ユング派の心理学を研究され、京大名誉教授、元文化庁長官の河合隼雄氏が逝去されました。79歳。 学者としてだけでなく、色々な分野で評論や提言をされるなど、いわゆる「文化人」として活躍された方ですね。
昨年8月、文化庁長官をされている時に脳梗塞で倒れられました。 ちょうど高松塚古墳の壁画劣化問題が持ち上がった時であり、組織のトップとして心労などが重なったのでは、と推察します。 壁画の劣化は、河合氏の代にはじまった問題では無いのですが、タイミングが良くなかったといいましょうか。
もし、文化庁長官職を受けていなければ、今でも健康に過されているかも知れない、と思ったりもしますが・・・ 故人に対し、謹んで哀悼の意を表します。
毎日インタラクティブ
訃報:河合隼雄さん死去79歳 元文化庁長官
日本のユング派心理学研究の第一人者で、元文化庁長官、元国際日本文化研究センター所長、 京都大名誉教授の河合隼雄(かわい・はやお)さんが19日、奈良県天理市の病院で死去した。79歳だった。 自宅は奈良市西大寺新田町7の9。
28年、兵庫県篠山町(現篠山市)生まれ。52年に京大理学部数学科を卒業後、 高校の数学教諭をしながら京大大学院で心理学を研究した。59年から米カリフォルニア大に、62年からはスイス・ ユング研究所に留学。日本で初めてユング派精神分析医の資格を取得した。75年に京大教育学部教授に就任し、 80年から3年間、同学部長。90年に国際日本文化研究センター教授、95年から同センター所長を務め、02年1月、 民間人として3人目の文化庁長官に就任した。
06年8月9日に就任後初めて奈良県明日香村を訪ね、 高松塚古墳の壁画損傷事故などをめぐって村民と懇談。翌10日から夏休みをとっていたが、 17日に脳こうそくのため自宅で倒れ、入院。意識が回復しないまま、今年1月に任期満了に伴い長官を退職した。
ユング派心理学の研究の一方で、少年事件や学級崩壊など教育や子どもを取り巻く問題など、 幅広い分野での評論、提言などでも活躍した。神戸市の小学生連続殺傷事件(97年)後に発足した兵庫県教委の 「心の教育緊急会議」座長として、中学生が働く場に触れる事業を実現。全国の職場体験の先べんをつけた。 カウンセリングの普及にも精力的に取り組んだ。95年に紫綬褒章を受章、00年に文化功労者。
著書は、日本と西欧の昔話を比較し、 父性原理が支配する西欧と母性原理が支配する日本の違いを分析した「昔話と日本人の心」をはじめ、「無意識の構造」 「中空構造日本の深層」など多数。ユング「人間と象徴」など訳書も多い。
霊長類学者の河合雅雄・京大名誉教授は兄。
毎日新聞 2007年7月19日 16時11分 (最終更新時間 7月19日 16時13分)



