2005年10月23日

マックス 17話 氷の美女

 第10話「少年DASH」以来の、コバ隊員にスポットがあたった作品。ストーリーは、割とストレートな内容で、 氷の美女ニーナの謎解きが最後に一気にあるのですが、完全には成されず、よりSFタッチな点は、個人的には好きです。

 ストーリーは、南極の10万年前の氷の中に眠る美女「ニーナ」が、調査のため、 DASH基地に運び込まれることからはじまります。ニーナの美しさに、鼻の下を伸している男性隊員たちですが、 特にコバ隊員は何か魅惑されているようです。ニーナが収められている、-50度のカプセルのガラス部分にふれて、 指先にヤケド(凍傷?)をしてしまいます。
 ニーナの遺伝子は、今の人類とほとんど同じらしい。またエリーの話によると、10万年前と言えば、 人類はその祖先がアフリカで誕生したばかりで、ニーナの存在は大発見らしい。ニーナは一体何者なのか?

 その頃、南極海を北上する怪獣エラーガが現れるが、UDFオーストラリア支部の攻撃によって、 いったんは撃退に成功したかと思われます。が、実は怪獣は地中に潜り、北上を続けていました。オーストラリア支部、 と言うのが出てきましたが、他のUDF支部の部隊の描写は初めてではないでしょうか。
 改めて、パプアニューギニアの方へ出撃するDASH。地中から、海中へ出てきたエラーガに攻撃し、 あと一歩だったのですが、突然コバ隊員の脳裏にニーナの顔がよぎり、とどめの攻撃に失敗。 エラーガは地中に逃れてしまいます。

 基地に戻り、失敗を後悔するコバ隊員。その時、ニーナに呼ばれた気がして、カプセルの前に言ってみると、 なんとニーナが生きかえり、ゆっくりとコバ隊員に近づいていきます。カプセルの中では、ニーナは顔しか見えず、 また生きかえったシーンのカメラアングルでも、これはもしかしてヌード状態なのか?と思いましたが、 やはり子供番組だからでしょう、服はちゃんと着ていました(^^;
 ニーナにふれられたコバ隊員は、気を失って倒れてしまいます。ニーナは、 コバ隊員の遺伝子から人類のこれまでの歴史を読取り、ダッシュアルファを奪って、基地から脱出します。この後、 救護室に寝かされていたコバ隊員は、上半身裸でしたが、裸のニーナが、コバ隊員の制服を奪って脱出、 という演出でも良かったのでは。

 ニーナが脱出すると、相模湾にエラーガが出現。ニーナが南極から呼寄せていたのです。DASHが攻撃し、 一度は倒しかけますが、何故かパワーアップして復活。いったいどうなっているのか。
 場所は変って、ダッシュドゥカ(初登場?)で、脱出したニーナの元に駆けつけたコバ隊員。なぜか制服ではなく、 革ジャンを着ています。ニーナに向けてダッシュライザーを構えます。

 ニーナは言いました。「この美しい地球をおまえたち人類に任せたのは失敗だった。 10万年前にモノを考える力と造る力を与えたが、その力を破壊や殺し合いばかりに使っている」
ニーナはやり直しのため、エラーガに力を与えて、人類を滅ぼそうとしていました。ニーナは目的を明言していますが、 人類の滅亡や、やられてもニーナが力の源泉となってパワーアップするエラーガの設定は、 15話の完全生命体イフと重なるところがあり、こういう設定は放映順で損をしたところかと思います。
 これを聞かされても、コバ隊員はニーナを撃つことができません。ニーナにも見透かされていますが、恋心か、 それとも何らかのコントロールを受けているのか?

 さて、カイト隊員は、ダッシュバードから、ビルの屋上に逃げおくれた子供を発見し(ちょっと強引だなあ)、 ダッシュバードを降りて子供の救出に向います。子供を先に逃して、自分はマックスに変身。
 ニーナの力で、ダメージを受けず、パワーアップするエラーガにマックスは苦戦します。ただ、見ていて、 エラーガがあまり強そうに感じないところが残念でした。エラーガのデザイン的な影響か、それともイフの印象が強すぎたのか?

 また場面は変って、ニーナとコバ隊員。ついに、コバ隊員はニーナを撃ち、倒します。 もうパワーアップすることのないエラーガは、マックスギャラクシーであっさりと倒されてしまいました。
 ニーナは最期に、コバ隊員に微笑みながら、消滅します。微笑みの意味は何だったのか。今の人類への希望が感じられたのか、 それとも人類を滅ぼすことは本意ではなく、自分を止めてくれたコバ隊員への感謝なのか。

 ラスト、ニーナはエイリアンだった可能性が高い、と語られますが、多くの謎は残ったままです。 ニーナはいったい何だったのか、また人類の本当の出自はどうなっているのか。こういうところは、私は好きです。
「俺たちは失敗作なのか?」と問いかけるコバ隊員に、「何度でもやり直せばいい」と応えるカイト隊員ですが、 やや中途半端な応え方に感じました。
 メッセージとしては、やり直せばいい、というのは前向きな姿勢ではあると思います。しかし、私は、例えば、 改善していく努力を失わなければ失敗作ではない、という風な、質問を否定する応え方の方が、 よりしっくり来るのではないかと思います。今の時代には、あまりそぐわないのかな?

 前の2話がインパクトのある作品だったため、放送順で損をした話かもしれません。もう数話後であったなら、 また違った印象を受けたかもしれませんね。



カテゴリ・ウルトラマンマックス 


本編以外の記事
ウルトラマンマックス全体感想
マックス23・24話[予告編]
マックス21話[予告編]
マックス19話[予告編]
マックス13話[予告編]
ギャラクシーとゼノン
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本編レビュー
40話 スペシャル・フィナーレ ←全怪獣・宇宙人登場の総集編
39話 つかみとれ!未来 ←未来は明るかった!
38話 地上壊滅の序曲 ←ミズキ隊員、殉職?
37話 星座泥棒 ←ロマンティックな佳作。設定はちょっとつらいが
36話 イジゲンセカイ ←シャマー星人の逆襲。再利用色強し・・・
35話 M32星雲のアダムとイブ ←怪獣を殺してばかりでいいの?
34話 ようこそ!地球へ(後編) ←バルタン星人たちに平和が訪れた?
33話 ようこそ!地球へ(前編) ←バルタン星人超巨大化
32話 エリー破壊指令 ←工作員再び。コバのガンアクションが冴える
31話 燃えつきろ!地球!! ←ギャグ+シリアスの快作。ダテ博士いいとこ取り
30話 勇気を胸に ←マックスに頼ってばかりでいいのか?
29話 怪獣はなぜ現れるのか ←ウルトラQ同窓会
28話 邪悪襲来 ←怪獣デザインコンテスト第1位が登場
27話 奪われたマックススパーク ←エレキング再登場、アクション編

26話 クリスマスのエリー ←クリスマス特別ファンタジー編
25話 遙かなる友人 ←心温まる一編
24話 狙われない街 ←セブン「狙われた街」の後日談 
23話 甦れ青春  ←原点回帰を感じる佳作。ダテ博士
22話 胡蝶の夢  ←実相寺監督作。賛否両論の問題作
21話 地底からの挑戦  ←ゴモラ登場、でも扱いがちょっとかわいそう
20話 怪獣漂流  ←交互に来るギャグ編
19話 扉より来たる者  ←サービスモード全開、オザキ博士
18話 アカルイセカイ  ←シャマー星人のキャラが強烈
17話 氷の美女  ←16話の次は順番が悪かった
16話 わたしはだあれ?  ←マックスギャグ編の最高峰
15話 第三番惑星の奇跡  ←マックスで一番の傑作ではないでしょうか
14話 恋するキングジョー  ←キングジョー登場

13話 ゼットンの娘  ←ゼットン、ゼノン、ギャラクシー。一つの山場か
12話 超音速の追撃  ←ちょっとギャグ編
11話 バラージの預言 ←アントラー登場
10話 少年DASH ← メタシサスのデザインは好きです
09話 龍の恋人  ← なかなか味わい深い佳作
08話 DASH壊滅!?  ←エイリアン風
07話 星の破壊者  ←イケメンです
06話 爆撃、5秒前!  ← レッドキングとピグモン登場
05話 出現、怪獣島!   ← レッドキングとピグモン登場
04話 無限の侵略者 
03話 勇士の証明 
02話 怪獣を飼う女 
01話 「ウルトラマンマックス誕生!」
※01話〜04話はブログ開設前なので記事無し。
posted by いさた at 07:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | ウルトラマンマックス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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