり、不利な状況が続く漁業関係者にとっては、 若干の救いと言えるようです。

 ただし、地裁判決なので、国が不服として上級審へ控訴すれば、どうなるのかはわかりません。干拓事業に対する、 これまでの農水省のかたくなな態度からすれば、控訴は確実でしょう。結論が出るまでには、 まだしばらく時間がかかりそうです。

 

 今回の判決に従って門を開いた場合、有明海がもとの豊かな海に戻っていくのか、 それとも現状が多少改善される程度なのか、はたまた何も変らないのか、どう変化するのかわかりません。 専門家はある程度シミュレーションして、結果を想像しているのでしょうか?

 どうも、開門後、ゆるやかに海の中の環境が変り、調査が終りを迎える5年目頃に、ようやく影響がわかりはじめる、 といったことになるような気がします。

 潮受け堤防を締切ってから11年になるとのこと。ならば、開門も同じぐらいの期間、 10〜15年ぐらいは続けないと、海への影響もわからないのではないでしょうか。

 

 いずれにしても、最悪のケースは、開門にも関わらず有明海の環境は変ることがなく、干拓地で始めたという農業は、 塩分の影響で営農もままならない、という、漁業・農業が共倒れになること。

 かつて「失敗百選」に選ばれた事業。火に油を注ぐ結果になりはしないか。

(関連記事)
諫早湾干拓事業が「失敗百選」に選ばれる

 

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2008年04月26日

電気・ガス・ガソリンの領収書にCO2排出量表示へ

 ガソリン暫定税率で大もめになっている今の国会で、 地球温暖化対策推進法(あまり話題に上りませんがあるんですね)の改正案が提出されているそうです。

 それにより、来年4月以降に電気・ガス・ガソリン代の領収書にCO2排出量が表示されることになるようです。 表示は努力目標だそうですが、各企業も要請に応じる構えだそうです。

 日常生活やオフィスでの業務活動で、どれぐらいのCO2を排出しているのか、 ひとりひとりにしっかりと意識してもらう狙いがある、ということです。領収書に表示する、といっても、 よく見るのはすでに関心がある人で、やはり見ない人は見ないでしょうね。

 

 排出量の抑制につなげたいのであれば、意識させるだけでは不足で、日本として例えば 「毎月の一家庭あたりのCO2排出量をこの値以下に抑えたい」という目安・目標を設定して、 広く知らせることが必要でしょうね。電気・ガス・ガソリンの使用分のみに限って、 わかりやすく排出量の上限を設定するとわかりやすいと思います。

 もしくは、「10kgのCO2で、北極の氷1m2が溶けます」 なんていう危機感を持たせる表現でも良いかも知れません。

 

 いずれにせよ、目安があれば、領収書に表示したCO2排出量に関心を持つ人も増えてくるのではないでしょうか。 目標値を下回れば、翌月の電気料金なりガス料金なりが割引になる、といった「アメ」があれば、 さらに関心を持つ人も増えるだろうし、排出量を減らす努力が加速するかも知れません。

 

 ただ、使用量が少なくなるほど使用料金が割引かれる、というのは普通に見られる料金体系と逆行するので、 実現するのは難しいか。株の個人投資家のように、個人単位のCO2排出権を設定して売買いする、 ということも考えられますが、ここまで行くと環境問題解決が主眼ではなく、 環境問題をネタにしたビジネスが主眼になってしまい、趣旨からは外れてしまいますね。

 

 現実に表示されるようになるのは、早くても1年後のことですが、実現したら、 自分の家でどれぐらいのCO2を出しているのか、というのを一度見てみたいですね。

 

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2008年02月27日

海藻からバイオエタノール

 日本の研究グループが、食用には適さない海藻・ ホンダワラ類からバイオエタノールをつくる技術にメドをつけたとのこと。日本海沖合にある海底山脈「大和堆」に、 四国の半分ほどもある巨大養殖場をつくれば、 日本のガソリン販売量の3分の1にあたる量のバイオエタノールの生産が見込めるそうです。

 

 現在バイオエタノールの原料は穀物で、食糧と需要が重なり、食糧の高騰の問題が起きていますが、 海藻バイオエタノールが実現すれば、食糧高騰の問題解決に効果がありそうですね。日本は海に囲まれており、 自前で調達するにも都合が良さそうです。

 養殖事業に使う船の燃料はなんだろうとか、台風など自然現象が及す影響とか、気になる点はいくつかあります。 なかでも、単一?の海藻を大規模に養殖した場合の生態系への影響や、大規模な養殖場が海流・ あるいは気候に影響する可能性は、と言った自然環境への波及が気になりますね。こういった問題は、 人間の事前のシミュレーションでは考えられなかったような現象が起きる可能性があります。

 

 日本海、と聞いて、ふと、エチゼンクラゲも燃料に利用できたりしないか、と思いましたが、 クラゲはほとんどが水分だから無理ですね(^^;

 

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2007年12月24日

医薬品による水質汚染が進行か

 厚生労働省の調査で、大都市圏の浄水場の水から少なくとも25種類の医薬品を検出、環境省の調査でも、 利根川や淀川で50〜60種類の医薬品を検出したそうです。

 抗生物質や抗アレルギー剤、胃腸薬、向精神薬などいろいろな薬が、ごくごく微量ながらも検出されているそうです。 今のところ、それぞれの薬の濃度は、大人が70年ぐらい飲み続けても問題ない程度で、緊急に対策が必要な濃度ではない、 という話です。様々な種類をあわせて飲続けたらどうなるか、というのはわからないようですね。

 また、生物の成長や増殖に対して医薬品が影響することがわかっているので、そちらの危険性と、 微生物が医薬品に対する耐性を獲得する可能性も問題視されるようです。

 

 これまでも、重金属や化学物質などによる水の汚染が言われていましたが、 医薬品の汚染も問題になってきているということですね。考えてみれば、これも化学物質の一つではあります。

 便利さを追求したところ、しっぺ返しを喰らいつつある、という感じですね・・・・長期的な影響や、 生物濃縮があるのか、と言ったことが気になります。気にはなるのですが、あまりに気にしてしまうと、 都市圏では生きていけないので、割切りも必要ですが。

 

 アメリカでは98年から、新薬が環境へ及す影響を義務づけている、とのことですが、 こりゃまた日本は後手後手にまわってしまっているのでしょうか。

 それとも環境省は知っていたけど、厚生労働省は知らなかった?もっと早い時期に調査できていたのでは? なんて言う疑念が出てきますね。

 医薬品の除去・分解技術は実用化へ向けた段階である、というのは気休め程度にはなるのでしょうかね。 医療機関の排水に問題があるのなら、浄水場だけでなく、大きな医療機関には、 工場のように浄化設備が必要なのかも知れません。

 

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2007年12月14日

アル・ゴアが自邸を環境配慮型に改修

 地球温暖化問題への取組みでノーベル平和賞を受賞した、「不都合な真実」のアル・ゴア氏。訴えかける内容に比べ、 自身は莫大な光熱費を使うと言うことで、一部では偽善者と呼ばれていました。

 それを気にしたのか、自邸に太陽熱発電をはじめ、さまざまな環境技術を取入れた改修を施し、 工事が完了したそうです。アメリカでは「全米で最も環境にやさしい住宅の一つ」という評価も出ているそうですが、 アメリカらしい極端な振れ幅ですね(^^;

 

 これで、「偽善者」の称号も少しは緩和されるのでしょうか。しかし、 この改修でゴア邸のエネルギー消費が少なくなったのか、CO2の排出量が少なくなったのか、という点については不明です。

 太陽熱発電から得た電力であれば、今まで通り使いたい放題使えばよいのか?いや、 やはり必要でない電力は使うべきではありませんね。もったいないから。

(関連記事)
アル・ゴア氏 自身のエネルギー消費で批判受ける

 



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2007年11月21日

諫早湾干拓事業が「失敗百選」に選ばれる

 昨日、主要な工事を終えたとして完工式が行われた諫早湾の干拓事業が、科学技術振興機構がまとめた「失敗百選」 に選ばれたとのこと。諫早湾干拓事業は、矢板が次々に落され、海が隔てられていくシーンが印象的ですね。

 この事業のため、日本でも最大級の干潟が失われました。大規模な環境破壊であり、漁業に深刻な影響が出ています。 長い時間が経てば、自然環境は干潟が無い状況で、あるバランスがとれた状態になると思われますが、 それが人間にとってどんな影響を及すのかどうかわかりません。ある程度は豊かな海が戻ってくるのか、 それとも死の海になってしまうのか。

 

 とはいっても、出来てしまった農地を放っておく訳にもいかず、食糧自給率がせめてでも高まるように、 うまく農業に利用しないといけないのが現実ですね。これもうまく行かなかったら、 本当に何のために干拓したのかわかりません。しかし、そのうち採算性がダメだ、とかいう話になって、結局土地が売られて、 宅地になって家が建並んだり、工場が誘致されたり、と言った事態になっているようにも思えますが・・・・・

 「一度決った公共事業は方針転換しない」象徴とも言うべき事業ですが、この失敗から学び、 同じ過ちを繰返さないようにしなければなりません。

JST失敗知識データベース
http://shippai.jst.go.jp/fkd/Search

 


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2007年10月09日

ブラウン管TVのリサイクルが困難に

 家電リサイクル法により、再利用が義務づけられているブラウン管テレビですが、 世界的にブラウン管への需要が少なくなっており、リサイクルしようにも需要が少ない、という状況に陥っているそうです。

 ブラウン管には鉛が使われており、再利用の用途がブラウン管の原料、というのが原因の一つでもあるようです。 ブラウン管以外へのリサイクルとなると、鉛が含まれたままでは用途が限られ、 かといって鉛を除去する技術も実用化されていないとのこと。国内のテレビは液晶やらプラズマやら、薄型が増えて、 今や国内ではブラウン管は生産しておらず、リサイクルするにしてもマレーシアや韓国などで処理をしている状況だとか。

 薄型テレビが既存のブラウン管TVを駆逐して行くにつれ、リサイクルするブラウン管は増えて行く一方、 でも再生品の使い道は無し、という状況に陥っていくと言うことでしょうか。
 ブラウン管TVの方が薄型TVよりも頑丈で傷にも強いので、小さい子供が暴れ回る家や場所では、 ブラウン管TVの方が向いていると思いますが、今の流れでは、やがてブラウン管自体が消えゆくことになるのかもしれません。

 

 環境省のお役人は、ブラウン管の新たな処理技術の開発や、国際的な再利用ルートの構築などを望んでいるようです。 現在は、コストの試算さえ憚られるような高コストをかければ鉛の除去も可能なようですが、 これが比較的低コストで除去できるようにならないと、再利用の用途は広がらないでしょうね。 そう都合良く短期間に技術開発が進むのか、という疑問もあります。
 また、ブラウン管の需要を将来的に確保するというのは難しいだろうし、 根本的な解決にはならないですね(再利用で作ったブラウン管も、いずれまた再利用しなければならなくなる)。

 ブラウン管の再利用処理が行き詰る前に、リサイクルよりも廃棄物処理の仕方を定める、 という方向性で家電リサイクル法の一部改正を考えた方が良いような気がします。

 

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2007年09月14日

「トトロの森」の風景が残されることに

 東京都東村山市にあり、かの有名な宮崎駿監督作品「となりのトトロ」の着想を得たという「淵の森緑地」。 そこに隣接する雑木林の開発計画を進めていた民間業者が開発を断念し、 東村山市が公有地として保全されていくことになったようです。

 淵の森自体が、市民運動から公有地化された経緯があり、周辺の緑についても公有地化するよう、 上の協議会が募金を募るなどの活動している、ということですね。金儲けのための論理が勝り、開発優先の風潮の中で、 これは緑の保全の成功例ですね。珍しい、幸せなケースではないでしょうか。

 都市近郊の自然環境の保全は、都市計画で何らかの保護、法規制がかけられていたり、 レッドデータブックに出てくるような希少種が棲んでいるとか、あるいは非常に強硬な開発反対運動がある、 といった場所でないと、なかなか難しいだろうと思います。こうしてうまく保全され、ニュースとして取上げられるのは、 やはり宮崎作品・監督自身のネームバリューと高い評価によるところが大きいのでしょうね。

 「ゆとり」という言葉が、ネットの中で悪い意味で使われる場合もある、なんていう話題も見ましたが、 都市のゆとりである身近な美しい自然環境を保っていける、心のゆとりが必要ですね。

(関連サイト)
淵の森保全連絡協議会

 

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2007年09月07日

PCBに似た汚染物質が母乳に蓄積されている

 「塩素・臭素化コプラナーPCB」や「コプラナーPXB」と呼ばれる、 PCBによく似た汚染物質が日本人の母乳に蓄積している、ということが摂南大学薬学部の研究によりわかったそうです。

 人体の蓄積が確認されたのは世界初で、日本で販売されている魚類(輸入した魚を含む)や、 南極海で獲れたミンククジラの肉にも含まれていることが判明。日本に限らず、世界的な規模で汚染が進んでいるようです。 人体の蓄積は魚を食べることが一因のようですが、汚染物質の発生源の解明や、人体への影響の研究が急務だとのこと。

 PCBは、発ガン性もある有毒物質で、昔カネミ油症事件の原因物質となるなどして、日本では使用・ 製造が禁止されています。これに類似のコプラナーPXBもPCB並の毒性があるのではないか、ということですが、 残念ながら、現在はその毒性を評価する対象になっていない(法律でそれが定められていない)そうです。

 

 食べ物や生活環境が、これまで、さほど危険でもなかろうと考えていた物質による汚染が進んでいて、 それが実はかなり危険だった、というのは恐ろしいことです。母乳に蓄積されているということは、 乳児にも何らかの影響を与えている可能性があるわけで、不気味です。

 ただ、個人的には、有毒物質・化学物質の人体への蓄積という問題に関しては、 今の生活環境では(ある程度は)仕方がないだろう、と諦め加減ですね。完全にシャットアウトするのは不可能でしょうから。

 日本のすぐ西側にある、人口が非常に多い国も汚染に関わっているんでしょうかね・・・・

 

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2007年08月16日

国内の最高気温記録を74年ぶりに更新

 昨日で夏休みも終り、今日からまた仕事。休み明けでだるいのと、ここ連日の暑さで、なかなかはかどりません。 大阪に戻ると、やはり暑い。街中におると、熱がこもっているというか、どこにも抜けていかないという感じがします。

 と思っていたら、今日、岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で、最高気温が40.9度と、 74年ぶりに国内の最高気温記録を更新したとのこと。スポーツの記録ではないのだから、更新してもイイ感じではありません。 お年寄りが室内で熱中症になり亡くなる、といったことも起きていますが、これまでの日本の気候を考えれば、 明らかに異常ですね。

 この猛暑が地球温暖化の影響であり、明らかに人間の活動が影響しているのであれば、猛暑だ、 記録更新と騒ぐだけでなく、暑さ対策をすべきです。それをしないのであれば、中近東や南アジア・ 東南アジアといった暑い国を見習って、生活・文化を変えていかないとダメなように思います。

 この暑さ、まだしばらく続くようなので、この夏にさらに記録更新となるかもしれませんね。

 

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2007年06月11日

日本国内の野生カエルからツボカビ菌が見つかる

 今年の1月、カエルなど両生類に壊滅的な打撃を与えているという、カエル・ツボカビ症が、 日本に輸入したカエルから発見されたというニュースがありましたが、その後の調査により、 国内の野生のカエルにもツボカビ菌が広まっているのが確認されたそうです。

 輸入したカエルについてきて広まったのか、それともそれ以前に広まったものなのかはわからないとのこと。また、 致死率が高い菌とは違う種類の未確認の菌が蔓延している可能性もあるそうです。 とりあえず野生のカエルに関する第一報的な調査結果ですが、 場合によっては日本国内の両生類が絶滅の危機に陥る可能性があるということです。

 うちの近所では、今年はもう夜にウシガエルの鳴声が聞こえてくることがありますが、最悪の場合、 そんなことも稀になってしまいます。カエルの鳴声って?というような時代になってしまう可能性もありますね。

 先日の薬剤耐性結核菌もそうですが、完全に封じ込める、あるいは撲滅するということは人間の力では不可能。 日本で確認されたツボカビ菌の毒性がどうなのか、という点が最も問題になるでしょうね。

(関連記事)
カエル・ツボカビ症が日本で確認される・両生類絶滅の危険が

 

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2007年05月18日

トンネルの影響で箕面の滝が枯れる?

 大阪での話。近々、新御堂筋の北端から山をトンネルで抜け、北へ向う「箕面グリーンロード」が開通します。しかし、 そのトンネルを造ったために中で水がわき出して地下水の流れが変り、近隣の川の水量が減っているそうです。 近くにある古くからの景勝地「箕面の滝」も水量が減っていることがわかったそうです。

 あの「ヴィソラ」のさらに北へ延びているトンネルは、グリーンロードという道だったのですね。 新しく開発する住宅地のアクセス道路ともなるようです。トンネルから水がわき出したのは平成11年とのことなので、 もう8年も前からのこと。事業者である大阪府道路公社が、ポンプアップして川に水を戻しているそうですが、 全て戻せるはずもなく、水量は減っているそうです。
 箕面の滝も、上流にダムがあったりと、自然のままというわけではありませんが、「ポンプ頼み」 というのは情けない話ですし、川の水が減ると、川の生き物、やがては流域全体になんらかの影響が出てくるでしょうね。

 しかも、ポンプアップを続けると、年間3000万円の電気代が半永久的にかかるそうで、 コストのみならずエネルギー消費ももったいない話ですね。トンネルは有料で、普通乗用車が片道600円ということです。 阪神高速東線の料金といい勝負ですが(^^; ポンプアップの電気代だけなら、 通行料に上乗せすれば解決するかもしれません。他の問題は解決しないのですが・・・・でも、あまり通行料が高いと、 利用し難くて何のための道か、という議論も出てきますねぇ。

 トンネルの向うの住民の利便性と、自然環境へのダメージを天秤にかける話ですが、 うまい解決策はないものでしょうか。

 

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2007年04月24日

エネルギー白書案「京都議定書は日本に厳しく不公平」

 経済産業省と資源エネルギー庁が、エネルギー白書の骨子案を示し、 京都議定書が日本に厳しくEUに優しい不公平なものである、と強調しているとのことです。
 何でも、温暖化ガスの基準年を1990年でなく95年にすれば、日本の排出量の増加率は7.4から1.0%に減るが、 (95年の方が排出量が多いからそういう計算になるのか?)EUは逆に-4.8%が+0.6%になるそうです。また、 日本のエネルギー消費効率はEUの1.9倍も良いとか。

 ま、元記事の書方にも問題があるのかも知れませんが、 日本が京都議定書の目標をクリアするのは非常に難しい状況なので、今になって難癖をつけて駄々をこねている感じがします。

 温暖化ガスの削減は、私たち日本国民が減らす努力をしなければならない問題で、 エネルギー白書をまとめた役人だけを批判しても仕方が無いのですが、地球環境のことを考えれば、 議定書の条件に文句をつける前に、削減努力を訴えるべきでは?いよいよとなれば、 アメリカのように議定書から離脱するつもりなのでしょうか。

 エネルギー消費効率が世界最高水準で良い、というのは誇っても良い点ですが。

 

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2007年03月02日

アル・ゴア氏 自身のエネルギー消費で批判受ける

 地球温暖化への警鐘を鳴らし、対策の重要さを訴える映画「不都合な真実」で、先日アカデミー賞を受賞したアル・ ゴア氏。現在、保守勢力からアル・ゴア氏自身のエネルギー消費量が多すぎると批判を浴びているとのことです。

 こういった批判は、アル・ゴア氏に限らず、環境保護・保全活動を訴える人にはついて回る批判の一つですね。 立派なことを言っているけれど、では自分はどうなんだ、ということです。

 こういう批判にとらわれてしまっては、環境保全活動はできなくなってしまうので、 過敏に反応することも無いかと思うのですが、アル・ゴア邸の1ヶ月の電力消費が一般家庭の1年分以上で、去年1年間の電気・ ガス代が3万ドルに及ぶとのことなので、いくら再生可能エネルギーや太陽光から電力を得ている、 といってもやはり使いすぎでしょう(^^;。

 それだけのエネルギーが何に消費されているのかわかりませんが、これだけの量になれば、 自身も削減する努力をすべきでしょう。もし、削減の努力を重ねた上で、なお年間3万ドルもの電気・ガスだとしたら、 ではそれ以前にはどれだけ使っていたんでしょうね。(^^;

 ただ、アル・ゴア氏が電気を使いすぎだと言っても、地球温暖化対策が必要なことには変りありません。

 


 

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2007年02月16日

オオサンショウウオにも外来種の影響

 昨今は海外から持込まれた外来種が日本で繁殖し、在来種を減少させたり、在来種と交雑して混血種ができるなど、 生態系の乱れが問題になっていますが、京大の研究により、 オオサンショウウオにも外来種の影響が出る恐れがあるとわかったそうです。

 かつてペットや食用として持込まれたチュウゴクオオサンショウウオが、日本で繁殖している可能性が高いそうで、 日本固有のオオサンショウウオが駆逐されてしまったり、混血が起きる恐れがあるとのこと。

 人間の勝手でこのような状況になってしまいましたが、 オオサンショウウオを外来種から守る手だてがあるのでしょうか。素人考えでは、 野生のチュウゴクオオサンショウウオを駆逐するのは不可能に近いだろうと思います。専門家なら何か方策があるのでしょうか。

 オオサンショウウオは国の特別天然記念物。これが外来種に駆逐されて絶滅してしまった、では情けないことです。

 


 

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2007年02月02日

地球の温暖化が進んでいる

 IPCCという国際機関が、地球の温暖化が確実に進んでおり、 それは人間の活動(急激な温暖化ガスの排出等々)に起因する可能性がかなり高いことを確認したとのこと。 詳しくはasahi.comからの引用記事を読んでいただくとして、かなり危機的な状態であることは間違いないですね。

 昨晩のニュース23でやってましたが、研究者は、現時点では、効果のほどはともかく、 可能性のある対策なら何でも実行していかないと間に合わない状況に来ている、という認識で切迫感が伝わってきました。

 産出量の落ちた油田の地下に二酸化炭素を注入し、二酸化炭素を地下に閉じこめると共に石油の生産量をアップさせる、 という一石二鳥だ、という例が紹介されいました。これは、石油の生産量がアップした分、余分な二酸化炭素が発生するわけで・ ・・と筑紫哲也に突っ込まれていましたが(-_-;)、その通りですね。

 この方法だと、少なくとも5000年間は二酸化炭素は地上に漏れ出さない、とも言っていましたが、疑問でした。 地下のことはよく分らないし、現在の人間の知恵では予測できない事態が起きそうな感じがします。例えば、 地下水が炭酸水になるとか、ガスの圧力で地盤の弱い部分が吹飛ばされたり、崩れたりなどなど。しかし、 こんな方法でもとにかく実行しないといけない、という切迫した状況です。

 

 今年の暖冬は確かに異常さを実感します。食料やエネルギーの大半を輸入に頼っている日本は、 温暖化に起因する世界的な食糧不足・エネルギー不足が発生すれば、座して死を待つ状態になりかねません。

 チーム・マイナス6%と言わず、60%ぐらいの意気込みで対策をしていかないと、笑い事でなく 「大変なことになりますよ」・・・・個人レベルでは、まずは、身の回りで細々と節約をしていくこと。これは私自身にも言えることですが。

 やはり、一番必要なのは、温暖化ガスの最大排出国であるアメリカに、ガス排出を削減させること。中国も、同じようなものかな。

 

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2007年02月01日

中国の人工衛星破片が宇宙空間の脅威に

 中国が昨年12月12日の衛星破壊実験で破壊した、人工衛星の破片が地球の上空に大量に散らばっており、 国際宇宙ステーションや他の人工衛星に衝突する危険があるとのこと。アメリカの民間機関の軌道計算により、 具体的な危険性が示されているそうです。
 デブリと呼ばれる破片は、10cm以上の大きさのものが把握されているもので517個、 さらに10cm以下のものは数千個はあると見られる、とのこと。

 デブリは秒速6〜8キロ(マッハだと17.6〜23.5)の高速で地球を周回しているそうなので、 小さなものとはいえ、運動エネルギーはすさまじいものです。もし人工衛星などを直撃したら、大事故。

 中国は、大気圏のみならず、宇宙空間でも環境破壊か・・・というニュース。もっとも、 アメリカや旧ソビエト由来のデブリも、話題にならないだけで既に大量に地球の周りを周回しているのかも。

 こういった問題は、対処する方法は無いんでしょうかね。次第に周回軌道の高度が下がってきて、 大気との摩擦でデブリが燃尽きるのを待っているしか手がないんだろうか。

 

日本がはじめて打ち上げに成功した人工衛星「おおすみ」の構造図です。国産技術での衛星打ち上げにかける技術者たちの情熱へ想い..


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2007年01月12日

カエル・ツボカビ症が日本で確認される・両生類絶滅の危険が

 カエル・ツボカビ症という両生類の病気が、日本でも初めて確認されたそうです。関東地方で、 ペットとして輸入された中南米産のカエルが発症して発覚。ツボカビは水の中で数週間生き続けることができ、 野外へ広まると根絶は不可能だそうです。なお、人間には感染しないとのこと。

 カエル・ツボカビ症は、オーストラリアで90年代の終りに報告があってから、諸外国で流行し、 中には両生類の個体が9割(!)減った地域や2ヶ月で野生のカエルが絶滅(!)した地域もあったようです。
 人間で言えば、中世ヨーロッパで流行したペストや、20世紀初頭に流行したスペイン風邪(インフルエンザ)、 最近ではSARSに匹敵、いやそれ以上の病気ですね。両生類にとって非常に大きな脅威です。

 近年は外来種による生態系の混乱や破壊が問題になっていますが、これはその中でも象徴的な事件ですね。 両生類をペットとして飼育している人は責任重大です。ここでツボカビが野外で繁殖してしまえば、 日本の両生類が絶滅する可能性があるのですから・・・・。

 

手描き風のイラストが素朴なラウンド型のお弁当箱。


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2006年11月24日

ドブガイでため池浄化と真珠養殖

 兵庫県は加古川市を中心とする東播磨地域で、ドブガイを使ってため池を浄化、生態系を取戻し、 さらに真珠を育てるプロジェクトが26日からはじまるそうです。「いなみ野パールプロジェクト」というそうです。

 大阪道頓堀川では、同じようにイケチョウガイを使って真珠の養殖をしていますが、 こちらは元々地元に多かったドブガイを使う、という点にこだわりがあるようです。発案者の方も「イメージ先行」 と言われていますが、機械設備で浄化しよう、というよりは確かに好印象な取組みだと思います。

 かなり昔ですが、探偵ナイトスクープで林先生(今では顧問ですが昔はゲテモノ・ 料理ネタと言えば林先生)がドブガイを料理したことがあったような・・・・おいしく調理できたかどうかは忘れましたが、 真珠を育てて、さらにドブガイ料理を地元名物に育てるとか(^^;

 地元の方、東播磨のため池に思い入れのある方は参加してみては。

こんなサイトがありました。
いなみ野ため池ミュージアム

 

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2006年11月06日

フェロシルト投棄で石原産業関係者を逮捕

 産業廃棄物フェロシルトを、無害として、造成地の埋め戻し材として大量に使用させた事件で、 石原産業の元副工場長など4名が逮捕されたとのこと。

 石原産業は、酸化チタンの製造では国内最大手で、世界有数の企業だそうです。しかしながら、 過去はかつての四日市ぜんそくの被告企業の一つであったり、廃硫酸を伊勢湾に垂流す事件を起している、ということなので、 環境汚染への関わりはフェロシルトにはじまったことではありません。

 このフェロシルトなるもの、 自社製品の酸化チタンを作る過程で発生する廃液を無害化したリサイクル品として売出したもの。 本当に無害なら良かったのですが、実際にフェロシルトを使用した土地では、 環境基準を上回る六価クロムなどが検出されている、という有害物質です。

 これにより、正規の産廃処理費を浮かせていたようですが、有害物質をばらまいても、経費節約がしたかった、 ということなんでしょうね。
 土壌汚染となると、周辺の地下水も影響を受けるだろうから、いつまでも放置しておくと、 汚染が拡大する可能性がありますね。後始末の費用は、節約した経費よりも遙かに大きいのでは?

 

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2006年10月17日

北と中国の環境汚染問題

 北朝鮮と中国の国境付近では、北朝鮮側からの有害物質により、中国側にも環境問題が発生しているらしいです。

 引用記事には河川の水質汚染、降灰などが書かれていますが、 30〜40年前の公害がひどかった頃の日本の状況に似ていますね。一度は通る道なのでしょうか。
 先日の核実験の影響も懸念されるとのことで、場合によっては放射能までまき散らそう、という勢いです。

 中国にしても、心ない隣国の所業に迷惑しているとはいえ、環境問題・公害問題に関しては両国とも五十歩百歩ですね。 中国国内でも同様な問題を抱えています。

(関連記事)
中国の環境汚染
中国の砂漠化進行

 

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2006年09月28日

カリフォルニア州で温室効果ガス制限法案が成立

 カリフォルニア州で、温室効果ガス排出量に上限枠を設ける法案が成立したそうです。 アメリカは連邦政府が地球温暖化対策に消極的ですが、州単位では対策に乗出しているところもある、ということですね。

 温暖化ガス排出の抑制、という点からは最大の排出国であるアメリカが腰を上げることによって、 かなりの効果が期待できます。ブッシュはその気がなくても、カリフォルニアのように独自に対策をする州が増えていけば、 実効性を期待できるようになります。 「期待できる」というのは実際に削減目標が達成できるかどうかはまた別だから、です。

 法案成立は、再選を狙っているというシュワルツェネッガー知事の選挙対策の一環なのかもしれませんが、 新法自体は悪い話ではありません。

 他の州でも同様な法案の成立が相次げば、そのうち合衆国として動くことになるか、どうか。

 

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2006年09月26日

徳山ダムの試験湛水がはじまる

 日本最大の貯水量となる徳山ダムの試験湛水が昨日25日からはじまったそうです。貯水がはじまると、 貯水量は浜名湖の2倍、面積は諏訪湖よりも大きい、という巨大なダム湖ができます。

 構想から半世紀が過ぎて湛水がはじまりましたが、発電や水道水の需要が当初に比べると大幅に少なくなり、 治水のみのダムとしてスタートせざるを得ない状況です。

 

 私も、かなり昔の話ではありますが、徳山ダムに関連した仕事を少ししたことがあります。当時、 廃村になった後の徳山村を訪れましたが、揖斐川の近くに集落があり、小学校などが廃墟として残っていて、 寂しい場所になっていました。集落自体が無人、という場所は、街中の一角が廃墟のようになっている、 といった情景とはまた違った寂しさがありました。

 その頃は「ここが水没して、あの山の中腹まで水面が来るなんて、ものすごいスケールの湖ができるなあ、 信じられない」と想像しているだけでしたが、いよいよダム湖の現実化への歩みがはじまるとなると、複雑な思いがします。

 走り出したら止らない事業、ダムを造ること自体が目的になってしまった感のある事業ですが、 このまま税金の無駄遣いの代表で終ってしまうのか、それともいつの日か、有益な事業だったと評価される時が来るのか。

 

徳山ダム公式サイト
http://www.water.go.jp/chubu/tokuyama/index.html

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2006年09月22日

河川水質ワースト1は大和川

 全国の1級河川の水質調査結果が発表され、ワースト1は大和川だということです。 ちなみに1級河川というのは国土交通省が直接管理している河川のことです。1級だからと言って、偉いわけではありません。

 さて、大和川というと、 この手の調査ではワーストの常連ですね(^^; 同じ大阪近郊で猪名川の水質も良くないとのことですが、 これは知りませんでした。もう少しマシか、と思っていました。
 こういう不名誉なことは早く返上した方がいいのですが、都市部の川ではなかなか難しいことです。

 全体として河川の水質は改善傾向ということで、良い方向ではありますね。その昔、 公害問題で水質汚濁と言われていた頃よりは、現在の方が格段に良くなっているのは確かです。

 

国土交通省
平成17年全国一級河川の水質現況の公表について
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/05/050922_.html

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2006年09月01日

アスベスト健康被害を23年前に把握

 大阪泉南地域で、23年前にアスベストの健康被害が調査により把握され、指摘されていたそうです。 調査をした保健所は現在廃止されており、業務を引継いだ保健所には関連資料が保管されておらず、 また健康対策に使われたどうかは不明とのこと。

 調査で状況を把握していながら、20数年間も何をしていたのか、という点ですが・・・業界に遠慮したのか、 それとも黙殺か。調査結果は国内外の3つの学会で発表されたそうなので、 行政のごく一部のだけ情報が留まっていた可能性は低いと思われます。

 いずれにせよ、府県レベルでの情報把握なら、国まで報告が上がってきていない等の説明はいくらでもできそうですね。 行政としての責任範囲は認められても、例えば保健所単位や市町村、都道府県といった狭い範囲か。

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2006年08月31日

東京湾の水銀汚染

 30年以上前に使用されていた水銀系の農薬が土壌に残留、河川から海へと流出し、 現在も東京湾を汚染している可能性が高い、しかもそれは今後数十年続くらしい、ということです。健康被害に関する評価は、 今後の課題ということです。

 水銀系の農薬は1970年代に使用が禁止されたが、80年代以降、東京湾の堆積物中の水銀濃度は、 自然状態と考えられる濃度の5倍程度で変動がほとんどないらしい。
 ということは、長期間にわたり濃度を保てるほどの水銀が土壌に残留している、ということで、水質汚染もさることながら、 水銀の供給源となっている土壌汚染はより深刻な状態ではないだろうか。

 健康への影響については言及されていませんが、水銀、と聞くと思い出すのは水俣病。一般の関心事は、 まず健康への影響だと思いますが、速やかに評価を行うべきです。

 研究により明らかになったのは、過去に使用した有毒物質による汚染、とまさに「負の遺産」ですが、程度の差はあれ、 同じ事例は東京湾に限らないでしょうね・・・・

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2006年08月21日

風力発電が逆境に立たされつつある

 引用したasahi.comの記事は、風力発電に逆風、ということです。要するに電力会社が、 供給が不安定な風力発電の電力は買いたくない、ということでピンチだ、ということなんですねえ。

 環境問題も、結局は経済の仕組みが壁になる、ということですね。一般的には、 環境に配慮するとコストが高くなるから利用が進まない、ということが多いと思いますが、 この風力発電の場合は発電しても売ることが出来ない、ということなんですね。

 現在の経済の仕組みに適合させる、という努力も確かに必要だと思います。

 しかし、風力発電は安定して発電できない、ということは実用化する時点でわかっていた欠点だと思います。
ならば、安定して電力を供給できるように、例えば蓄電技術を開発するとか、 他の出力調整が出来る発電方法と組合わせて使うとか、または電力を売るだけではなく、 風力発電所近辺の電力を直接供給するとか(これは法律的に問題があるかもしれませんが)、 技術的に問題を改善する努力が必要だと思いますが、これらについては取組まれていなかったのでしょうか? それとも技術的に困難、あるいはコストがかかりすぎるのでしょうか?

 発電方法としてクリーンだ、ということで、日本の至る所で、 風力発電の巨大なプロペラが林立する風景もどうかと思うのですが、 電力会社による電気の買取り以外の利用方法も考えていかないとダメですね。

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posted by いさた at 13:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月03日

日中の環境問題での協力

 日中の5機関が、環境問題に対する対策で協力を進める覚書を結んだそうです。

 中国での黄砂の増大や、急激な大気汚染の進行、環境破壊などは、その規模の大きさから、 周辺の国にも影響を及します。日本の場合、いわゆる環境問題以外でもリスクを抱えています。例えば、 いろいろな生産の拠点を中国に移したところが多いですが、食品なら、中国での土壌や水の汚染が、 食品の安全性問題に直結します。

 中国自身が解決を図っていくのが本来かと思いますが、周辺への影響やリスクを考えると、 日本としても解決に協力していかざるを得ないでしょうね。さらには、日本と中国のみならず、韓国やベトナムなど、 中国の近隣諸国も一緒になって協力する必要があると思います。

 

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posted by いさた at 20:49 | Comment(0) | TrackBack(1) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月16日

中国の砂漠化進行

 今年の黄砂は、今までに無いほどの多さでしたが、中国内陸部の砂漠化が深刻な状況のようです。昨年一年間で、 1283平方キロが緑地から砂漠になったそうです。
 東京都の面積の半分以上、ということだそうですが、私になじみ深い地域だと、淡路島2個強、 または大阪府の約3分の2の面積です。

 砂漠化の原因は、引用記事にあるように温暖化の影響と思われるもの(気温の上昇など)の他に、 中国の経済発展に伴う急激な開発の進行、ということもあるようです。

 砂漠により近い、中国自身や朝鮮半島の方が、黄砂の被害は深刻なのでしょうが、日本も楽観してはおれません。 視界が悪くなる程度で済めばよいですが、黄砂が大気汚染物質を吸着していて、大陸から汚染物質を運んできている、 という研究もあるようで、黄砂由来の健康被害が出るようになってくると、まさに地球規模の環境問題になります。

 中国の脅威、です。

 

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posted by いさた at 18:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月07日

太平洋が酸性化

 YOMIURI ONLINEの記事によると、太平洋の海水が酸性化しているそうです。 大気中に増えた二酸化炭素を吸収した結果ではないか、ということです。
 引用記事でははっきりとしないですが、調査はおそらく公海上で行われていると思われるので、 陸地に近いところはもっと酸性化が進んでいる可能性が高いですね。
 また、広大な太平洋で酸性化が進んでいるということは、大西洋や地中海、東シナ海など、 他の海域でも同様なことが起きているのでしょう。

 『研究者らは、酸性化によって一部の生物の外骨格からカルシウムが溶け出すなど、生態系への影響を懸念している。』 のくだりは、例えばエビやカニの殻が溶けていく、ということでしょうか。恐ろしい事態です・・・・

 酸性化の原因が二酸化炭素の増加であれば、自然界はバランスを取るために海に吸収している、 というだけのことでしょう。
 しかし、原因をつくっている人間は、他の生き物を道連れに、自分の首を徐々に絞めていっているわけです・・・・ 絞まった首を緩めるには、チーム6%、どころかそれ以上の努力が必要ですね。

 この調査はアメリカで行われていますが、自分たちが世界最大のCO2排出国である、という自覚があるのでしょうか。

 

 

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2006年01月13日

中国の環境汚染

 中国の河川の汚染問題が、たびたび報じられてきましたが、今度は中国南部の湖南省を流れる長江の支流、 湘江の流域で、カドミウム汚染によると見られる、イタイイタイ病が発生しているようです。
 イタイイタイ病は全身の骨がもろくなる骨軟化症や、腎臓障害を引き起すそうで、全身56箇所(! )を骨折して死亡した住民もいるそうです。

asahi.com
イタイイタイ病、中国で発生か 河川のカドミウム汚染で 

 イタイイタイ病、といえばその昔、三大公害病の一つとして学校で習った記憶がある病気ですね。どうも、 現在の中国は、35〜50年前、日本が高度成長期だった頃の公害問題をそのままなぞっているような状況のようです。 そのうち、水俣病のような病気も発生するのでは・・・(もしくは発生しているが隠蔽されている?)

 歴史は繰返す、とはいえ、環境汚染について、他の国々の先例がたくさんあるのだから、 もう少し何らかの対策はできなかったのでしょうか。広大な中国の国土で環境汚染が進めば、黄砂が飛んできたり、 海でつながっている日本にも環境に対してなんらかの影響が出てくる可能性は高いのでは。

 このような報道があると、とりあえずは、中国産の野菜や穀物など、食べるのが恐ろしくなります。 (汚染問題は中国に限らないのでしょうが・・・)
 でも、産地偽装されていたり、外食ではどこ産のものが入っているかわからない状態では、 半ばあきらめるしかないでしょうか。

posted by いさた at 13:08 | Comment(5) | TrackBack(3) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月27日

愛・地球博 閉幕

 9/25で、愛・地球博が閉幕になったそうです。約2200万人と、予想を上回る動員数だったそうで、盛況のうちに終って、 良かった、良かった、という感じです。
 私自身は、人混みの中が好きではないのと、 今回の万博自体にあまり関心が無かったので(テーマと万博というスタイルがマッチしていないように思いました)、 結局足を運ぶことはありませんでした。

 私が興味をひかれるのは、万博よりも、むしろその会場の後始末の方法ですね。テーマからして、 使えるものをリサイクルして再利用するとか、自然に還す、といったことは当り前でしょうし、どのような工夫をして後始末をするのか、 なかなかの見ものではないでしょうか。お祭りは終ったので、廃材を最終処分場や埋立て地に廃棄して、ハイおしまい、というのは寂しいですね。

 会場の跡地は、一部施設を残して公園とするようですが、それとは違って、完全に施設を撤去してしまって、元の森の再生に取組む、 というアプローチもあるのではないでしょうか。非常に難しいことだとは思いますが。
 数年後、また数十年後に、会場の周辺はどんな姿になっているのでしょうね。

posted by いさた at 01:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月14日

調べるほどに次々見つかるアスベスト

調べれば調べるほど、至る所で使用が確認されているアスベストですが(これまで調べていないし規制も遅れがちだったため当然ですが)、 経産省のサイトで、家庭用品に含まれるアスベストについて調査した結果が公表されています。
http://www.meti.go.jp/press/20050912006/20050912006.html

建築物も、駅や学校などいろいろなところで使用が確認されています。最近は、大気汚染や水質汚濁など、「公害」 という言葉をあまり使わなくなっていると思いますが、アスベストは、新しい公害、といった感じになってきました。ただ、 健康への被害が短期間で出てくるわけでは無いようなので、実感としてわかりにくい感じですね。

アスベストに直接触れるような仕事はしていないにしても、これだけいろいろな所にアスベストが使われて来ていれば、これまでの人生で、 多少なりともどこかでは吸込んでいるでしょう。
ここで、アスベストを吸込みはしないか?中皮腫になるだろうか?というような心配をしていたら、 それこそ毎日が不安の固まりになってしまうので、開き直っているしかないのではないでしょうか。

 

これからの健康被害を防ぐため、現存するアスベスト使用建材などを撤去することは必要でしょうし、そのこと自体には賛成ですが、 撤去したアスベストはどう処理しているのか気になります。
燃やせるわけではないでしょうし、固めてどこかに保管か、それともどこかに埋めているのでしょうか?

将来、大地震が来て建物が倒壊した場合、これまで言われてきた災害対応に加えて、アスベストが舞っている可能性があるので、 できるだけホコリなどを吸込まないよう、対策をする必要があるかもしれませんね。地震でアスベストが飛散するケースは、 いつ起きるか予測がつかないので、実はこちらの方が恐ろしいのかもしれません。

posted by いさた at 17:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月27日

むき出しの石綿

JR新大阪駅で、40年以上、天井の梁の青石綿がむき出しのままなのだそうだ。

朝日系で大きく取上げているようだが、だんだんとヒステリックな報道になってきている
ようだ。まあ、JR西日本がらみということで、食いつきがさらに良かったのかもしれ
ない。
http://www.asahi.com/life/update/0726/007.html

確かにむき出しのままだと、石綿の繊維がほどけて、吸込む危険性は高くなるだろうが、
どれぐらいの量を、どれぐらいの期間かけて吸込むと、将来、中皮種になる可能性が出て
くるのか、知りたいところだ。

冷静に判断できないと、新大阪駅の利用者は、十数年したらみんな肺が悪くなる、と言う
ような認識になりかねない。
posted by いさた at 01:18 | Comment(0) | TrackBack(1) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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