昨日のTVニュースで知りましたが、中国では、手抜き工事のことを「おから工事」と表現するようですね。 中国語だと「豆腐渣工程」だったか?「手抜き」の脆さ・いい加減さの比喩として言い得て妙だなぁ、 と変なところで感心してしまいました。
ニュースの本題は、四川大地震の被害の大きさは、その「おから工事」にも一因がある、というものでした。 おから工事の原因は主に汚職で、要職にある者が使う建築物はしっかり造られるが、学校など、 民衆が使う公共施設にはおから工事が横行しているらしいです。
確かに、建物をしっかりと造っていれば、被害の拡大は防げた可能性はありますね。ただし、 震源近くでは震度7とか8とかの揺れだったのではないでしょうか? 中国の建築物の耐震設計がどのようなものか知らないのですが、震度7以上なら、 それ相応の被害は受けるのではないでしょうか。無事で済んだら、それは僥倖というべきでしょう。
日本の耐震基準で臨んでも、四川のような規模の直下型地震は設計上想定していないでしょうから、 震度7や8になると、どんな被害を受けるのか、本当のところはわからないでしょうね。設計上余力があり、 何とか持ちこたえる、というケースはあるでしょうが。
四川大地震の被害は、おから工事による人災という側面もありますが、それが全てではない、ということですね。 やはり、大半は激烈な地震の破壊力がもたらした被害と言えるものでしょう。
YOMIURI ONLINE
公共施設の手抜き「おから工事」横行、被害拡大の一因に
【北京=杉山祐之】中国・四川省地震では、各種建築の耐震性の低さに加え、 公共施設の手抜き工事も被害拡大の一因になったとみられる。
さらに、被災地の多くは山間部にあり、地滑りなどに巻き込まれた人も多数いる模様だ。 13日の新華社電によると、重大な被害が出ている四川省北川チャン族自治県の中心都市では、旧市街の80%、 新市街の60%の建築物が倒壊した。街全体が崩れたに等しい状況だ。
各地で学校の倒壊が相次いだことについては、インターネット掲示板を中心に、「おから(豆腐殻) 工事が原因だ」との声が上がっている。「おから工事」は、汚職などが原因で建築費を安くあげた手抜き工事のことだ。 多くの地方で、幹部が使用する建築の耐震性は厳格に守られるが、学校など民衆のための建築では手抜きが横行している。
(2008年5月13日13時14分 読売新聞)
先日の地震で何ともなかったというのは、意識して耐震設計をした結果なのか、それとも単に運が良かったのか、またはたまたま建物の耐力が高かったのか。
定かではありませんが、耐震設計の賜物なら、参考になることがあるかも知れませんね。