フランスのサルコジ大統領が、幼児性愛犯罪者への規制を強化し、「化学的な去勢」 も視野に入れた犯罪の再発防止法を制定する、と意思表明をしたそうです。
きっかけは、禁固27年の刑期が18年に短縮されて出所した61歳の男が、 出所直後に再犯したという事件だそうです。出所前、 刑務所でバイアグラの処方を受けていた(医師は男の罪名を知らなかったそうですが)、というオマケ付。
こんなことが起きれば、規制強化の方向へ向うのは当り前だと思います。 再犯の恐れのある幼児性愛犯罪者をブラックリスト化して行動や居場所を監視、という国はありますが、今回は 「ホルモン剤投入による化学的去勢」というあたりが大統領一流の強硬意見ですね。外科手術による去勢でない、 というところはまだ穏便な方か?
去勢措置が実現するのかどうか、人権との関係もあったりして難しい面があるでしょうが、 決意表明としては痛快ですね。フランス国内では物議を醸しているのでしょうか。
同じ問題は日本国内にもあります。これが日本政府なら、ここまで踏み込んだ意思表明は無理でも、 参考にはできるでしょうか。
毎日インタラクティブ
幼児性愛犯罪:「投薬去勢」も視野に規制強化…仏大統領
【パリ福井聡】フランスのサルコジ大統領は20日、幼児性愛犯罪者への「投薬による去勢」 なども視野に入れた性犯罪の再発防止法を制定すると表明した。刑期を終えたばかりの幼児性愛者が5歳の男児を連れ回し、 レイプするというショッキングな事件を受けた措置で、議論を呼びそうだ。
警察によると、幼児へのレイプなどの罪で禁固27年の判決を受けた男(61)が、 刑期が短縮され18年後の今年7月に刑務所を出た直後、仏北部で男児を連れ去り、自宅車庫でレイプした。 出所前に刑務所の医師からぼっき不全治療薬バイアグラの処方を受け、服用していた。 医師は男の罪名を知らされていなかったという。
サルコジ大統領は20日、性犯罪対策に関する関係閣僚会議を開催。その後の記者会見で 「幼児性愛者など、子供の生命を奪いかねない病の人々を自由にさせることはできない」と述べ、 出所前に幼児に危険を及ぼさないか再検査し、危険ありと判断した場合は、 09年に開院予定の専門病院に入院させる法律を制定する考えを示した。
また、本人が同意すれば「ホルモン剤の投入による化学的な去勢」も行うべきだと語った。
サルコジ大統領は強硬な犯罪対策論者として知られており、 先の大統領選挙戦中も幼児性愛者などについて「生まれつきの性癖。(10代の自殺者も)生来の悲観性から自滅しやすい」 と優生思想を展開し、心理学者らから批判を浴びた。
毎日新聞 2007年8月21日 10時55分 (最終更新時間 8月21日 11時03分)