「ガソリン国会」が今日21日から代表質問だそうです。民主党は、ガソリン税の暫定税率廃止から、 衆議院の解散を狙っているようです。暫定税率廃止で、ガソリンがリッター25円下がる、といえば庶民受けするし、 その勢いで選挙に勝利・政権奪取を夢見ているのでしょう。
しかし、暫定税率を廃止した後の政府の収支をどうするか、という具体案が提示できていません。
すでに破滅的な借金経営なのに、税収が減ったところをどうするのか。別なところから増収を図るのでも、
どこか歳出を削るのでも良いですが、とにかく具体的なところがわかりません。
このように対案を示せないありさまでは、仮に自民党から政権を取ったところで、有効な政策が実行できるとは思えません。
非常に不安がありますね。
一方、与党側は、暫定税率を止めれば、国際的に「環境に不熱心な国」という烙印を押されるなどと、 官房長官が発言をしている状態。日本の自主性は無いのか、と言いたくなるありさまです。結局、 国際的評価や国家100年の大計、なんていう言葉を唱えて、既得権益を防衛する姿勢が見え見えです。
環境云々というのであれば、例えばガソリンの暫定税率は廃止して、新たに環境税としてリッター20円を課税し、
税収は温暖化対策のために使う。税収不足分は、官僚機構の無駄を省いて吸収する、
という提案の方が良いのではないかと思いますね。落しどころとしても、5円減税、というのはそう悪くない気もしますが。
ただ、新たな税「環境税」に関する法律を成立させるような時間はまず無いだろうから、現実味は薄い・・・・
つまるところ、暫定税率は自民と民主の政争のために利用されて、実が成ることなく国会閉幕、 という事態になるような気がしています。こうも停滞した状況では、株価が下がり続けるのも仕方が無いかも知れませんね。
YOMIURI ONLINE
通常国会召集、首相が施政演説「消費者行政に新組織」
福田首相は18日午後、衆参両院の本会議で、就任後初の施政方針演説を行った。
演説で首相は、2008年を「生活者や消費者が主役となる社会」のスタートの年と位置づけ、 各省庁の消費者関連部署を統合した消費者行政を強化する組織の新設を表明した。
また、環境問題への対応として、「世界の先例となる『低炭素社会』への転換を進め、 国際社会を先導する」と決意を示し、先駆的な取り組みを進める10の「環境モデル都市」 を作るなどの新たな施策を説明した。
演説ではまず、参院で与野党が逆転している「ねじれ国会」への対応として、 「与野党が信頼関係のうえに立ってよく話し合い、国政を動かすことこそ政治の責任だ。 野党の意見も積極的に取り入れながら責任ある政治を遂行する」との基本姿勢を宣言。政権の五つの基本方針として、〈1〉 国民本位の行財政への転換〈2〉社会保障制度の確立と安全の確保〈3〉活力ある経済社会の構築〈4〉 平和協力国家日本の実現〈5〉低炭素社会への転換――を示した。
消費者行政では、「統一的・一元的に推進するための強い権限を持つ新組織を発足させる」と述べる。 また、消費者行政担当相を置く方針も示した。
今国会の焦点となる、揮発油税の暫定税率維持などを盛り込んだ租税特別措置法改正案に関しては、 「道路特定財源は現行の税率を維持する必要がある」と語り、今年度中に成立させる意欲を強調した。
年金記録漏れ問題では「国民にご迷惑をおかけしていることをおわびする」と謝罪し、 「私の内閣で解決するよう全力を尽くす」と約束した。
社会保障制度の見直しに関連し、消費税を含む税体系の抜本的改革を早期に実現する必要性を指摘。 「各党各会派が胸襟を開いてこの問題を話し合うことを強く望む」と野党に協議を呼びかけた。
また、「平和協力国家」としての役割を果たすため、「自衛隊の海外派遣に関する一般法(恒久法) の検討を進める」と表明した。
憲法改正にも言及し、「改正するとすればどのような内容かなど、 すべての政党の参加の下で幅広い合意を求めて議論が行われることを強く期待する」と述べ、 衆参両院の憲法審査会での議論を求めた。
(2008年1月18日14時29分 読売新聞)
町村官房長官は19日、千葉県市原市で開かれた自民党衆院議員の会合で講演し、 民主党などが求めている揮発油税の暫定税率廃止について、「ガソリンの値段を下げたら、日本は『環境問題に不熱心な国』 という烙印(らくいん)を押される。国際的な評価は取り返しがつかないものになる。税収が減れば、 国と地方自治体は一段と借金経営の度合いがひどくなる」と述べた。
自民党の古賀誠選挙対策委員長は19日の福岡県大牟田市での講演で 「国民に喜んでもらえるところだけを発信し、政治のあり方をゆがめる論議は許すべきではない」と民主党を批判した。
揮発油税の暫定税率維持を含む租税特別措置法改正案については「年度内に成立させなければならない。 今の生活だけを考えるのか、50年、100年先の街づくりを考えて議論するのかが問われる」と強調した。
(2008年1月19日23時54分 読売新聞)
国会は21日から3日間、衆参両院本会議で、福田首相の施政方針演説に対する各党の代表質問を行う。
与党は揮発油税の暫定税率維持を含む租税特別措置法改正案の年度内成立を訴えるのに対し、民主党は 「ガソリン値下げ国会」と位置づけ、暫定税率廃止を目指して、対決姿勢を強める構えだ。
衆院で質問に立つのは、自民党の伊吹幹事長、民主党の鳩山幹事長、公明党の太田代表ら。参院では、 自民党の尾辻参院議員会長、民主党の輿石東参院議員会長らが質問する。
論戦では、「ねじれ国会」における国政運営のあり方も取り上げられる見通しだ。 政府が年金記録漏れ問題で該当者不明の記録の照合期限を3月末としていることや、 株価下落や円高による景気減速も論点となりそうだ。
(2008年1月19日23時57分 読売新聞)
ご指摘のように、対案や、本当に減税した際の変わりになる財源を提示できない野党にも問題がないわけではないと思いますが、それにしても、この高村氏の発言は、それよりもよっぽど悪質で、結局既得権益を守ろうとする意志が見え見えです。既得権なんか、全てぶちこわして欲しいものですね。それくらい、庶民は苦労しているのですから・・・
福田内閣は「無難に乗切ろう」民主党は「政権奪取」という姿勢で、議論は本質に迫るところまでは達さない、という印象を持っています。
時限法の期限切れに関する攻防なんて、よどんだ時間が流れるだけのような気がします。
>tenjin95さん
自民党がダメなら民主党、と言えないのが不安です。政権運営が出来なければ、取って代ってもほとんど意味は無いです。
そう言った点では、先行きが非常に不透明です。
町村官房長官の発言は、どうも皮肉っぽく、下手をすれば詭弁のような言い方が多いですが、今回の発言で、暫定税率を世間の関心ある話題に結びつけている点は、思慮の跡が見えます。
ただ、これでは体の良い言訳でしか無いですよね。