2007年12月24日

医薬品による水質汚染が進行か

 厚生労働省の調査で、大都市圏の浄水場の水から少なくとも25種類の医薬品を検出、環境省の調査でも、 利根川や淀川で50〜60種類の医薬品を検出したそうです。

 抗生物質や抗アレルギー剤、胃腸薬、向精神薬などいろいろな薬が、ごくごく微量ながらも検出されているそうです。 今のところ、それぞれの薬の濃度は、大人が70年ぐらい飲み続けても問題ない程度で、緊急に対策が必要な濃度ではない、 という話です。様々な種類をあわせて飲続けたらどうなるか、というのはわからないようですね。

 また、生物の成長や増殖に対して医薬品が影響することがわかっているので、そちらの危険性と、 微生物が医薬品に対する耐性を獲得する可能性も問題視されるようです。

 

 これまでも、重金属や化学物質などによる水の汚染が言われていましたが、 医薬品の汚染も問題になってきているということですね。考えてみれば、これも化学物質の一つではあります。

 便利さを追求したところ、しっぺ返しを喰らいつつある、という感じですね・・・・長期的な影響や、 生物濃縮があるのか、と言ったことが気になります。気にはなるのですが、あまりに気にしてしまうと、 都市圏では生きていけないので、割切りも必要ですが。

 

 アメリカでは98年から、新薬が環境へ及す影響を義務づけている、とのことですが、 こりゃまた日本は後手後手にまわってしまっているのでしょうか。

 それとも環境省は知っていたけど、厚生労働省は知らなかった?もっと早い時期に調査できていたのでは? なんて言う疑念が出てきますね。

 医薬品の除去・分解技術は実用化へ向けた段階である、というのは気休め程度にはなるのでしょうかね。 医療機関の排水に問題があるのなら、浄水場だけでなく、大きな医療機関には、 工場のように浄化設備が必要なのかも知れません。

 

asahi.com
飲用水に医薬品残留 厚労省、7浄水場調査

2007年12月23日11時46分

 大都市圏の浄水場の水から少なくとも25種類の医薬品が検出され、 一部は飲用水にも残留していることが、厚生労働省の調査で分かった。環境省の研究班も、利根川、淀川で、 医薬品50〜60種類を確認した。研究者らは、飲用水への混入はごく微量で、人の健康に直ちに影響はないとしながら、 生態系への影響を懸念している。国内で飲用水への医薬品残留が明らかになるのは初めて。厚労省はさらに3年かけて、 詳しく調査する。

 医薬品は、人や家畜から下水を通して環境中に排泄(はいせつ)され、 医療機関の排水からも流出している。

 厚労省水道課や国立保健医療科学院などは06年2月と今年1月に、関東、関西地方の7浄水場の水で、 約60種類の医薬品成分を対象に残留の実態を調べた。この結果、各浄水場から、抗生物質、X線造影剤、 抗アレルギー剤など、あわせて25種類が検出された。浄水処理の過程で、残留濃度は下がったが、3浄水場では、 抗高脂血症剤、解熱鎮痛剤、抗てんかん剤の3種類が、飲用水にも残留していた。残留濃度は6〜30ppt (1pptは1兆分の1)で、単一なら、体重50キロの成人が70年飲み続けても、 健康への影響はまず心配ない値だった。ただ、大半が、欧州連合(EU) が環境への影響評価を義務付けている10pptを超えていた。

 厚労省は、現時点では「直ちに対応が必要な濃度ではない」(水道水質管理室)としている。だが、 国内で流通している医薬品成分は約2800種類あり、今後も3年計画で、医薬品の対象、時期、地域を広げて調べる。 国立保健医療科学院の国包(くにかね)章一水道工学部長は「人への急性毒性は心配ないが、長期的影響、 生態系への影響を解明する必要がある」という。

 一方、環境省の研究班(班長、田中宏明・京大教授)は05年から今年11月まで4回調査し、 利根川と淀川の下水処理場の放流水や支流から、胃腸薬、抗精神病薬などそれぞれ54種類と63種類の医薬品を検出。 最高で2000pptの濃度だった。

 これまでに、環境省研究班などの実験から、医薬品による環境汚染で、生物が成長、 増殖を阻害される危険性が確認されている。微生物が薬剤への抵抗力を獲得する可能性も指摘されている。

 米国は98年、EUも06年に新薬の開発や販売申請で、 環境への影響評価も行うことを指針で義務付けている。

 厚労省も、新薬開発で環境影響評価が必要か、検討を始める。 環境省は生態系への影響がないか調べるほか、国交省も河川などで残留の実態を調べる。すでに環境省の研究班は、 オゾンや紫外線を使い、浄水場で大半の医薬品を9割以上、除去、分解できる技術を開発しており、実用化に向け検証中だ。

 

posted by いさた at 00:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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