2006年に東京は渋谷で起きた、妹殺害・遺体切断事件の被告に東京地裁が判決を出しました。 求刑の懲役17年に対して、懲役7年。
殺害に関しては責任能力を認め、有罪としたものの、その後の遺体切断時は、心神喪失状態であったとし、 無罪としたそうです。殺害についても、衝動的殺人であったといったことが酌量され、減刑されたようです。
産経ニュースで、公判のたびに詳しい記事が出ていましたが、 被告が自身の犯行を他人事のように語っていたのが印象に残っています。結果として、 精神障害であると認められることになりましたが、これが真実であるのか、それとも戦略の効果であったのか、 よくわかりませんね。
つまるところ、問題の原点は家族間のもめ事、歪みに還元されて、被害者が亡くなってしまった現在では、 本当のところはよくわからない状況です。
殺人と死体損壊に対する量刑としては、懲役7年は低い気がしますが、残った家族にとって、 この判決はどれぐらいの重みがあるのでしょうか。
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YOMIURI ONLINE
渋谷の妹殺害、兄に殺人罪で懲役7年判決…死体損壊は無罪
東京都渋谷区の自宅で2006年、妹(当時20歳)を殺害し遺体を切断したとして、 殺人と死体損壊罪に問われた元予備校生、武藤勇貴被告(23)の判決が27日、東京地裁であった。
公判では責任能力の有無が最大の争点となったが、秋葉康弘裁判長は 「殺害時には完全な責任能力があった」と述べ、懲役7年(求刑・懲役17年)を言い渡した。死体損壊については 「心神喪失状態にあった」として、無罪とした。
武藤被告は殺害などの事実関係は認めたが、弁護側は「責任能力はなかった」と無罪を主張。 精神鑑定が行われ、「殺害時は精神障害により責任能力が著しく低下し(心神耗弱)、遺体切断時は責任能力はなかった (心神喪失)」とする鑑定結果が示された。
判決は、精神鑑定について「鑑定の手法や判断方法に不合理なところはなく、十分に信頼できる」と指摘。 その上で、まず死体損壊時の責任能力について、鑑定結果を尊重し、 「精神障害により本来の人格とは別の人格状態に支配され、行動を制御する能力を欠いていた」として、 責任能力はなかったと判断した。
一方、死体損壊の数時間前の殺害時の責任能力については、<1>それまでの1か月間、 日常生活をトラブルなく送っていた<2>犯行後、父親に対し犯行発覚を防ぐ言動をとっていた――ことなどから、 「制御能力が低下していたことは否定できないが、責任能力が限定されるほどではない」とし、完全な責任能力を認めた。
量刑については、 両親に気付かれないまま精神障害に罹患(りかん)して行動制御能力が落ちていたことや、 被害者の挑発的な言動がきっかけとなった衝動的な犯行だったことなど、被告に有利な事情を考慮し、懲役7年とした。
武藤被告の主任弁護人は「控訴は被告や家族と相談して決めたい」と話した。
(2008年5月27日20時50分 読売新聞)
残された被告を守ろうとするところがありありですね。
しかし、いくら家庭内殺人であっても、凶悪犯罪の与える社会的影響は大きく、その裁判も然り。
それにしても、最近の裁判は精神障害ばかりでうんざりです。
刑法39条は、廃止せよ!
http://shadow99.blog116.fc2.com/blog-entry-658.html
>残された被告を守ろうとするところがありありですね。
家族の間では、被害者はどちらかといえば疎まれていたように感じますね。
>それにしても、最近の裁判は精神障害ばかりでうんざりです。
精神障害である、あるいはその傾向にある、といったケースが多いですね。
心を病む人が増えて、猟奇的な異常な犯罪が増えているのかも知れませんが・・・・