愛媛のとある地域の岩石から、日本初となる天然ダイヤモンドが発見されたそうです。 日本のような若い地質ではダイヤモンドは採れない、という地質学の定説を覆す発見だそうです。日本は6億年程度前の「若い」 地質だということですが、地質学になるとやはり時間のスケールが違いますね。
見つかったダイヤモンドは、1000分の1ミリ程度の大きさという事で、 商業的に採掘するようなレベルではありません。しかし、定説を覆した、ということは、 地質学上かなり画期的な発見だったのでしょうね。発見した具体的な場所は公表されていないとのことですが、 場所がわかったら、今の時勢、ダイヤを掘って一山当てよう、という輩が出てくるのでしょうね。(^^;
以前、愛媛で珍しい鉱物が見つかっていた、という記事を書いたなあ、と思いだし、検索してみたら「モーツァルト石」 というのが愛媛で見つかっているのですね。地質的に愛媛県のあたりは、珍しいもの・貴重なものが埋れているのでしょうか。
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モーツァルト石
YOMIURI ONLINE
愛媛で国内初の天然ダイヤ「日本で採れない」定説覆す
名古屋大と東京大の研究チームは10日、国内で初めて天然のダイヤモンドを愛媛県内で発見した、 と発表した。
アフリカ大陸などと比べ、新しい地質の日本列島では、 ダイヤの産出はないとする定説を覆す画期的な発見で、札幌市で開かれている日本地質学会で同日、報告した。
発見したのは、名古屋大の水上知行さん(地質学)。愛媛県の山間部で数年前に採取した火山岩に、 レーザー光を照射し分析したところ、約1000分の1ミリ・メートル(1マイクロ・メートル) ほどの大きさのダイヤを見つけた。
発見場所は地質学的に貴重で、保護する必要があるため、詳しい地名は明らかにされていない。
天然ダイヤモンドは、地下100キロ・メートルよりも深いマントルで、1000度以上の高温、 5万気圧以上の高圧の状態でできると考えられている。マントルでできたダイヤは、マグマの働きで地上に運ばれてくるが、 こうした現象の痕跡は、 今から10億年以上前に形成された古い大陸のアフリカやオーストラリアなどでしか見つかっていない。
一方、約6億年前より新しい時代に形成された日本列島は、天然ダイヤの産出には向かないとされ、 これまで発見例もなかった。
水上さんは「発見されたダイヤモンドの商業的価値は分からないが、 日本で本来あるはずがないと思っていたダイヤモンドが見つかり、大変驚いた」と話している。
(2007年9月10日11時17分 読売新聞)
毎日インタラクティブ
ダイヤモンド:愛媛県内の玄武岩から発見 日本で初
日本で初めての天然ダイヤモンドが愛媛県内の玄武岩から見つかった。 ダイヤモンドは南アフリカなど地質学的に古い大陸で産出し、日本のような新しい地質では産出しないと考えられている。 商業的な採掘にはならないが、地質学的な定説を覆す画期的な発見として、札幌市で開催されている日本地質学会で10日、 発表された。
発見したのは、名古屋大の水上知行さんらのチーム。 地表にあった火山岩にレーザー光を当て波長の変化を読み取った結果、ダイヤモンド特有のスペクトルピークを見つけた。 結晶の大きさは約10ミクロン(100分の1ミリ)。主に鉱物が成長するときに取り込まれた「流体包有物」 の壁に付着していた。
ダイヤモンドは通常、南アフリカなど生成してから10億年を超える古くて、 活動していない地質から産出する。日本は6億年程度の若く活動的な地質。日本をはじめ、 同じような地質の地域から天然ダイヤモンドが発見された報告はこれまでなかったという。
今回の発見は地下100キロメートルより深い地殻の下のマントルから地表まで、 何らかの原因により物質が運ばれる現象があることを示しているという。【関東晋慈】
毎日新聞 2007年9月10日 11時53分 (最終更新時間 9月10日 12時32分)