2007年10月09日

ブラウン管TVのリサイクルが困難に

 家電リサイクル法により、再利用が義務づけられているブラウン管テレビですが、 世界的にブラウン管への需要が少なくなっており、リサイクルしようにも需要が少ない、という状況に陥っているそうです。

 ブラウン管には鉛が使われており、再利用の用途がブラウン管の原料、というのが原因の一つでもあるようです。 ブラウン管以外へのリサイクルとなると、鉛が含まれたままでは用途が限られ、 かといって鉛を除去する技術も実用化されていないとのこと。国内のテレビは液晶やらプラズマやら、薄型が増えて、 今や国内ではブラウン管は生産しておらず、リサイクルするにしてもマレーシアや韓国などで処理をしている状況だとか。

 薄型テレビが既存のブラウン管TVを駆逐して行くにつれ、リサイクルするブラウン管は増えて行く一方、 でも再生品の使い道は無し、という状況に陥っていくと言うことでしょうか。
 ブラウン管TVの方が薄型TVよりも頑丈で傷にも強いので、小さい子供が暴れ回る家や場所では、 ブラウン管TVの方が向いていると思いますが、今の流れでは、やがてブラウン管自体が消えゆくことになるのかもしれません。

 

 環境省のお役人は、ブラウン管の新たな処理技術の開発や、国際的な再利用ルートの構築などを望んでいるようです。 現在は、コストの試算さえ憚られるような高コストをかければ鉛の除去も可能なようですが、 これが比較的低コストで除去できるようにならないと、再利用の用途は広がらないでしょうね。 そう都合良く短期間に技術開発が進むのか、という疑問もあります。
 また、ブラウン管の需要を将来的に確保するというのは難しいだろうし、 根本的な解決にはならないですね(再利用で作ったブラウン管も、いずれまた再利用しなければならなくなる)。

 ブラウン管の再利用処理が行き詰る前に、リサイクルよりも廃棄物処理の仕方を定める、 という方向性で家電リサイクル法の一部改正を考えた方が良いような気がします。

 

毎日jp
ブラウン管TV:地デジ移行で需要急減…リサイクル危機

 使用済みブラウン管テレビのリサイクルが危機に陥っている。 液晶やプラズマの台頭でブラウン管の需要が急減し、頼みの中国への輸出も難航している。 地上デジタル放送への移行でテレビの「脱ブラウン管」が進む中、このままでは行き場を失いかねない状況になっている。 【江口一】

 「とにかく中国が受け入れるよう、お願いするしかない」。電気硝子(がらす) 工業会の勝田忠男専務は現状を説明する。ブラウン管テレビは01年4月施行の家電リサイクル法により、総重量の55% 以上を再商品化する義務がある。重量の約6割はブラウン管で、その再利用が必須だ。細かく砕いて「精製カレット」にし、 それを原料に再びブラウン管を作る方法がとられてきた。

 問題はブラウン管テレビの需要が国内で激減していること。家電製品協会によると、 00年は国内で出荷されたテレビ(約1000万台)すべてがブラウン管だったが、05年には半数以上が液晶、 プラズマになり、10年にはブラウン管の出荷がゼロになる見通し。日本電気硝子、 旭硝子のブラウン管メーカー2社は昨年までに国内製造から撤退し、国内でのリサイクルは不可能になった。

 その後は両社のタイやマレーシアの工場にリサイクルを委託していたが、旭硝子は今年6月、 タイでの生産を中止。「日本電気硝子のマレーシアや韓国の工場で何とか処理している」(勝田さん)という。だが、 地デジに完全移行する11年にはブラウン管の処理量が現在の4倍以上の年間約27万トンになるとの予測もある。

 打開策として家電メーカーが目をつけたのが中国への輸出。 中国では11年でも約2000万台のブラウン管テレビの生産が見込まれる。しかし、 中国側のリサイクル設備が整っていないことや世界的にブラウン管離れが進み始めたこともあり、 同工業会などが昨秋から進めている中国側との輸出交渉は難航している。

     *

 一方、ブラウン管以外へのリサイクルには、ブラウン管が有害な鉛を約25% も含むことが大きな障害になっている。

 産業技術総合研究所の依田智・主任研究員(超臨界流体工学)らは、約280度、 100気圧の超臨界アルコール中でブラウン管のガラスを処理し、鉛を分離して無害化する手法を開発した。しかし、 処理速度が極端に遅く、「費用や投入エネルギーは恐ろしくて試算できない」(依田さん)ため、実用化できない。

 鉛を含んだままのリサイクルも、板、瓶、蛍光灯、食器、レンズ、セメントなどで検討したが、いずれも 「不可」。住宅の断熱材用ガラス繊維や廃バッテリーを再利用する際の原料などの用途は見つかったが、 05年度に必要なリサイクル量の約6分の1だった。

 環境省の西村淳・リサイクル推進室長は「ブラウン管の処理が困難になっていることは認識しているが、 再利用しやすい製品を作るのがメーカーの義務でもある。国境を越えた再利用制度の構築や技術開発の努力をしてほしい」 と話している。

毎日新聞 2007年10月9日 12時36分 (最終更新時間 10月9日 13時08分)

 

posted by いさた at 19:03 | Comment(0) | TrackBack(1) | 環境問題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人気ブログランキングへ 【当ブログや記事を評価していただける方へ】
最後までお読みいただきありがとうございます。m(_"_)m
上のバナーをクリックしていただけると励みになります。

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック

行き場失うブラウン管 リサイクルに難題
Excerpt: 行き場失うブラウン管 リサイクルに難題
Weblog: あじさい文庫だより
Tracked: 2011-05-08 21:36