東京都北区で、ホームレスへの襲撃を繰返していたと見られる15〜17歳の少年ら5名が逮捕されました。 直接の容疑は、ベンチで寝ていた男性を焼殺そうとした殺人未遂容疑。
同じような事件が過去に何度も報道されていますね。少年らは、自分たちより弱く、 見下せる相手に対してこういった犯行に及ぶのでしょう。しかし、人に火をつけるという行動は、 人間として何か重要なものの欠落を感じさせます。
この少年らは、社会の中での自分の地位が低いと感じていて、そのコンプレックスのためにこんなことをするのだろう、 と推測できます。リーダー格であるというタイル工の少年がいう「世の中の役に立っていない」 は自分自身が感じていることではないでしょうかね。
少年らを罰するだけでなく、犯行に至った原因(主に育ってきた環境にあるのでしょうが)を解明・ 把握しておかないとダメですね。
asahi.com
高校生ら5人、殺人未遂容疑 寝ていた男性に火を付ける
2007年08月06日12時08分
公園で寝ていた男性に火をつけて殺害しようとしたとして、警視庁は、 いずれも東京都北区に住む高校1年生ら15〜17歳の少年5人を殺人未遂の疑いで逮捕したと、6日発表した。 男性は大やけどを負って入院中。少年らはほかに、 公園で生活するホームレス2人に対する4件の襲撃にかかわったことを認め、「汚くて街に迷惑をかけている。 死んでも気にする必要はない」などと話しているという。
少年事件課によると、逮捕されたのは、タイル工の少年(17)と無職の少年(15)、 埼玉県内の私立高1年の少年(15)、都内の私立高1年の少年2人(いずれも16歳)の5人。
調べでは、少年らは5月13日午後11時55分ごろ、北区赤羽南1丁目の区立赤羽公園で、 ベンチに寝ていた清掃作業員の男性(52)の腹の上に、ライター用のオイルを入れたポリ袋を置き、 100円ライターで火をつけ、殺害しようとした疑い。火は男性の衣服に燃え移り、男性は足や腹、 背中など体の約3割にやけどを負った。
男性は公園内の噴水に飛び込んで一命を取りとめたが、皮膚の移植手術などを受け、 現在も入院して治療を受けている。
2007年08月06日13時02分
公園で寝ていて高校生らに火をつけられた被害者の男性は、 家庭の事情で昨夏からインターネットカフェなどで寝泊まりをしていたという。被害に遭った夜は、 清掃作業の仕事が休みだったため一人で酒を飲みベンチで寝ており、少年らはホームレスと思ったと話しているという。
男性を襲う際、少年の1人が「ごみを掃除するぞ」と仲間に声をかけていた。現場の公園で寝泊まりし、 事件を目撃した男性(45)は「叫び声でベンチの方を見ると、火柱が上がっており、 男性のひざの上から頭まで火に包まれていた。男性は『助けて』と言いながら噴水に飛び込んだ」と話した。
逮捕された5人組のリーダー格はタイル工の少年(17)で、ほかの4人は北区の中学校の同級生。 5人は共通の知人を通じ知り合ったという。
少年らは、公園などで暮らす人たちのことをホームレスとは言わず「乞食(こじき)」や「浮浪者」 と呼び、警視庁の調べでもそう表現しているという。
タイル工の少年は「乞食は最低で、世の中の役に立っていないから、犬猫と一緒。 汚くて街に迷惑をかけており、死ぬのを待っているだけ。死んでも仕方がない」と話している。ほかの少年4人は 「火をつけて乞食をいじめたかった」「怒って追いかけてくるのがおもしろかった」と話しているという。
現場の公園では5月11日未明、ホームレスの女性(59)がたばこの火を顔に押しつけられ、 やけどを負う事件があった。この女性は翌12日未明にも寝袋に火をつけられた。 少年らはこの女性襲撃2件への関与を認めているとされる。
また、5月12日と13日未明に、同区東十条5丁目の歩道の階段踊り場でホームレスの男性(52) に一升瓶を投げつけたり、寝床にしていた段ボールにライター用オイルをかけ火をつけたりしたとも話している。
リーダー格とみられるタイル工の少年は、 過去に猫や亀を虐待して殺したことがあるとの情報もあるという。
ホント、困った一件でございます。人間の性善説を疑ってしまうようなお話しでございます。世の中に役立たないから、人間ではないという論理は、まさにナチスドイツもかくやというお話しになっています。
> リーダー格であるというタイル工の少年がいう「世の中の役に立っていない」は自分自身が感じていることではないでしょうかね。
おそらく、御指摘の通りでありましょう。そして、そのような意識が投影されてしまう存在を消去したかったのでしょうが、当然に自分自身が変わらなければ、いつまでも同じことを繰り返すだけでしょうね。
少年らは「ごみ掃除」などと言っていたそうですが、その行為が何か社会に役立つことで、自分は役に立つ存在だ、とでも考えていたんでしょうかね。