2007年09月27日

ベトナムで工事中の斜張橋が崩落

 ベトナムで建設中の斜張橋が崩落し、少なくとも50人以上の犠牲者と、 90人以上の負傷者が出る大惨事になっているとのこと。まずは被害に遭われた方々にお見舞申上げます。

 先日、アメリカで老朽化した橋が崩れ落ちたり、日本でも老朽化した鉄橋の一部が破断しかけたりと、 トラブルが続いていますが、これは建設中の橋が崩れ落ちる事故です。

 しかも、これは日本のODAで建設されている橋で、大成・鹿島と他1社(どこだ? )という日本のゼネコンが工事を請負っている橋です。事故原因はこれから調査しないとわかりませんが、施工中なので、 何か予測できなかった事態が起きたのかも知れません。毎日の引用記事にあるように、 日本とは異なるベトナムの自然環境が何か影響をしているのでしょうか。

 

 かの中国でも、竣工して間もない橋が崩落するという事態が起きていた記憶がありますが、 よもや日本企業が造る構造物がチャイナ・クオリティと同様とは思いたくありません。

 

asahi.com
メコン川で工事中の橋が崩落、50人以上死亡 ベトナム

2007年09月26日22時57分

 ベトナム南部のメコン川で26日、工事中の橋が崩落し、地元警察によると、少なくとも52人が死亡、 90人以上が負傷した。日本人は含まれていないという。この橋の建設は日本政府の途上国援助(ODA) による円借款事業。国際協力銀行の融資で造られ、大成建設、鹿島など日本の大手業者3社が共同で工事を請け負っていた。

 現場はホーチミン市の南西約170キロにある「クーロン(カントー)橋」。全長2750メートルで、 04年から工事が始まり、08年完成の予定だった。事故が起きたのは午前8時半ごろで、高さ30メートルの橋梁 (きょうりょう)部分が約100メートルにわたって崩落したという。地元メディアなどによると、当時、 日本人16人を含む約250人が工事に従事していたという。

 大成建設によると、工事は、ベトナムの企業が下請けしていた。大成建設は「事故の原因については、 現在、情報を収集中」(広報部)としている。

 

毎日インタラクティブ
ベトナム:橋崩落…日本企業製の橋がなぜ

 ベトナム最大となるはずのつり橋が26日、ごう音とともに崩れ落ちた。 日本の大手ゼネコンが政府開発援助(ODA)で建設中の「カントー橋」。死傷者は200人を超え、 現場では助けを求める作業員らの叫び声が響いた。高い技術で知られる日本企業製の橋が、なぜ落ちたのか。専門家らは、 地盤の問題を指摘している。

 「混乱して何が何だか分からない。巨大な爆発のような音だった。こんな大きな事故は初めてだ」。 カントー警察署幹部は興奮した様子で語った。

 事故があったカントー市は、ホーチミン(旧サイゴン)市から南西に約160キロにあるメコン・ デルタ最大の都市。果物や野菜などを満載した小さな船で売り買いする「水上マーケット」が観光スポットだ。しかし、 事故現場は土ぼこりに包まれ、現地のテレビは、ねじれた鋼材やケーブルの山に埋もれた多くの作業員と、 懸命に救出作業を続けるレスキュー隊員の姿を映し出した。

 メコン川の支流、ハウ川に建設中の同橋は、 交通量の多いデルタ地帯とホーチミン市を結ぶ4車線の主要道路として建設中。 現在はフェリーしか交通手段のない同地域の期待を背負っていた。そこに起きた事故。現地を見た警察官は 「36体の死体を見た。機械を使ってコンクリートを切断したりつり上げたりしているが、 埋もれている人になかなかたどりつけない」と話した。

 橋はなぜ崩落したのか。鉄道や車が走行するような橋は、材質からプレストレスト・コンクリート(PC) 橋と鋼鉄製橋梁(きょうりょう)に大別される。事故があった橋は、PC橋を基本にし、 複数の鉄柱からつったワイヤロープで橋げたを支える「斜張橋」だった。

 ゼネコンや橋梁メーカー関係者によると、長さ数百メートルの橋ならPC橋の方が2割ほど安価。 施工も鋼鉄製よりも簡単なため近年多用される傾向にある。半面、鋼鉄製より重いため長大な橋には向かず、 支柱により高い強度が求められる。このためPC橋は長さ250メートル以下で硬い地盤の上に建設することが多い。

 依田照彦・早大創造理工学部教授(社会環境工学)は「写真を見る限り、 橋脚そのものは崩れていないようだ。橋脚ではなく、工事中だけ使い、後に取り除く仮の支柱が何らかの原因で沈下し、 崩落につながった可能性がある」と話す。その原因については「現地は雨期で、もし当時かなりの雨が降っていたとすれば、 軟弱地盤になったのでは」と推測する。

毎日新聞 2007年9月26日 22時17分 (最終更新時間 9月26日 22時28分)

 

posted by いさた at 01:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 土木関連(技術) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人気ブログランキングへ 【当ブログや記事を評価していただける方へ】
最後までお読みいただきありがとうございます。m(_"_)m
上のバナーをクリックしていただけると励みになります。

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック