岡山と香川を結び、初めて本州と四国を結んだ瀬戸大橋が、今日10日で開通20周年を迎えたとのこと。13日には、 5時間の間全面通行止めにし、記念イベントを行うそうです。
道路の採算性という面からは疑問が投げかけられる本四架橋ですが、やはりクルマで走って本州と四国を行き来できる、 というのは便利。それでも3ルートも必要か、という議論はあるでしょうが。
現在、高度経済成長期に作られた橋は老朽化が進み、一部では緊急の補修が必要になっているものもあります。 将来に渡って半永久的に使い続けることができる、と当時の知見をもとに築造したものの、理論どおりにはいっていません。 実物の耐久テストの結果、寿命にして40〜60年、といったところでしょうか。
20周年、というのは、寿命の折返し点に近いのでしょうか?瀬戸大橋ほどの長大な橋ともなれば、 通常よりはさらに注意深く設計や施工がなされ、もうすこし寿命は長いかも知れませんが、 100年耐久するのは難しいかもしれませんね。あるいは丁寧にメンテナンスをしていれば可能性はあるのでしょうか。
私が生きている間に、瀬戸大橋に寿命が来るのかどうかは不透明ですが、寿命が来た後、 これだけの規模の橋を架け替える、というのは、技術的には可能でも、財政的にはまずもって不可能でしょう。
使用可能なルートが3から1になるまで使い続ける、というのであれば、 ルート全体としての寿命はもっと長くなるでしょうが、今まで通れていたところが今後通れなくなる、 という不便さに耐えられるのかどうか、という人間の都合の問題が出てきますね。
そういうことをつらつら考えていると、これからは、 超長期にわたって構造物が安定した状態を保てるようなメンテナンス技術の開発が必要なのでしょうね。ただ、 理論どおりに効果を発揮するかどうかは疑わしい、コストはどれぐらいかかるのか、という問題がついてまわるでしょうが。
asahi.com
瀬戸大橋「成人式」 13日に通行止めで祝う
2008年04月10日11時46分
88年に本州と四国を初めて結んだ瀬戸大橋(海峡部9.4キロ)が10日、開通20年を迎えた。 総事業費3兆4千億円をかけて建設され、これまで9859万台の車両が通り、 1億8785万人がJR瀬戸大橋線を利用して瀬戸内を渡った。香川、岡山両県の実行委員会は13日、 開通後初めて大橋を5時間にわたって全面通行止めにしてイベントを催し、「夢の架け橋」の成人を祝う。
全面通行止めは13日午前8時から午後1時まで、瀬戸大橋(瀬戸中央自動車道)の児島―坂出のIC間。 香川側の橋上で健康マラソン(参加予定5千人)、岡山寄りでは健康ジョギング(同2千人)と健康ウオーク(同5千人) がある。
橋上でのイベントは開通5周年以来15年ぶりだが、 当時は香川から岡山側へ向かう上り車線だけを使ってマラソンなどをし、車両は下り車線で対面通行した。
今回も片側車線のみを使う案があったが、警察側が「脇見運転などの恐れがある」 と全面通行止めを提案し、道路を管理する本州四国連絡高速道路も了承した。実行委は今年に入り、チラシ15万枚、 ポスター5千枚をつくって一般ドライバーや関係業界に、神戸鳴門ルートやしまなみ海道への迂回(うかい)、 カーフェリーやJR瀬戸大橋線の利用を呼びかけてきた。
全面通行止めの影響を受けるのは高速バス。高松―広島線5便、高知―岡山線8便が運休し、松山― 岡山線4便はしまなみ海道へ迂回する。大橋の橋脚の島を結ぶ路線バスも運休になるが、 香川県は島民への説明会を開いて理解を得たという。急患の場合は救急車を走らせる。
バスツアーを運営する、両備バスフレンドツアー(岡山市)は、 大橋を通る4月13日のツアーを設定しないことを決め、3〜7月分のパンフレットを作った。担当者は 「瀬戸大橋さまさまの時代もあったし、地元の宝だから十数年に1回ぐらいは仕方ない。 でも片側通行ならバスを使ってイベントの応援もできたのに」と少し恨めしそう。
一方、運送会社が加盟する愛媛県トラック協会は「関東や京阪神へは明石海峡大橋、九州へは、 しまなみ海道やフェリーがある。四国の活性化につながるのなら協力したい」と歓迎する。佐川急便東京本部の広報部は 「本州―四国間の幹線輸送は深夜から早朝にかけて」と話し、影響は少ないとみている。