2008年03月31日

シースの品質試験結果を偽造

 シース管の品質試験結果が偽造され、実際には試験をされていないものや、一部の試験を省略したものが、 試験で問題が無かったものとして、実際に納入され、高速道路の橋の部材に使われていました、 という記事が朝日に出ていました。NEXCOが課す品質試験は項目が多く・細かく、試験の費用や時間がかかるということが、 製造側が偽造を行う一因となっているようであります。

 こういった件は、明るみに出ずに、関係者間だけの問題であれば・・・・・後日試験を実施して問題無し、となれば、 そのまま流されてしまったことでしょうが、広く報道されると、いろいろとコメントしなくてはならなくなりますね。

 試験結果をねつ造する方もする方ですが、発注者である旧道路公団と、現NEXCOも偽造の事実を見逃していました。 まぁ、そんなきっちりとチェックしていない、ということが見て取れます。

 

 さて、試験結果を偽造したり省略したのは事実ですが、では要求性能が満たされていないのか、というと、 そう言うわけでもないようです。試験を省略したケースでは、追試した結果はOKであったようです。 試験を行っていなかったものは、これから試験を行うことになるのでしょうか。

 技術的にはOKであっても、手続的にはNGであった、ということでしょう。品質は確保されていたが、 品質確保を明確にするための手続に問題があった、ということであって欲しいですね。

 

asahi.com
高速道資材、試験せず 大阪の業者、品質合格と偽る

2008年03月30日03時01分

 旧日本道路公団と民営化後の各高速道路会社が建設している高速道路の橋梁(きょうりょう)工事で、 コンクリートの強度を確保するために必要な資材「ポリエチレン製シース(保護管)」の品質試験報告書を、 大阪府内の資材会社が捏造(ねつぞう)していたことが朝日新聞社の調べで分かった。 実際には試験を行わずに架空の試験報告書を作成。05年以降、 第2東名など22カ所の橋工事で基準に合格したように偽って納入を続けていた。 橋の強度維持にかかわる資材で捏造が繰り返されていたことは、高速道路の安全への信頼を揺るがす事態と言えそうだ。

 西日本、中日本、東日本の各道路会社は「品質を証明する試験成績の改ざんは非常に遺憾。 事実関係を調査検討し、適切な措置を講じたい」と話す。その上で「シースは橋梁本体の構造部材ではない。 施工が適切にされたことを確認し、供用後の橋は定期的に点検している。安全性にただちに影響を及ぼすと考えていない」 としている。

 試験報告書を捏造したのは「エスティーエンジニアリング」(大阪府八尾市)。同社は 「費用など試験の負担が大きく、うそをついてしまった。性能に問題はないと考えているが、 品質への信頼を傷つける結果になり、申し訳ない」と捏造を認めている。

 シースは橋などのコンクリート構造物に採用されるプレストレスト・コンクリート(PC) 工法で使用する。発注元によって試験基準は異なる。旧日本道路公団は04年、メーカー側の意見も採り入れて基準を作成。 05年に民営化された各高速道路会社でも共通の基準となっている。

 エスティー社は自ら設計したシースをメーカーに委託して製造し、建設業者に販売している。 朝日新聞社が入手した報告書は、いずれも同社とメーカーの各社で05年に試験を実施したとし、 10項目ある試験基準の判定欄にはすべて「合格」と記載されていた。

 しかし、エスティー社によると報告書の記載はすべて虚偽で、実際には試験をしていなかった。 試験結果を捏造したシースは05年に大分県の東九州自動車道で初めて納入し、 今月まで05年の日付の報告書をつけて販売していた。試験報告書には、裏付け資料などの添付は義務づけられておらず、 発注元の各道路会社は捏造に気づかなかったという。

 橋の安全性についてエスティー社は、旧道路公団が基準を定める6年前に、 現行より要件が緩い別の基準で、公団に納めるものとは別の種類のシースで試験をしたことがあると説明。 国交省など旧道路公団以外では基準をクリアしているとして、「問題はないと考えている」と話している。

 PC工法は金属製の鋼線をコンクリートの中に通して固め、 鋼線の両端を機械で引っ張ってコンクリート全体に強度を与える。シースは鋼線を通す「さや」で、 PCに詳しい資材業者によると、品質に問題があるシースはコンクリートの重みでつぶれて鋼線をうまく通せなかったり、 コンクリートの耐久性に影響を与えたりする恐れがあるという。85年には英国で、鋼線が腐食して破断し、 橋が落下する事故が起きている。

     ◇

 〈プレストレスト・コンクリート(PC)〉  強い力で引っ張った鋼線をコンクリートの内部や外側に張り巡らせ、緊張させることで強度を増したコンクリート。 ひび割れに強く、鋼鉄の橋と比べてコストが安いなどの利点から高速道路や鉄道などの橋梁工事で幅広く採用されている。 鋼線を通すさやに当たるシースは、腐食などから鋼線を保護する役割もあり、コンクリートの強度を保つ要の資材の一つ。

 

高速道資材 最大手も手抜き試験 報告書2項目空欄

2008年03月31日03時00分

 高速道路橋の強度維持に必要な資材「ポリエチレン製シース(保護管)」の品質試験報告書が捏造 (ねつぞう)されていた問題で、シースのシェアが業界首位の「東拓工業」(大阪市) も試験項目の一部を除外して試験を行っていたことが30日、朝日新聞の調べで分かった。

 試験に問題のある製品の納入先は、旧日本道路公団と民営化後の東日本、中日本、 西日本の各高速道路会社にまたがり、製品は全国で23カ所の橋梁(きょうりょう)工事に使われている。

 朝日新聞が入手した試験報告書などによると、項目が抜け落ちていたのは、 直径が異なる5種類の規格の品質試験。いずれも05年1月に大阪府内の東拓工業の工場で実施したと届けていた。 報告書には除外された項目の試験結果が記載されていなかったが、旧公団や各高速道路会社も気づかないまま承認していた。

 試験報告書などによると、10ある試験項目のうち、 コンクリートとシースとの一体化の度合いを検査する「付着性試験」と、シースと鋼線とがこすれた際の損傷を調べる 「すり減り抵抗試験」の2項目が未実施で、報告書のこの2項目にかかわる欄は空欄だった。同社は 「シースの用途から判断して2項目の試験は必要性が薄いと考え、実施しないままにしてしまった」と言っている。

 試験報告書は、元請けの建設業者を経て旧公団や各高速道路会社に提出されたが、 旧公団側は空欄に気づかないまま承認していた。朝日新聞の取材を機に、 空欄に気づいた道路会社側の要請で東拓が2項目の追試を実施。品質に問題がないと確認したという。

 東拓工業は、東証1部上場の素材商社大手「長瀬産業」の連結子会社。 プラスチック管の国内大手で旧道路公団系の各社が採用しているポリエチレン製シースのシェアでも首位にある。 旧公団が04年に試験基準を定めた際、業界のとりまとめ役として基準案の作成でも中心的な役割を果たしていたという。

 この問題で東拓工業は「高速道路会社が立ち会って規定の試験を実施し、 品質に問題のないことを確認した」として謝罪。一方、高速道路3社は「東拓の試験データ不備は、 試験結果を提出した工事の請負会社や高速道路会社の確認不足。今後、再発しないように現場への徹底を図りたい」 と話している。

     ◇

 高速道の資材「ポリエチレン製シース」の試験報告書が捏造(ねつぞう)されていた問題に関連し、 東京の資材販売会社「ウエックスジャパン」は30日、山口県での西日本高速の橋梁(きょうりょう) 工事でシースの試験報告書を捏造していたことを明らかにした。同社は「製造元のメーカーから報告書を提出してもらえず、 納入手続きに追われる中で他社のデータを引用してしまった。深くおわびしたい」と言っている。

 同社によると、報告書に問題があったシースは、資材メーカー「大阪鋼弦器材」が製造し、中国・ 山陽自動車道山口ジャンクションの橋梁工事で使用された。大阪鋼弦器材は、 試験費用が賄えないなどの理由で旧公団基準での試験を実施していなかった。

 ウエックスジャパンから報告書の提出を求められた際にも、大阪鋼弦は「応じられない」と回答。 ウ社はやむなく、他のメーカーが愛知県の大学に委託して実施した試験データを引用し、元請け建設業者に提出したという。

 この問題で、大阪鋼弦器材は30日、「納入してはいけない製品と分かっていた。大変申し訳ない」 と謝罪した。

 

 

posted by いさた at 16:43 | Comment(0) | TrackBack(2) | 土木関連(技術) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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Tracked: 2009-01-05 10:20