船場吉兆の菓子の消費期限偽装が明るみに出てから既に半年以上。昨日、客の食べ残しを再利用してまた客に出していたという、情けない仕事ぶりが報じられていました。
確かにそのまま捨てるには「もったいない」面はあります。残り物と承知して、従業員の賄いとしているのであれば、目くじらを立てて言うほどのことでもありませんが、いくら法に触れないとはいえ、使い回して客に出すというのはいただけません。客を裏切るような行為をしているような店は信用できませんし、「高級料亭」であるのならなおさらのこと。
これに関しては、5〜6年前からという説明でしたが、今日になって、実は20年以上前から行われていた、という別の情報が出てきています。これだけ続いていたらもはや「体質」と呼ぶ方がふさわしいかもしれませんね。「そのまま捨てるのはもったいないので、大事な食材を何とか甦らせたい一心で・・・」といった感じの言訳が思い浮びますが、この体質が真実であれば、いったいどのような釈明をするのでしょうか。
それにしても、引用記事にあった、刺身のワサビは客が箸をつけたものでも回収して「ワサビじょうゆ」に使っていた、というのは何とも言えませんね。うまく考えているとは思いますが・・・・
使い回しの常態化、しかもそれが「高級料亭」で行われていた、ということが情けなさに拍車をかけています。採算は上がったのかも知れませんが、一方で料理人としてのモラルや誇りは地に堕ち、精神的に大切なものが失われてしまっている気がしてなりません。
有名店でこの有様であれば、他にも同じような使い回しをしている飲食店があるのは間違いないでしょうね。疑い出すと切りがないことですが・・・・気が滅入ってきます(>_<)
YOMIURI ONLINE
牛肉の産地などを偽装したとして大阪府警が前役員らを不正競争防止法違反容疑で捜査している大阪市中央区の料亭・船場吉兆本店が、客が食べ残したアユの塩焼きなどの料理を別の客に使い回していたことがわかった。 湯木正徳・前社長(74)の指示で行われ、一連の偽装が発覚して休業した昨年11月まで続けられていたという。市保健所は2日、本店を立ち入り調査し、再発防止を指導した。 市保健所によると、使い回しをしていたのはアユの塩焼きのほか、ゴボウをウナギで包んだ八幡巻き、エビに魚のすり身を塗って蒸した「えびきす」、サケの焼き物、稚アユの素揚げ、刺し身の付け合わせに出していたゼラチン加工品など、少なくとも計6品。 客が手をつけなかった料理を焼き直したり、揚げ直したりして再利用しており、アユの塩焼きの場合は身をほぐし、白飯にまぜて提供。市の調査に対し、山中啓司料理長(取締役)は「客が急に増え、食材が足りなくなった時に使い回しをした」と説明したという。 前社長の「きれいな料理を捨てるのはもったいない」という指示で、5、6年前ぐらいから2週間に1回程度、再利用していたといい、2日夜、取材に応じた山中料理長は「深くおわびしたい。(1月22日の)営業再開後はやっていない。体調不良を訴えた客はいないと思う」と話した。 食品の再利用は、品質が保たれ、健康被害を及ぼす恐れがなければ、食品衛生法違反にはならないが、市保健所は「食品を扱う業者としてモラルに反する行為」としている。(2008年5月2日22時09分 読売新聞)
大阪市中央区の料亭・船場吉兆の本店が、食べ残した料理を使い回していた問題で、同社関係者が読売新聞の取材に対し、「使い回しは20年以上前から行われていた」と証言した。 魚や肉など複数の食材を含め、使い回しはほぼ毎日、行われていたという。 同店の山中啓司料理長(取締役)はこれまで、「5、6年ぐらい前から2週間に1回程度、アユの塩焼きなど6品を再利用していた」と説明していた。 同社関係者によると、使い回しは、1991年に法人化される前の「吉兆船場店」時代からで、客が手をつけずに回収された銀ダラやハモ、牛肉などの焼き物を再び調理して提供していたほか、折り詰め弁当に入れることもあったという。 また、刺し身に使うワサビは、客がはしを付けた場合も回収してしょうゆに混ぜ、「ワサビじょうゆ」として別の料理に使っていた。うな丼は電子レンジで温め直したうえで器を替え、石焼きにする魚介類、フルーツゼリーなどはそのまま別の客に出すこともあったという。 一方、山中料理長は取材に対し、「(20年前からは)ありえない。これまでに明らかにしたことがすべて」と否定している。(2008年5月3日23時33分 読売新聞)
この記事はBlogWriteにて書きました。
「吉兆」の名は一応高級料亭、美味い料理を食べさせるということで、内外にも認識は高い。
それが、食べ残しの使い回しをやっていたとは、言語道断。
日本の食文化の恥さらしです。
元社長の指示ということは、女将も承知の上でしょう。
これはタチが悪すぎる。もう店仕舞いすべきでしょうね。
http://shadow99.blog116.fc2.com/blog-entry-605.html
賞味期限の偽装をはじめ、今度は食べ残しの再利用。採算が上がれば何でも良いのでしょうか。
確かに、もう店じまいをするか、「吉兆」の名を店から外すべきでしょう。