昨年秋に福岡県筑前町の三輪中学で中学2年男子が、いじめにより自殺した事件がありました。これに関して、 福岡家裁は、いじめていた同級生3名を、少年審判により不処分としたとのこと。同級生がいじめの事実に関して争わず、 反省の意思をしめしているから不処分としたようです。なお、不処分でも非行の防止指導など、 教育的な働きかけは行うそうです。
この事件、発生当時は担任の教諭の発言が発端となったのでは、と相当な非難を浴びた事件ですね。 加害者の同級生は被害者が自殺した後も他の生徒をいじめていたなど、反省の色もないようで、 どうしようもなく病巣が深い印象でしたが、それからすると不処分というのは意外ですね。
本当に保護処分無しで更正が望めるぐらいに反省しているのでしょうか。すでに8ヶ月ほど経っているので、 心境が変ったのかも知れませんが、現在至った経過はうかがい知れません。
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毎日インタラクティブ
中2いじめ自殺:送致の同級生3人を不処分に 福岡家裁
福岡県筑前町立三輪中2年の森啓祐君(当時13歳)がいじめを苦に自殺した問題で、福岡家裁 (坂主勉裁判官)は18日、いじめ行為に関与したとして暴力行為法違反(共同暴行)の非行事実で送致された同級生3人 (当時14歳)の少年審判を開き、いずれも不処分とした。家裁は非行事実そのものを認定しながらも、 少年が反省している点などから、保護観察などの保護処分には相当しないと判断したとみられる。
審判は非公開で、家裁甘木出張所で開かれた。同級生らがいずれも事実を争わず、 いじめ行為に対して反省の意思を示していることなどから、「保護処分を行わなくても家庭や社会での更生が十分に可能」 と判断した模様だ。不処分の場合でも、家裁は少年に、再非行の防止に向けた指導などの教育的働きかけを行う。
送致事実によると、3人を含む同級生5人は06年10月11日、森君を校内のトイレで取り囲み、 押さえつけてズボンを下ろそうとするなどした。帰宅後、森君は「いじめられてもういきていけない」 などと書いた遺書を残し、自宅で自殺した。
町教委の調査委員会は昨年末、森君に対して「長期にわたるからかいや冷やかしがあった」と、 継続的ないじめの存在を認めたが、今回の非行事実は、そのうちの一部として福岡地検が家裁送致していた。
福岡県警は今年2月、この3人を同法違反容疑で福岡地検に書類送検し、 残る2人は刑事責任を問われない当時13歳のため、同じ非行事実で久留米児童相談所に通告した。地検の家裁送致を受け、 家裁が6月5日に審判開始を決定していた。【石川淳一】
毎日新聞 2007年6月18日 17時49分