NPO「日本入れ歯リサイクル協会」が、不要になった入歯をリサイクルして、 世界の恵まれない子供たちを救おうという活動をしているそうです。地域によっては、 役所などの公共施設に回収ボックスが置いてあるそうです。
入歯に使われている金や銀などの貴金属を取出して売却する、ということです。 携帯電話等の精密機器に使われているレアメタルを回収して再利用する、といったことと似ていますね。これも「都市鉱山」 の一種といえるかもしれません。
現在は、回収で得た利益は寄付金となり、福祉のために使われていますが、将来、 日本で使えるレアメタルや貴金属の枯渇が深刻になれば、入歯から回収した貴金属は、恵まれない子供たちの寄付ではなく、 商業利用にまわされることになるのかもしれません。日本の領海内で、相当規模の鉱床が見つかる、といったことがなければ、 資源を確保をしていくのは難しいように思います。
いよいよせっぱ詰ったら、家電リサイクル法よろしく、レアメタルや貴金属を使用しているものは、 とにかく再資源化して再利用することが法律で義務づけられるかもしれませんね。収益を得るどころではなくなってくるかも。
不要入れ歯を売った収益を、社会の福祉に使えている間はまだ幸せなのかも知れません。
NPO法人日本入れ歯リサイクル協会
http://ireba-recycle.com/
asahi.com
不用入れ歯を寄付してください 全国に回収ボックス
2008年04月20日21時42分
使わなくなった入れ歯をリサイクルし、飢えなどに苦しむ世界の子どもたちを救おうという、 埼玉県のNPO法人「日本入れ歯リサイクル協会」の活動が広がっている。 07年6月に千葉県鎌ケ谷市に設置されたのが始まりだ。収益金は、日本ユニセフ協会に寄付し、 飢餓や病気で苦しむ世界の恵まれない子どもたちに役立てられるほか、回収した自治体の社会福祉事業にも回される。
■三重
三重県玉城町は今月から、同町勝田の保健福祉会館に回収箱を設置した。入れ歯には金や銀、 プラチナなど高価な金属が多く使われていて、同町生活福祉課は「ごみとして捨てるのはもったいない。ぜひ協力を」 と呼びかけている。入れ歯には金、銀、パラジウムなど1個当たり平均で2500円相当の貴金属が使われ、 専門業者に精製を依頼し、資源として売却する。
回収箱は保健福祉会館の玄関に設置。高さ90センチ、幅30センチ、奥行き40センチ。 入れ歯本体だけでなく、歯のかぶせものや歯と歯をつなぐブリッジ部分にも貴金属が含まれているという。
不要になった入れ歯は、汚れを落とし、熱湯か除菌ができる入れ歯洗浄剤で消毒して、 回収箱に備え付けのビニール袋に入れ、箱に投入する。
同法人によると、県内では亀山市に次いで2番目という。 寄付金の総額は全国で計1400万円を超えている。
玉城町では、町内に6カ所ある歯科医院にも協力を依頼した。「古い入れ歯の処分に困っていた人も多く、 環境保護にも役立つ」と同町。
回収箱がない地域については、郵送でも受け付けている。洗浄後、 チラシなどの厚手の紙に包んでビニール袋に入れて、封筒に120円切手をはり、〒350・ 8799 川越郵便局留め 日本入れ歯リサイクル協会あて。問い合わせは同協会(0120・24・1083)へ。
■栃木
栃木県では1月の佐野市を皮切りに広がっている。那須烏山市が続いたほか、 日光市でも取り組む構えを見せている。ただ、運動のPRが浸透していないためか、まだ低調だ。
県内第1号は、1月21日から市内3カ所に回収ボックスを設置した佐野市社会福祉協議会。ただ、 約1カ月たった2月中旬にリサイクル協会の処理業者が入れ歯を回収に来たところ、寄託があったのは約60個。担当者は 「1人で何個も持ってきてくれるなど、運動に熱心な人や足利、宇都宮からの提供の問い合わせはあったが、いま一つ低調。 協議会だよりなどを使って再度広報する」と話す。
1月末にスタートした那須烏山市の社会福祉協議会も市内2カ所に設置。 ボックス内の回収作業はまだ行っていないが、「リサイクルの趣旨を説明すると理解してくれる人も多いだけに、 具体的な呼びかけ方法を検討したい」という。日光市も3月の定例市議会の一般質問を受けて、 新年度からの開設に向けて動き出している。
「その入れ歯捨てないで」を標語に運動しているリサイクル協会では 「インパクトが強いので協力してくれる人は多い。身につけた物だけに恥ずかしいとか愛着心があるなどで、 自宅の引き出しなどに眠っている不用入れ歯をどうしたら持ち出してもらえるかがカギ」という。各地の歯科医師会、 歯科技工士の会などへの協力呼びかけを検討しているという。
■大分
大分県は津久見市と日田市が不用になった入れ歯の寄付を呼びかけている。
種類によって異なるが、入れ歯一つで毛布なら8枚、10リットル貯水容器なら4個、 注射針なら250人分、マラリアなどから身を守る蚊帳なら4張り、鉛筆とノートなら60人分になるという。
日本入れ歯リサイクル協会によると、これまでに、 この取り組みに賛同した全国で44の自治体や社会福祉協議会、歯科医院などに、入れ歯の回収ボックスが設置された。 九州では、両市のほかに、福岡市や佐賀県神埼市が、入れ歯の再利用に協力している。
問い合わせは、津久見市健康推進課(0972・82・9523)か、日田市廃棄物対策課(0973・ 22・8208)へ。