2006年に、秋田県で連続児童殺害事件を起した畠山鈴香被告に、秋田地裁が判決を出しました。 求刑の死刑に対して、判決は無期懲役。殺人と責任能力は認められたものの、計画性は認められない、 とのことで死刑までには至らない、ということのようです。
鈴香被告がしたことを考えれば、死刑となっても全く不思議ではありませんが・・・・・ 逮捕されてからも自白がコロコロ変ったり、秋田県警の捜査のまずさも手伝って、結局十分に真相が分らないまま、 裁判に突入していった印象です。そんな状態では、罪一等減じられた判決でも仕方がないのかもしれません。この判決を受け、 検察側はどう動くか。
法廷で鈴香被告が、豪憲君のご両親に土下座して謝ったらしいです。極刑を逃れた後の謝罪では、 謝られた方もさらに印象が悪くなったかもしれません(いずれにせよ謝罪が受入れられるとは思えませんが)。
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畠山鈴香被告に無期懲役 連続児童殺害「計画性なし」
2008年03月19日11時24分
秋田県藤里町で06年に起きた連続児童殺害事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われた畠山鈴香被告(35) に対し、秋田地裁(藤井俊郎裁判長)は19日午前、無期懲役の判決を言い渡した。検察側は死刑を求刑していた。 判決は、 長女彩香さん(当時9)と2軒隣に住んでいた米山豪憲君(同7)のいずれについても殺意を認定したが、 計画性がなかったなどとして、死刑を選択しなかった。
●彩香さん事件
畠山被告が彩香さんを殺害した経緯について判決は、 入院していた父親の世話を任されて激しいストレスを感じていたことや、 彩香さんの存在が自らの就職の足かせになっていた事情を指摘。日頃から彩香さんをかわいいと思えず「疎ましさ」 を感じていたことも背景にあったと言及した。
「川で魚を見たい」と言った彩香さんを橋に連れていったものの魚が見えず、それでも「見たい」 と彩香さんが帰ろうとしなかったため急激にイライラし、「欄干の上に乗せて背中を押せば、 目の前から消えてくれるのでは」と考えて、とっさに犯行に及んだと認定。弁護側の 「欄干に上った彩香がこわがって抱きついてきた。反射的に振り払ったら川に落ちた」との主張は退け、 被告が捜査段階で殺意を認めた調書を信用できるとした。
●豪憲君事件
彩香さんは当初、「事故死」とされていたが、 その死に半狂乱となった母親の姿を見て被告は自らの記憶を抑え込み、事故ではなく事件と思いこむようになった。さらに、 見知らぬ子どもを狙って誘拐事件を起こせば警察が捜査をしてくれると考えるようになった。
自宅にいたところ、帰宅途中の豪憲君が歩いてくるのが目に入り、 「彩香はいないのに豪憲君はなんで元気なのか」といった切ない気持ちなどもわき上がって、「絶好の機会は今しかない」 と考えてとっさに豪憲君の殺害を決意したと認定した。
被告は豪憲君殺害の事実は認めており、弁護側が 「彩香さんを過って川に落下させたことでストレスを感じ、正常な判断能力を欠いていた」と主張していた。しかし、 判決は捜査と公判の両段階で実施された精神鑑定を踏まえて「責任能力があった」と判断した。
2008年03月19日11時57分
秋田県藤里町で06年に起きた連続児童殺害事件で、畠山鈴香被告(35)に対し秋田地裁は19日午前、 無期懲役の判決を言い渡した。
午前10時すぎの開廷直後、証言台の前に立った畠山被告に、藤井俊郎裁判長はまず主文から告げた。
「被告人を無期懲役に処する」
髪を横に束ね、黒いセーターに白いシャツ、ピンクのサンダル姿の被告は、 背筋を伸ばして前を向いたまま、身じろぎ一つせずに聞いた。
主文から判決理由の言い渡しに移り、裁判長に座るよう促されると、 力が抜けたように証言台のいすに腰を下ろし、藤井裁判長を見続けた。
一方、傍聴席2列目の豪憲君の父勝弘さんは主文が告げられると、ぶぜんとした表情に。 息子への殺意を認定する判決理由が読み上げられる間、目に涙をためまぶたを震わせていた。 隣の母真智子さんは白い縁の豪憲君の遺影をひざの上に抱き、小さなタオルを目に押し当てたまま、 うつむき加減にすすり泣いた。
約1時間半にわたる判決言い渡しが終わると、畠山被告は裁判長に消え入るような声で 「米山さんに謝罪したい」と訴え、傍聴席を向いた。「大事な子を奪ってしまい申し訳ありませんでした」。 その場でサンダルを脱いで豪憲君の両親に土下座し、10秒間ほど頭を下げ続けた。
勝弘さんはこの間、足を組んだまま目を閉じ、真智子さんは被告の方を見なかった。
双方控訴ということで、舞台は高裁へ。
土下座による謝罪も、演技性人格障害の現われとも思えます(笑)
地裁判決についてはいろいろ意見もあるようですが、まだまだ先は長い。。。
http://shadow99.blog116.fc2.com/blog-entry-509.html
検察側の控訴は当然だろうと思いますが、計画性を納得させなければダメでしょうね。
まだまだ時間がかかりそうですね。