2007年11月21日

諫早湾干拓事業が「失敗百選」に選ばれる

 昨日、主要な工事を終えたとして完工式が行われた諫早湾の干拓事業が、科学技術振興機構がまとめた「失敗百選」 に選ばれたとのこと。諫早湾干拓事業は、矢板が次々に落され、海が隔てられていくシーンが印象的ですね。

 この事業のため、日本でも最大級の干潟が失われました。大規模な環境破壊であり、漁業に深刻な影響が出ています。 長い時間が経てば、自然環境は干潟が無い状況で、あるバランスがとれた状態になると思われますが、 それが人間にとってどんな影響を及すのかどうかわかりません。ある程度は豊かな海が戻ってくるのか、 それとも死の海になってしまうのか。

 

 とはいっても、出来てしまった農地を放っておく訳にもいかず、食糧自給率がせめてでも高まるように、 うまく農業に利用しないといけないのが現実ですね。これもうまく行かなかったら、 本当に何のために干拓したのかわかりません。しかし、そのうち採算性がダメだ、とかいう話になって、結局土地が売られて、 宅地になって家が建並んだり、工場が誘致されたり、と言った事態になっているようにも思えますが・・・・・

 「一度決った公共事業は方針転換しない」象徴とも言うべき事業ですが、この失敗から学び、 同じ過ちを繰返さないようにしなければなりません。

JST失敗知識データベース
http://shippai.jst.go.jp/fkd/Search

 


asahi.com
諫早湾干拓、完工式 着工18年、「反対」続く中

2007年11月20日12時13分

 「動き出したら止まらない公共事業」の象徴とされた国営諫早湾干拓事業(長崎県諫早市) の主要工事が終わり、20日、干拓地や市内のホテルで完工式があった。86年の事業計画決定から21年、 ムツゴロウなど希少な生物が生息する干潟が失われ、 ノリ不作など有明海の異変との関連も指摘される総事業費2533億円の巨大事業は、「大きな環境破壊を招いた」 という批判のなかで節目を迎えた。

 式典には、農林水産省や県などの関係者約280人が参加した。一方、漁業者や市民団体のメンバーらは、 会場周辺で抗議行動をした。

 九州農政局によると、農地整備などの主要工事を終え、来年3月までに農道整備など残る工事も完了、 営農が始まる。

 干拓事業を巡っては、着工後に高級二枚貝のタイラギが激減。97年の潮受け堤防閉め切りで、 日本最大級の干潟が消滅した。00年冬には、ノリが色落ちするなどの漁業被害が相次ぎ、 今夏にも諫早市沖で養殖アサリが全滅した。

 こうした異変を受け、有識者による第三者委員会は01年、堤防の長期開門調査を提言。だが、 農水省は短期調査をしただけで、漁業者は今も長期調査を求めている。

 また、県農業振興公社による干拓農地の購入を巡り、費用を実質的に負担する県を相手に、 公金支出差し止めを求める住民訴訟も提訴され、12月に判決が言い渡される。

 

諫早湾干拓、「失敗百選」に 文科省の外郭団体選定

2007年11月20日17時04分

 国営諫早湾干拓事業(長崎)は、科学技術分野の歴史で重要な事故・失敗例として、 文部科学省の外郭団体の科学技術振興機構(JST)がまとめた「失敗百選」に選ばれている。

 JSTは、失敗から得られた知識や教訓を後世に生かすことを目的に「失敗知識データベース」を作成、 インターネットで公開している。失敗百選は、そのなかでも特に「典型的な失敗例」とされる。

 諫早については「ノリを始めとする漁獲高の減少など、水産業振興の大きな妨げにもなっている」 と干拓による漁業被害を挙げ、「走り出したら止まらない公共事業という国民的批判と不信を生み出した」と指摘。 諫早湾を分断した干拓堤防や調整池からの排水、干潟の消失などが原因と分析している。

 さらに、将来のための教訓として、「国はある時期に実施決定した公共事業であっても、 社会経済条件の変化について的確に再評価を行うべきである」とまとめた。

 こうした評価について、農水省諫早湾干拓事務所は「農業面や防災面では高い評価を受けている」 と反論する。

 諫早のほかに失敗百選入りしたのは、タイタニック号の沈没(1912年)、日航ジャンボ機墜落事故 (1985年)、スペースシャトル・コロンビア号の帰還失敗(2003年)など。

 JSTの前身は科学技術振興事業団。失敗知識データベースは、5人の大学教授でつくる推進委員会 (委員長=畑村洋太郎・東大名誉教授)が取り上げる事例を決定し、その指示を受けて専門の研究者らが執筆する。 1136件の概要や経過、原因、死傷者数、社会的影響などが記載され、昨年度は国内外から約450万回の閲覧があった。

 

posted by いさた at 13:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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