久間防衛相が千葉にある麗沢大学というところの講演で、原爆投下を容認するような発言をした、ということです。 安倍内閣は、こういう問題発言によるネタ提供に事欠きません。今度のは爆弾発言ならぬ「原爆発言」でしょうか、 asahi.comの記事の見出しはそういう意味ですかね。
日本国の防衛大臣としてはふさわしくない発言だと思いますが、さて、うっかり個人的見解を言ってしまったのか、
それとも意図的に発言したのか。
どうも、久間防衛相は、ポロッと自分の本音を出してしまうタイプのようなので、前者のようにも思えますが、
後者の可能性も捨てきれません。さっそく野党が食いついたようなので、もう手遅れでどうにもならない社会保険庁・
年金問題から目をそらさせるための陽動作戦かも知れないですね。
国会議員のセンセイ方は、唯一選挙「だけ」は非常にやる気がありますから、 いろいろと策を使ってくるのではないでしょうかね。最近は独裁政治の感のある与党は、 強行採決の連発でダーティーイメージに変りつつあります。議席獲得のためなら、 汚い手だろうが何だろうが使っても不思議ではありません。
asahi.com
久間防衛相、講演で「原爆投下、しょうがない」
2007年06月30日22時23分
久間防衛相(衆院長崎2区)は30日、千葉県柏市の麗沢大学で講演し、 1945年8月に米軍が日本に原爆を投下したことについて 「原爆を落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今、 しょうがないなと思っている」と述べた。原爆投下を正当化する発言とも受け取られかねず、 野党が久間氏の罷免を求める動きを見せるなど波紋が広がっている。
久間氏は「我が国の防衛について」と題した講演で、 東西冷戦下で米国と安全保障条約締結を選択した日本の防衛政策の正当性を説明する際、原爆投下に言及した。
久間氏は「米国を恨むつもりはないが、勝ち戦と分かっていながら、 原爆まで使う必要があったのかという思いが今でもしている」としつつ、「国際情勢とか戦後の占領状態からいくと、 そういうこと(原爆投下)も選択肢としてはありうる」と語った。
久間氏は講演後、朝日新聞の取材に対し、「核兵器の使用は許せないし、 米国の原爆投下は今でも残念だということが発言の大前提だ。ただ日本が早く戦争を終わらせていれば、 こうした悲劇が起こらなかったことも事実で、為政者がいかに賢明な判断をすることが大切かということを強調したかった」 と発言の意図を説明した。
安倍首相は同日夜、遊説先の香川県丸亀市での会見で久間氏の発言に関して「自分としては忸怩(じくじ) たるものがあるとの被爆地としての考え方も披瀝(ひれき)されたと聞いている。核を廃絶することが日本の使命だ」 と述べた。
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【久間氏の発言要旨】
日本が戦後、ドイツのように東西が壁で仕切られずに済んだのは、ソ連の侵略がなかったからだ。 米国は戦争に勝つと分かっていた。ところが日本がなかなかしぶとい。しぶといとソ連も出てくる可能性がある。 ソ連とベルリンを分けたみたいになりかねない、ということから、日本が負けると分かっているのに、 あえて原爆を広島と長崎に落とした。8月9日に長崎に落とした。長崎に落とせば日本も降参するだろう、 そうしたらソ連の参戦を止められるということだった。
幸いに(戦争が)8月15日に終わったから、北海道は占領されずに済んだが、 間違えば北海道までソ連に取られてしまう。その当時の日本は取られても何もする方法もないわけですから、私はその点は、 原爆が落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだ、という頭の整理で今、 しょうがないな、という風に思っている。
米国を恨むつもりはないが、勝ち戦ということが分かっていながら、原爆まで使う必要があったのか、 という思いは今でもしている。国際情勢とか戦後の占領状態などからいくと、 そういうことも選択肢としてはありうるのかな。そういうことも我々は十分、 頭に入れながら考えなくてはいけないと思った。
2007年06月30日23時06分
久間氏の発言に対し、野党幹部は30日、「あるまじき発言だ」(民主党の菅直人代表代行)、 「罷免を求めたい」(社民党の福島党首)などと相次いで批判した。5日が会期末の国会で、 同氏の政治姿勢を追及する構えだ。
菅氏は島根県出雲市で記者会見し、「防衛大臣として全くふさわしくない。 原爆投下そのものを容認する姿勢は取るべきではない」。同席した国民新党の亀井久興幹事長も 「唯一の被爆国として核廃絶に向かって主張と行動を続けていくのが我が国のあるべき姿だ」と批判した。
共産党の志位委員長も新潟市での会見で「被爆国の閣僚として失格だ。 核戦争が仕方がなかったという発言は、どんな理由があれ許されない」。福島氏は朝日新聞の取材に対し、 「今もって原爆で苦しんでいる人がたくさんいる。全く無神経な発言で、強く抗議したい」と語った。
この発言自体、軽率で噴飯ものですが、これをも庇おうとする安倍首相にはほんとに愛想がつきたという感じです。
>この発言自体、軽率で噴飯ものですが、これをも庇おうとする安倍首相にはほんとに愛想がつきたという感じです。
安倍首相も開き直っているのではないでしょうか。
自身の政権はもう長くないとばかりに、参院選までにやれることはやっておこう、という腹なのでは。
自分の発言には責任を持つべきです。
安倍総理も自分の主義、主張と違うと思えば、毅然として久間大臣を罷免するべきです。
久間防衛相は結局辞任しましたね。自主的に判断したのか、周りから押切られたのかは定かではありませんが。