日本鯨類研究所が、調査捕鯨で獲った鯨肉を、捕鯨船の乗組員が無断で持出して横流ししている、 という疑惑があるようです。乗組員には、 数キロ程度の赤身とウネス(ベーコンの原料となる部分)を土産として配ることは認められているが、 それを越える量を持出している、ということらしいです。
この件は、グリーンピース・ジャパンが証拠品として、 乗組員が送った宅配便の荷物のうちの一つを押えて告発したそうですが、証拠品は、宅配便の営業所から勝手に持出して 「押えた」とのこと。
決まり事があって、捕鯨船の乗組員がそれを逸脱した行為を働いているのであれば、それは罪に問われて当然ですが(これはまだ「疑惑」段階のようです)、 告発するためとは言え、グリーンピース・ジャパンが証拠品を押えるためにとった行動は、 不法侵入や窃盗なのではないでしょうか?
グリーンピース・ジャパンは正当だと主張しているそうですが、権力を行使する当局にあたる組織であるわけでもなく、 果してNGOの行為として正当と言えるのか、私は疑問に思います。例えば、荷物を奪うのではなく、 ずっと追跡して最終的にどこに渡るのか記録する、という方法はとれなかったものでしょうかね。
また、この告発を(全体的な)捕鯨禁止につなげたいのかもしれませんが、ちょっと王道・ 本筋からは外れたアプローチであるようにも思います。
私はグリーンピースに対して良いイメージは抱いていませんが、このような、さも注目を集めよう、 といった趣きの過激な活動を見ると、またイメージダウンしてしまうわけです。
asahi.com
鯨肉持ち出し疑惑、「証拠品」示す グリーンピース
2008年05月15日12時08分
日本の調査捕鯨で捕られた鯨肉を乗組員が無断で持ち出している疑惑について、環境NGO 「グリーンピース(GP)・ジャパン」が15日、東京都内で記者会見した。 船から配送されたという段ボール箱に入った塩漬けの肉を「証拠品」として示し、疑惑解明や調査捕鯨の見直しを訴えた。 同日午後、乗組員ら12人を業務上横領の疑いで東京地検に告発する。
GPによると、箱に入っていた鯨肉はベーコンの原料になるウネスと呼ばれる部分で23.5キロ。 市価で11万〜35万円相当という。星川淳事務局長は会見で、「調査捕鯨には税金も使われている。 日本の信頼にかかわる問題で、政府は徹底して真相解明する必要がある」と話した。また、水産庁に対し、 調査捕鯨を実施している財団法人日本鯨類研究所などの調査捕鯨許可を停止するよう求める文書を送ったという。
GPが確認した箱は、4月15日に東京に帰港した船から降ろされた荷物の一部。GPは調査捕鯨船・ 日新丸の元乗組員から「乗組員が鯨肉を私的に持ち帰っている」との情報提供を受けて調査しており、同日、 船から出された荷物を積んだ運送会社のトラックを追跡。配送所などで「塩物」 などと書かれた伝票と乗組員の名簿を照合し、12人の名前を47箱で確認。うち1箱を無断で持ち帰ったという。
一方、日本鯨類研究所は、乗組員に赤身とウネスを数キロずつ土産として配ることは認めているが、 「乗組員が何十キロものウネスを持ち出すことはまず無理だ」としている。
2008年05月16日12時28分
調査捕鯨でとられた鯨肉の一部を乗組員が無断で持ち出したとされる疑惑で、環境NGO 「グリーンピース・ジャパン」が15日の記者会見の際に宅配便で送られたとされる鯨肉を示したことについて、西濃運輸 (本社・岐阜県大垣市)が「宅配便の段ボール箱1個がなくなった」として、 青森県警青森署に遺失物届を出したことが16日わかった。
同社によると、4月15日、東京・大井埠頭から日新丸の船員が段ボール箱4個(計80キログラム) の荷物を北海道函館市の個人宅あてに出荷。荷物は東京からトラックで運ばれ、翌16日朝、 青森市の同社青森支店に到着した。
段ボールは支店の配送品置き場に置かれていたが、同日午後3時ごろ、 函館行きのトラックに積み替えの際、担当者が4個のうち1個が見あたらないことに気づいたという。 同社はグリーンピースが会見で示した箱は、この1個の可能性が高いとみている。
グリーンピースは、青森市の西濃運輸支店から箱を無断で取ってきたことを認め、 「箱を開いて鯨肉を確認し、犯罪行為を確認した以上、元に戻すことは犯罪行為を助けることになる。 私たちとしては正しいやり方だったと考えている」と話している。
以前から、こういう宗教じみた連中には共感できずにいましたが、ホント、なんでもありなのか?という、この狂信的な状況は、早めにこの組織を撲滅した方が人間社会のためではないか?という想いすら抱いてしまいます。
こういうのを、「独善的」というのでしょうね。
困った連中です。