ガソリンの暫定税率の問題は、膠着状態に陥っているようです。かたくなに暫定税率を維持しようとする政府と、 対案無き民主党では、どうも問題の落しどころが定らないようで。そんな中、今日、冬柴国交相が、 高速道路は何が何でもあと1万4千キロ整備するんだ、といった趣旨の発言をしたそうです。
私の関わる仕事の量だけを考えると、道路特定財源を維持してもらった方がお得なのですが、 道路整備以外のもっと諸々なことを含めた日本社会の問題、あるいは地球の環境などを考えると、いつまでも道路、 道路と言っている時代では無いだろうと思います。
最近は、冬柴国交相が国会で答弁するシーンをよく見かけます。まじめに答えている印象がありますが、反面、
国交省の主張を頑なに守ろうとする感じで、あまり良い答弁とは言えないですね。剛球勝負ばかりで、変化球でかわしたり、
ボール球を投げて様子を見る、といったところが無いような。
これで仮に暫定税率を維持できたとしても、国交省や道路整備、
またそれに携る業界のイメージがますます悪化するだけのような気がします。
仕事が少なくなれば確かに困るのですが、破滅的状況の日本国財政状況では、 それ以前にまともに生活出来なくなる可能性もあります。私は、もっと大局的な視点で判断していただきたい、と思うのですが、 なかなかそうは行きません。
毎日.jp
冬柴国交相:高速道路1万4千キロ全部作る 衆院予算委で
冬柴鉄三国土交通相は14日の衆院予算委員会で、10年間で59兆円の道路を整備する 「道路整備の中期計画」について「1万4000キロ(の整備)は閣議決定などで決められている」などと述べ、計画で 「整備が必要」とされた高速道路網1万4000キロの全線開通を目指す考えを示した。
民主党の武正公一氏が、中期計画で整備する高速道路網の費用対効果分析について 「1万4000キロ全体の供用を前提にしているのか」と質問。冬柴氏は「その通りだ。1万4000キロは法律 (国土開発幹線自動車道建設法)や閣議決定、4全総(第4次全国総合開発計画)で決められており、取り消されていない。 費用対効果の(検証の)前提となるのは当然だ」と答えた。
中期計画をめぐっては、福田康夫首相が7日の予算委で「(未着工の) 各区間を整備するか否かは事前の事業評価で判断する」と答弁するなど、 政府は毎年度の予算査定で精査する考えを強調してきたが、冬柴氏の答弁は国交省の本音を吐露した形だ。武正氏は 「1万4000キロは何が何でも造るということだ」と批判した。【田中成之】
◇目立つ官僚の論理代弁 党内から批判も
衆院予算委の道路論議で、公明党の冬柴鉄三国土交通相が族議員や官僚顔負けの頑固な論理を繰り返し、 福田政権の対野党協調路線で突出ぶりが際立っている。公明党幹部も「役人の話を聞きすぎだ」と困惑を隠せない。
「まだ、この国には道路を整備しなければならないところがいっぱいある」。冬柴氏は8日、 地方6団体主催の道路財源確保を目指す大会で拍手を浴びた。衆院予算委員会でも、 1万4000キロ整備の方針堅持を強調。民主党の岡田克也副代表から「せっかく2代続いて公明党が国交相になったのに、 期待された役割を果たしていない」と皮肉られた。
冬柴氏の姿勢は党や支持母体の方針と温度差がある。創価学会には「暫定税率の延長は『道路族』 を守るためではないかと映る」との懸念があり、太田昭宏党代表や北側一雄幹事長は、 道路整備のあり方を見直す姿勢を打ち出して世論の理解を得たい考えが強い。
冬柴氏は「まじめで一生懸命。依頼者を守る弁護士」というのが定評。それがかえって、 閣内に入れば官僚を守ってしまう「融通の利かなさ」となって表れているようだ。 「閣僚は党を象徴する存在だけにイメージが大事だ。内閣改造があれば代わってほしい」(中堅)との嘆きも漏れている。 【西田進一郎】
毎日新聞 2008年2月14日 21時26分 (最終更新時間 2月14日 22時45分)