イギリスで、女性の同性愛カップルへ精子を提供した男性が、産まれた子供の養育費問題に巻込まれる、 という事態になっているそうです。同性愛カップルが別れ、子供の養育問題で、 法的には男性が父親として扱われるためだと言います。男性はそんなの無理、と訴訟に踏切るそうです。
イギリスでは、不妊治療などのために匿名で精子を提供した場合は父親にならず、 個人的に提供した場合は法的に父親として扱われる、ということのこと。精子提供時、カップルは男性に対して、 育児には責任を持たなくて良い、と言ったらしいですが、法的には通用しないということのようです。
同性愛カップルと、口約束でなく文書にして一種の契約にでもしていれば、養育費については免除される、 ということにはならなかったのでしょうかね。
養育費問題以前に、善意だろうとは言え他人に精子を提供することに関し、まずは倫理的問題があると思います。 判断は人それぞれでしょうが、私なら提供してくれ、なんていうことになっても絶対に話に乗りませんね・・・・この件では 「提供は計画的に」というのが教訓かも。
asahi.com
同性愛カップルへの精子提供者に「養育費払え」 英国
2007年12月05日11時57分
英国の同性愛の女性カップルが知り合いの男性から精子の提供を受け、人工授精で子供を2人つくった。 ところが、その後カップルが「離婚」。「父親」として子供の養育費を払わなければならなくなった男性が、 「父親とみなさないで」と訴訟を起こそうとしている。
3日付のイブニング・スタンダード紙などによると、精子を提供したのはロンドンに住む消防士(37)。 5年前にカップルから頼まれたときは、育児やその費用には責任を持たなくていいと言われた。ところが、 カップルが別れて養育費問題が浮上すると、雇用・年金省から「あなたが父親だから」と月約450ポンド(約10万円) を出すよう求められたという。
精子提供後に別の女性と結婚した消防士は「こんなに払わされては、自分たち夫婦の子供が持てない」 として訴訟に踏み切ることにした。
英国では、不妊治療などのために認可された病院を通して匿名で精子が提供された場合は、 提供者を父親とはみなさない。しかし、個人的に提供すれば、生物学上の父親が法的にも父親としての義務を負う。
英国はすでに、子供の養育についても同性カップルを男女の夫婦と同様に扱う法案を準備している。 そうした制度整備の必要性を改めて示す事例と言えそうだ。