昨日の午後発生した、中国四川省を震源とする大地震では、かなり大きな被害が出ている模様です。 四川省には約300人の日本人が在留しているそうですが、この記事を書いている現在では、 在留邦人への被害は確認されていないようです。
死者が9000人を越えるとか、1万人を越えるとか情報が飛交っていますが、 まだまだ発生現場は混乱しているでしょうから、正確かどうかは判断できそうにありません。世界最大の人口を誇る国ですから、 被害者の数もそれなりに多いものになるのでしょう。
現地で被害に遭われた方々にはお見舞を申上げる、という気持ですが、その一方でこの地震は、 世界各国の批判を浴びる中国という国を、天が試しているのではないか、という感じも受けています。
被災地は騒乱のチベット自治区に近接する地域ですが、この災害にあたって、中国政府は適切に対応できるのか。 「自己完結的」に収拾できるならまだしも、技量不足であれば素直に海外の支援を受入れるべきでしょう。つい最近、 ミャンマー軍政の悪例を見ているはずです。
asahi.com
死者数9000人超える 四川大地震
2008年05月13日11時39分
【北京=琴寄辰男】中国中西部の四川省で12日起きた大規模な地震は被害が拡大し、 死者の数が9千人を超えた。新華社通信によると、13日午前7時(日本時間同8時)までに四川、甘粛、陝西、雲南、 山西、貴州、湖北の7省と重慶市で計9219人の死者が確認され、倒壊した家屋は50万棟余りに達した。 今なお多くの被災者が倒壊した建物などの下敷きになっており、死傷者はさらに増える可能性が高い。
中国民政省のまとめでは、四川省で8993人、甘粛省で132人、陝西省で85人、重慶市で8人、 雲南省で1人の死亡が確認された。地元当局によってさらに多くの死者が判明した地域もあり、新華社は 「1976年に河北省で起きた唐山地震以来、最悪の地震」としている。中国共産党は12日夜に政治局常務委員会を開き、 胡錦濤(フー・チンタオ)総書記(国家主席)は、党・政府が地震の救援活動を最優先とするよう指示した。 中国政府は被災地支援のため2億元(約30億円)の緊急支出を決めた。
ただ、四川省などで、アバ・チベット族チャン族自治州周辺を中心に道路など交通網が寸断されており、 救援活動は難航している。震源となった同自治州ブン川県(ブンはさんずいに文)では、少なくとも57人が死亡したが、 地震発生後約6万人の住民とまだ連絡が取れていない。 四川省では体に感じない揺れも含めて13日朝までに1千回以上の余震が観測された。
中国メディアによると、四川省では少なくとも10余りの学校、二つの化学工場、一つの病院が倒壊した。 綿陽市では死者が7395人に達した。同市内の北川チャン族自治県では建物の8割が倒壊。 同市安県でも約500人が死亡し、家屋の85%が倒壊した。
同省徳陽市では、市内の什●(●は方におおざと)で生徒81人を含む600人が死亡。 地元当局は生徒920人を含む約2300人が生き埋めになっているとみている。同じく徳陽市内の綿竹では、 12日夜時点で1千人以上が死亡し、さらに5千人が生き埋めになっている。綿竹・漢旺鎮の蒸気タービン工場では、 工場に付設された中学校の校舎が倒壊し、生徒ら少なくとも200人が生き埋めのままだ。
また、甘粛省隴南市では、40両編成の貨物列車が地震の影響で脱線し、 ガソリンを積んでいた13両から出火。900人余りが避難した。
YOMIURI ONLINE
四川省在住邦人300人のうち120人の無事確認…外務省
外務省海外邦人安全課によると、四川省には日系企業が約170社あり、 日本人が約300人在住している。
現地の総領事館などが企業や関係団体を通じて電話で連絡をとり、 13日朝までに約120人の無事が確認出来たという。けが人の情報はない。ただ、電話がかかりづらい地域が多く、 全員の無事確認には時間がかかる見通しだ。
日系企業の約8割の140社は成都市内に集中している。
神戸製鋼所子会社のコベルコ建機は、関連会社「成都神鋼建設機械」など3社が同市中心部にある。 12日の地震発生後に工場の操業を停止し、13日朝から機器の点検を始めた。 3社には日本人社員16人を含む計約1000人の従業員がいるが、家族を含め、全員の無事を確認した。水や電気などは、 通常通り使える状態だという。
一方、日立製作所によると、同市内の産業用電圧変換器機製造・販売の合弁会社「東方日立(成都) 電控設備有限公司」の本社や工場の建物の一部が損傷し、地震直後に従業員を自宅に帰したという。 約200人の現地従業員と、出向・出張中の日本人7人の無事は確認出来た。
イトーヨーカ堂は13日朝から、市内の総合スーパー3店舗の営業を通常通り開始した。 地震直後は商品の一部が陳列棚から落ちたため、営業を停止していた。日本人15人を含む全従業員は無事だった。
(2008年5月13日12時30分 読売新聞)