現在軍政が敷かれており、大規模な反政府デモが行われているミャンマーで、 あろうことか治安部隊がデモ隊を弾圧しており、その混乱の中で日本人報道カメラマン長井健司さんが亡くなられました。 殉職というべきでしょうか。
デモの様子を撮影中に亡くなられていますが、ミャンマー兵により近距離から銃撃を受けたようでもあり、 真相の究明が必要です。日本政府は特使を派遣するとのこと。政府として制裁を行うかどうかはまだ見極め中とのことですが、 少なくともこの事件については即刻ミャンマーに抗議すべきでしょう。
傍目には、そんなに危険なところに行かなくてもと思いますが、危険の中に身を置いての取材、 というのはカメラマンという職業のサガの一つなのでしょうか。弾圧に至るような事態まで予測できなかったのかも知れません。 故人のご冥福をお祈りいたします。
大規模デモはミャンマー国内での出来事とはいえ、実力行使に出た軍政府の所業は国際的に非難を浴びていますし、 それは当然だと思います。仏教徒がほとんどを占める国で、僧侶がデモに加わった(先導している?)状況では、 内乱に発展する可能性があるのかも。情勢はまだ不透明ですが、早く実力行使が止むことを祈っています。
asahi.com
僧侶ら多数拘束か 死亡5人情報も ミャンマー情勢
2007年09月27日11時49分
ミャンマー(ビルマ)の最大都市ヤンゴンで26日にあった僧侶や市民による大規模な反政府デモで、 AP通信は同日夜、在外の反軍事政権派からの情報として、僧侶ら5人が死亡したと伝えた。軍政はデモへの実力行使後も、 一部の僧院を急襲して多数の僧侶を拘束した模様だ。ヤンゴンの街では治安部隊が27日朝も警戒を続け、 多くの子どもが登校を控えるなど緊張が続いている。
死傷者の数についてミャンマーの国営テレビは26日夜、男性1人が死亡し、男性2人、 女性1人の計3人が負傷したと伝えた。さらに、デモ隊が警告をきかず、 投石などもしたために制圧に踏み切らざるを得なかったなどとし、実力行使を正当化した。
また、ロイター通信によると、軍政は27日未明にヤンゴンの2カ所の僧院に治安部隊を派遣。 同通信は目撃者の話として、約200人の僧侶が連行されたと伝えた。同国北東部の複数の僧院でも、 多数の僧侶が拘束されたという。
民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんが率いる国民民主連盟(NLD) の幹部が拘束されたとの情報もある。
軍政は午後9時から午前5時までの夜間外出禁止令を出しており、 ヤンゴンの街は27日早朝にかけてひっそりと静まりかえった。朝になっても街に出る人の数はいつもより少なく、 多くの保護者が不測の事態を恐れて子どもの登校を控えているという。
2007年09月28日12時20分
ヤンゴンで27日、デモを取材中に死亡した長井健司さん(50)は、スーレー・ パゴダ付近で治安部隊がデモ隊に発砲した弾に当たり、死亡したとみられている。目撃者の一人は、 発砲の直後に市民が一斉に逃げまどう中で「カメラを持った男性1人だけが、ばったりと仰向けに倒れた」と語った。
発砲直後の現場写真を配信したロイター通信の東京支局は28日朝、朝日新聞の問い合わせに対し、 カメラを持って道路に倒れている男性について、「長井さんであることを確認した」と述べた。
一方、治安部隊に追われ、逃げまどうデモ参加者を撮影した現地映像では、 長井さんがビデオカメラを向けて取材中、それに気づいた兵士が至近距離から発砲したようにも見える。
2007年09月28日15時09分
ミャンマー(ビルマ)で反軍事政権のデモ取材中に、カメラマン長井健司さん(50) が銃撃され死亡した事件で、日本政府は現地に特使を派遣して真相究明に乗り出した。今回の事態を受け、 対ミャンマー関係について何らかの措置を検討している。 米国や東南アジア諸国など国際社会でもミャンマー政府への非難が強まっており、 軍事政権は国連特使を29日にも受け入れる方針を明らかにした。
福田首相は28日昼、長井さんが死亡したことについて、「誠に残念で、お悔やみを申し上げたい」 としたうえで、「国連、ASEAN(東南アジア諸国連合)、主要国が心配し、わが国も憂慮している」と述べた。 首相官邸で記者団に語った。
首相は、ミャンマー政府に対する制裁について「ただちに制裁するかどうかは、 もう少し状況を見極めなければならない。わが国の援助は人道的な部分が多く、いきなり制裁ということではない」と述べ、 慎重に対処する考えを示した。
一方、高村外相は27日夜(日本時間28日午前)、ワシントン市内のホテルで記者団に対し、 「強い措置を視野に入れながら、ミャンマー政府が今度どう対応するのか見守っていきたい」と語っており、 政府としての対応を調整している。外務省は藪中三十二外務審議官を現地に派遣して抗議することを決めており、 今後の対応のため、連絡室を立ち上げた。
また、町村官房長官は28日午前の記者会見で、 在ミャンマー日本大使館の医務官が27日夜に長井さんの遺体を確認した際の状況を明らかにし、 「銃弾が右胸下部より下から入って心臓を貫通し、左側の背中の上部に抜けた跡が残っていた。 おそらく出血多量による即死であるという報告をしている」と説明。町村氏は「それが意図的かどうか、 至近距離であったかどうかは、真相を究明すべきところだ」と語った。
これに関連し、高村氏は「一部情報では(カメラマンを)故意に銃撃したとも伝えられており、 大変憤激を覚える」と憤りをあらわにした。
軍は長井さんを狙い撃ちした可能性は高いと思いますが、日本人だから狙ったのではなく、ジャーナリストだから狙ったと思っています。海外に情報が流出するのを恐れたのと、見せしめのためかもしれないです。
軍政ははっきりNOですが、1日でも早く平穏に戻って欲しいと思っています。
こちらからもTB返し致します。
>ジャーナリストだから狙ったと思っています。
これは私も同意見です。ネットを遮断するなど、国外への情報流出を畏れているようですね。
見せしめかもしれませんが、単純に任務を遂行しただけかもしれません。
それならば、表に出ないだけで他にも射殺事件が起きているのかも知れませんが・・・・
>軍政ははっきりNOですが、1日でも早く平穏に戻って欲しいと思っています。
同じく、そう思います。
今後ともよろしくお願いします。