原子力研究開発機構が、茨城県東海村にある研究所の排水施設が、 放射能汚染されているにもかかわらず5年以上放置し手いたことが発覚。事実を隠蔽していた疑いもあるようです。 放射能汚染は、安全基準を上回っているものの、周囲や人体への影響はないらしい。
他に同じような事例があるかどうか調べるそうです。最近の例を見ていると、 こういう調査で他にも出てくることが多いですね。電力会社でも、 原発のトラブルで監督官庁に報告していないものがありましたが、原子力がらみとなると、 隠されているトラブルは多いのではないでしょうか。
絶対安全、という神話を守るため、関係者にバイアスがかかりやすいのでしょうか。それとも隠蔽ではなく、 対策が取れずに手をこまねいていただけなら、それはそれで、今度は研究機関として適切なのか、という問題が出てきます。
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原子力機構、放射能汚染を放置 口止め文書も公表
2007年06月29日21時44分
日本原子力研究開発機構は29日、 茨城県東海村にある東海研究開発センター原子力科学研究所の排水施設で、放射能汚染を確認したと発表した。 同研究所はこの汚染を01年に確認していたが、5年以上放置。国や県にも報告していなかった。同研究所では26日にも、 匿名の告発文書をきっかけに別の汚染が発覚しており、同機構は29日「口外しないでと言われて黙っていた」 などと隠蔽 (いんぺい)工作があったとも取れるこの文書の内容を公表した。
同機構によると、これらの汚染で、管理区域設定基準の最高12倍強の放射能が検出されているが、 周辺や人体への影響はないとしている。
今回明らかになった汚染は01年10月に一部の施設の廃止に伴う調査の際に確認されていた。 排水施設は非管理区域だが、調査した職員は除染作業などを行わず、法令報告にあたるという認識もなく放置した。
26日に発覚した問題を受けて、28日夜になって法令報告が必要ではないかと上司に報告。 29日に調査したところ、基準の最大12.5倍にあたる放射能が確認された。
26日の汚染発覚のきっかけとなった文書には「汚染が放置されている。口外しないでほしいと言われた」 などと書かれていた。これを受けて同機構が26日に調査したところ「モックアップ建家」東側の共同溝(非管理区域) で、 基準の1.5から3倍の汚染を確認。さらに付近の引き込み溝で、06年6月に汚染が確認されていたが、 国や県に報告をしていなかったことも明らかになった。
一連の問題を受け、同機構は7月2日に安全管理担当理事を本部長とする「安全確認調査・対策本部」 を設置、同研究所に調査委員会を設け、ほかに同様の事例がないかの確認を進める。