ここのところ、中国産有毒ギョウザの話題ばかり、という感じですが、今日になって別の殺虫剤成分「ジクロルボス」 を含んだギョウザが見つかったそうです。天洋食品製造で、見つかったのは福島県内のコープだとのこと。
兵庫・千葉とは異なる製造日で、見つかった時期も異なり昨年11月。しかし、 ジクロルボスを検出したのは今日のことだそうです。ジクロルボス自体は、日本でも入手は比較的しやすい殺虫剤だとのこと。
メタミドホスが見つかったというのも、様々に混入する薬物の氷山の一角か、と言った様相になってきました。現在は、 製造から流通に至るどの段階で混入したのか、 あるいは原料(野菜など食べるもの以外に包装紙なんかも含めて)の段階から混入していたのか不明ですが、 モノを安心して買えないのは確かです。
無味無臭無色な毒物なら、一消費者が対策をするのは難しいですが、色や臭い、 手触りなり何らかの特徴があるものなら、ある程度自衛は出来るかも知れません。とにかく、 怪しげな冷凍食品は買わないのが一番の対策か。
今回の一連の騒動は、コストが安いというだけで、生産拠点を中国に移した、 あるいは生産を委託したということへのしっぺ返しなのでしょうかね。こういうとき、 食糧自給が出来ていない国というのはツラいですね。
(関連記事)
中国産有毒ギョウザで中毒
中国産有毒ギョウザ パッケージに穴が見つかる
asahi.com
別の有機リン系農薬を検出 ギョーザ中毒
2008年02月05日21時44分
中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、日本生活協同組合連合会(東京都渋谷区)は5日、 福島県内で回収した同じメーカーの冷凍ギョーザから有機リン系農薬成分「ジクロルボス」を検出したと発表した。千葉、 兵庫両県の被害者が食べたギョーザから検出された「メタミドホス」とは別の成分で、 一連の回収商品から検出されたのは初めて。皮部分から110ppm検出されており、日本生協連は 「通常では考えられない高濃度」としている。
新たに薬物が検出されたのは、中毒事件で問題になっている中国・天洋食品製の「CO・ OP 手作り餃子(ギョーザ)」で、福島県の「コープあいづコープバリューぷらざ店」で11月10日に販売された商品。 これまで問題になっていたのが07年10月20日製造だったのに対し、今回のは07年6月3日製造だった。
商品は販売直後、においについて苦情が寄せられ、トルエンなどを検出。 今回の中毒事件の発覚後の今月4日、日本生協連の商品検査センターで再検査したところ、 ジクロルボスをギョーザ全体で10ppm、皮と中身を分けた検査では皮から110ppm、中身から0. 42ppmを検出した。健康被害は寄せられていないが、2個で体重50キロの人の1日の許容摂取量を超える濃度という。
国立医薬品食品衛生研究所によると、ジクロルボスの毒性はメタミドホスと同程度かやや弱いとされる。 農林水産省によると、農作物の残留農薬基準は、キャベツやニラ0.1ppm、小麦の胚芽(はいが)10ppmという。
日本生協連によると、販売直後の苦情は、自家用に購入した店職員からで、 「オイルのようなにおいがきつくて食べられない」。店頭在庫の同一製造日分を調べたところ、同じようなにおいを確認。 近くの店の商品も異臭がしたため、コープあいづは全店から商品を回収したという。
東北地方でほかにも同様の届け出があったため、商品輸入元「ジェイティフーズ」に詳細な調査・ 検査を要請。同11月20日、 ぷらざ店の回収商品からトルエンを主体にキシレンとベンゼンを検出したとの報告を受けていたという。
ジェイ社側は天洋食品の工場も調査。製造記録や同一製造日のサンプルを調べたが、異常は見つからず、 日本生協連は「トルエンなどは工場由来のものではない」と判断していたという。
この製造日の商品735ケース分は昨年6月8日に中国・天津の港を出港。 同15日に横浜港に陸揚げされた。川崎市の日本生協連物流センターから北海道を除く全国5エリアに搬送された。 東北エリアに入ったのは111ケースだった。
新たな検出について、日本生協連は5日、千葉県警に連絡した。
農水省農薬対策室によると、中国でも07年時点で、殺虫剤として、小麦、野菜、 果樹の栽培などに使用されているという。
〈ジクロルボス〉 急性毒性が強い有機リン系化合物。国内では57年に農薬に登録されており、 日本と中国でともに一般的に使用されている。中毒症状は嘔吐(おうと)、下痢、けいれんなど。 揮発性が高く速効性が高いことから、ゴキブリ、ハエ、蚊などの駆除に使われ、家庭用殺虫剤に含まれることもある。 毒物劇物取締法で劇物に指定されており、氏名、住所などを記載しないと購入できない。