防衛省の守屋前事務次官の2回目の証人喚問が行われました。山田洋行の米津社長も参考人として呼ばれています。
尋常でない回数のゴルフ接待や、使った金額から見て、 山田洋行に有利な扱いがあったのは間違いないところでしょうね。防衛省事務方トップを接待漬け、天下り受入れ、 さらには政治家の接待と、山田洋行の裏の手回しは万全の体制、といったところだったのではないでしょうか。
ただ、こうも表沙汰になったら、例え偽証になろうとも「記憶にない」とか言ってとぼけておくしかなさそうですね。 山田洋行も、船場吉兆ではないが、組織的に関与はしていない、と言う他に無し、といったところでしょうか。
政治家の名前で久間氏、額賀氏と出てきましたが、こちらの追及にも入るのでしょうか。 病院に入ってとりあえず安全圏の久間氏はともかく、額賀氏はどう対応するのでしょう。 今は火消しに躍起になっているところでしょうか。
問題を追及する、といってもどことなく決め手に欠けていて、何やら手ぬるい感じです。
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守屋前次官、接待の席に「久間氏と額賀氏」 喚問で言及
2007年11月15日17時06分
防衛省の守屋武昌・前事務次官(63)の2度目となる証人喚問が15日午後、 参院外交防衛委員会で行われた。守屋前次官は、山田洋行元専務の宮崎元伸容疑者(69) の飲食接待の場に政治家が同席していたとされる問題で「久間(章生)先生と額賀(福志郎)先生じゃなかったかと思う」 と述べ、2人の防衛庁長官経験者の名前を挙げた。航空自衛隊の次期輸送機(CX) エンジンに関する装備審査会議の段階で、軍需専門商社「山田洋行」が米ゼネラル・ エレクトリックの代理店だったことについては「そのような記憶は一切ない」と述べ、当時、 認識があったのではないかとされる点を改めて否定した。退職金を返納する意向も明らかにした。
冒頭、北沢俊美委員長(民主)が、前回の喚問で、自ら議長を務めた03年8月の「装備審査会議」 の時点で、CXのエンジンに採用された米ゼネラル・エレクトリック社の代理店が山田洋行であることを知らなかった、 と証言をしたことについて、改めて「当時の認識としてそのような記憶は一切ございません」と答えた。
また、CXエンジンの選定をめぐって守屋前次官が「随意契約にならないのはおかしい」 と発言したかどうかを問われると、「そういう発言をしたことは記憶にない」と述べた。
前回の喚問で、山田洋行の接待の場に防衛庁長官経験者の政治家が同席していたと述べたことをめぐって、 委員長はその場での話の内容や名前を質問。守屋前次官は「宮崎元専務が同席したという前提で話しており、 元専務に確認しないで軽々に申し上げられない」と繰り返したが、その後、「久間先生と額賀先生ではなかったかと思う」 と明かした。
証人喚問は北沢委員長の冒頭質問の後に、犬塚直史、浅尾慶一郎(ともに民主)、山本一太(自民)、 浜田昌良(公明)、井上哲士(共産)、山内徳信(社民)の各委員が質問した。
前回の証人喚問で守屋前次官は、200回を超えるゴルフや飲食接待を受けたことは認めたが、 CXエンジン調達など装備品調達に絡む、宮崎元専務や山田洋行への見返りや口利きは一切否定した。
守屋前次官を巡っては、直属の部下だった現職課長との不自然な資金のやり取りも新たに浮上した。 守屋氏が課長に預けた金額は4千数百万円に上る。2人は「投資目的だった」と防衛省に説明しているが、 投資先などを明らかにしていない。
前次官の喚問に先立ち、15日午前9時半からは、 参院外交防衛委員会が山田洋行の米津佳彦社長を参考人として招致。米津社長は同社の社内調査で、 宮崎元専務による前次官らへのゴルフ接待が、昨年3月までの8年間で300回以上、 元専務らの分も含めた費用が1500万円以上にのぼることを明らかにした。
また、米津社長は、守屋前次官が衆院での喚問でゴルフの際に「毎回1万円を支払っていた」 と証言したことに関して「そのような経理処理は一切されていない」とも述べた。
このほか、守屋前次官の次女が山田洋行と関係が深い米国の大学院への留学を目指した際、 同社関係者が大学院側に口頭で「よろしくお願いします」と伝えたと述べた。次女が米国に行った際、 「宮崎元専務が学校まで案内したとか、日用品を買うのを手伝うことはあった」と説明した。また、質問に答え、 山田洋行が米国のアーミテージ元国務副長官が経営するコンサルタント会社と宮崎元専務の時代から契約していたことを明らかにした。
守屋前次官と宮崎元専務の関係については「社内ではかなり以前から相当親しい間柄と知られていた」 と述べた。一方、元専務による接待については会社の指示ではなく、元専務の独断だとした。裏金づくりについては 「全く存じ上げていない」と語った。
前次官に対する前回の衆院での喚問後、宮崎元専務や山田洋行米国法人元社長、 山田洋行管理部長の3人が業務上横領などの疑いで、東京地検特捜部に逮捕された。 特捜部は守屋前次官と宮崎元専務の贈収賄容疑の立件を視野に捜査を進めており、 防衛省職員らに対する一斉聴取に着手している。
2007年11月15日14時32分
「記憶にございません」。防衛省の守屋武昌・前事務次官(63) は15日の参院外交防衛委員会であった2度目の証人喚問で、具体的な疑惑を指摘されても詳細を述べることを避けた。 軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者(69)が業務上横領容疑などで8日に逮捕されてから1週間。 守屋氏は、慎重に言葉を選びながら答えた。また、渦中の山田洋行の米津佳彦社長(60)は午前の参考人招致で 「関与すべき立場になかった」などと、質問をかわした。
●守屋氏、詳述避ける
守屋前事務次官の2度目の証人喚問は、午後1時から始まった。
冒頭の委員長質疑では、宴席で同席した大臣経験者の名前をあげることを「軽々にはいえない」 などとして拒否していた守屋氏。その後の浅尾慶一郎委員(民主) に包み隠さず証言することを宣誓していることを指摘されたうえ、「『思う』でいいので」と再度、 政治家の名前をあげるよう求められると、席上で一呼吸置いて、苦渋の表情を浮かべながら「それでは、申し上げます」 と言って、久間章生元防衛相、額賀福志郎元防衛庁長官の名前を挙げた。
また、「私が在職中もそういう問題があり、国民のみなさんにご迷惑をかけた。 私が関与することはあってはならないこと」と話した。
●無言のまま、自宅を出る
守屋前次官は正午前、自宅玄関を出て、タクシーに乗り込んだ。2度目の証人喚問を控え、 東京都新宿区の住宅街にある前次官宅前には、朝から20人を超える報道陣が詰めかけたが、 前次官が口を開くことはなかった。
ゴルフ接待疑惑が大きく取り上げられたのが10月19日。 10日後の同29日には衆院テロ対策特別委員会で証人喚問が行われた。 11月8日には宮崎元専務らが山田洋行を舞台とした業務上横領容疑などで東京地検特捜部に逮捕され、 贈収賄容疑での立件を視野に捜査が進められているとされる。
衆院での証人喚問後、前次官は、自宅にこもったまま。時折、タクシーで外出するが、 報道陣の問いかけにも無言を貫いている。
●接待「宮崎氏の考えで」 山田洋行社長
守屋前次官の証人喚問に先立って、参考人として招致された米津社長が午前9時半から質問に答えた。 グレーのスーツ姿の米津社長は、何度かいすに座り直すなど、当初は落ち着かない様子。 宮崎元専務が東京地検特捜部に逮捕されたことについて「信頼を裏切る結果となり、心からおわびする」と陳謝した。
しかし、質疑には落ち着いて対応した。北沢委員長や大久保勉議員(民主)から、 装備品の水増し請求問題や、「売り上げ10億円で1人」とされるOBの天下りの受け入れ、 政治家への接待についてただされても、「当時は大阪支店におり、関与すべき立場になかった」「資料を(捜査当局に) 提出しており、詳しく分からない」などと、時に笑顔交じりでかわすなど明確な答えを避け続け、「あんた社長でしょ」と、 迫られる場面もあった。
宮崎元専務に対しては手厳しかった。防衛省の守屋前事務次官への接待については「(宮崎元専務が) 代表取締役として自分の考えでやったこと」と、突き放した。
守屋氏への過剰な接待疑惑が報じられて以降、米津社長が公の場に姿を見せたのは、今回が初めて。 米津社長は、宮崎元専務が退社した直後の06年7月から現職。