日本機械学会が、歴史に残る機械を後世に伝えようと、「機械遺産」の認定制度をはじめたそうです。 まずは25件が認定され、今後の10年間で100件を認定する予定とのこと。
文化遺産、世界遺産、という流れにならって「機械遺産」としたのでしょうか。100件決ったら 「日本の機械100選」ということにもなりますね。asahi.comから引用したリストには、なじみ深いものもあれば、 どんなものか全くイメージが湧かないものも(^^;
今の生活に機械は欠かせないですし、有用な機械がいくつも発明されて、 現代の文明が発展してきたのは間違いないので、機械遺産、というのもうなずけます。しかしながら、「遺産」 という響きを聞くと、もはや機械も、歴史の1ページに組込まれるような時代になったのか、という感じがします。
何事も時間が経てば歴史になっていくわけですが、私の感覚では、近代・現代はまだ「歴史」
というには早い感じですね。歴史という言葉からは、江戸時代よりも昔の時代をイメージします。
0系の新幹線など、自分が子供の頃に親しんでいたものが機械遺産、ということになると、
なんだかとても年をくったんだなぁ、という気がしてきますf(^^;
社団法人 日本機械学会
http://www.jsme.or.jp/
asahi.com
機械遺産25件を初認定 初代新幹線・YS11など
2007年08月03日13時38分
国産初のブルドーザー、自転車用補助エンジン、初代新幹線――。歴史に残る機械を次世代に伝えるため、 日本機械学会が「機械遺産」の制度を設けた。7日、25件に認定表彰する。毎年数件ずつ選び、 10年間で計100件を認定する計画だ。
機械遺産の制度は、同学会の創立110周年を記念して設けた。 機械技術の発展史で重要な成果があった機械、生活や文化、経済、社会に貢献した機械などが対象。機械や機器のほか、 機械関連システム、機械工場、設計仕様書や教科書などが認定される。
認定後は、所有する企業などが持ち続けられなくなった場合に、 国立科学博物館や自治体への移管の仲介で処分や散逸を防ぐ。
今回選ばれた25件には、初代新幹線の0系車両、国産旅客機のYS11、マツダのロータリーエンジン、 ホンダの自転車用補助エンジン「カブ号F型」、豊田佐吉が発明した自動織機、 東京帝国大学工学部の1905年当時の水力学の講義ノートなどがある。
「コマツブルドーザーG40」は、戦時中に空港建設などのため、 国からの要請で生産された国産初のブルドーザー。現存機は、フィリピンで使われ、終戦後に米軍が海中に投棄した。 引き揚げられて豪州の農場で使われていたのが78年に見つかり、35年ぶりに日本に帰還した。
長崎市の「小菅修船場跡の曳揚(ひきあ)げ装置」は、機械遺産がある歴史的な風景として認定された。 幕末、外国から買った蒸気船の補修を目的に、1868(明治元)年に完成した。 蒸気機関で動く歯車に船を揚げる装置がつけられている。
「高周波発電機」は、1929年建設の依佐美送信所(愛知県刈谷市)に設置されていた。 戦争中は海軍が使用、ここから真珠湾攻撃を命じる「ニイタカヤマノボレ」の暗号を送信したという説もある。
選定をした同学会機械遺産小委員会の堤一郎委員長(産業技術史)は「機械は時代の技術を象徴しており、 設計者の考え方ばかりでなく政策や社会も反映している。歴史に学ぶことは、新しい創造にも必要なことだ」 と話している。