海外での大手建設コンサルタントであるPCI(パシフィックコンサルタンツインターナショナル)の元社長ら4人が、 特別背任容疑で逮捕されました。自身が代表を務めていたグループ会社をトンネルして、1億2千万を私的に流用した、 というもの。
立件したのが上記の件、ということで、他にも以前から経費の水増し請求など、いろいろとやっていたようです。 まだ調べれば出てくることでしょう。
ちなみに、インターナショナルが無いパシフィックコンサルタンツ、 と言えば国内の建設コンサルタント業界の中でも屈指の大手。
さて、流用した金は、いったい総額いくらぐらいになるのでしょうかね。 昨日の報道ステーションで特集っぽくニュースが流れていましたが、 サラサラとインタビューに答えていた元役員のニュアンスからすると、数十億円規模なのでしょうか。 茨城県国保連合会で10億円着服、というのもありましたが、この額を軽く越えていそうです。
流用された元金は、ODAの国費であり、税金です。またしても無駄遣いが発覚したことになります。談合を始め、 無駄遣いや利権の問題など、
建設関連業界の暗い面が次々と明るみに出ています。いままでの枠組から出られない業者は厳しく淘汰される一面、 悪い慣習から決別して、業界が変るチャンスでもあると思います。一般からの信頼を得るためには、 これを好機として体質を変えてゆかないとダメですが・・・・
PCIで私的に流用された金はいったい何に使われたのか。 流用ができるような余裕のある受注額で請負えたのはなぜなのか。官側の関与は?近いところでは、 元防衛事務次官のケースが思い浮びますね。
東京地検特捜部の調べはどこまで深層に入り込んでゆくのでしょうか。
asahi.com
PCI元社長ら4人を特別背任容疑で逮捕 東京地検
2008年04月23日12時39分
東京地検特捜部は23日、海外での建設コンサルタント大手 「パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)」(東京都多摩市)の元社長荒木民生容疑者(71) ら4人を、中国での遺棄化学兵器処理事業をめぐって同社に国から支払われた費用のうち約1億2千万円を流用、 会社に損害を与えた特別背任容疑で逮捕した。
PCIは、これまでにも国際協力機構(JICA) に経費を水増し請求するなどの不透明な経理体質が明らかになっており、 巨額の国費が投入された化学兵器処理事業を同社側に独占的に受注させていた内閣府のチェック体制も問題となりそうだ。
ほかに逮捕されたのは、同じくPCI元社長の森田祥太(66)、前社長の多賀正義(62)、 グループ会社「パシフィックプログラムマネージメント(PPM)」元取締役の福田義隆(60)の3容疑者。
調べによると、荒木元社長は04年、PCIなどで構成されるグループの会社「遺棄化学兵器処理機構」 (東京都港区)が国から同事業を独占的に受注できたのは自分の影響力だったとして、PCI側に対し、 当時自ら社長をしていたPPMに仕事を発注するよう要求。これに応じた森田元社長らは、 仮装契約で約1億2千万円を水増ししてPPMに支払い、PCIに同額の損害を与えた疑い。
荒木元社長がかつて社長を務めていたPCIの持ち株会社が100%出資して設立された処理機構は、 04〜05年度にかけ、内閣府との随意契約の一部にあたる約3億円の事業をPCIなどの共同企業体に委託。しかし、 この事業はその後、内閣府に報告されないまま、PPMに約2億7千万円で再委託されていた。 それをPPMはさらに下請け4社に約1億5千万円で発注、約1億2千万円の利益を得たという。
荒木元社長はこれまでの特捜部の調べに対し、「グループ内の資金移動に過ぎない」 と容疑を否認していたという。
2008年04月24日15時00分
東京地検特捜部に特別背任容疑で逮捕された「パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI) 」(東京都多摩市)の元社長、荒木民生容疑者(71)が、 国発注の中国での遺棄化学兵器処理事業費から流用したとされる約1億2千万円の一部を、 長男の事業のトラブル処理に使っていたことが関係者の話でわかった。
特捜部もこの資金の流れを把握。個人的な使途にあてられていたことになり、 容疑を裏づける証拠として重視している模様だ。
調べによると、荒木元社長は04年、グループの会社「遺棄化学兵器処理機構」(東京都港区) が国から同事業を独占的に受注できたのは自分の影響力だったとして、PCI側に対し、 当時自ら社長をしていたグループ会社「パシフィックプログラムマネージメント(PPM)」(東京都千代田区) に仕事を発注するよう要求。これに応じたPCI元社長の森田祥太容疑者(66)=特別背任容疑で逮捕=らは、 仮装契約で約1億2千万円を水増ししてPPMに支払い、PCIに同額の損害を与えた疑いが持たれている。
関係者によると、この当時、荒木元社長の長男は、沖縄・石垣島のホテル建設をめぐる事業に参画したが、 金銭的なトラブルを抱えていたという。荒木元社長らが流用したとされる約1億2千万円のうち約9千万円が、 都内の弁護士名義の口座に振り込まれていたことがわかっているが、資金の一部は、 長男のこの事業のトラブル処理にあてられるため、関係者に支払われたという。
特捜部は捜査で、この資金の流れを確認。約1億2千万円のうち使い道が不明の部分もあるため、 荒木元社長らに対する調べを進めている。
荒木元社長がかつて社長を務めていたPCIの持ち株会社が100% 出資して設立された遺棄化学兵器処理機構は、04〜05年度にかけ、 内閣府との随意契約の一部にあたる約3億円の事業をPCIなどの共同企業体に委託。しかし、この事業はその後、 内閣府に報告されないまま、PPMに約2億7千万円で再委託されていた。 それをPPMはさらに下請け4社に約1億5千万円で発注、約1億2千万円の利益を得たとされる。