東広島市の瀬戸内海沖合にある無人島・ホボロ島が、虫に食われて消滅の危機にあるとのこと。「ナナツバコツブムシ」
というダンゴムシのような生物が多数住んでおり、ホボロ島の風化しやすい岩に孔をあけて住んでいるそうです。そのため風・
波による岩の浸食が促進されており、急速に島が小さくなっているとのこと。
Sankei Webの元記事には昭和35年頃と現在の写真がありますが、明らかに小さくなっています。
いくつかの条件がそろった上での自然の営みとはいえ、驚きですね。このままなら、
近いうちに島が無くなってしまうのは間違いないでしょう。
これが太平洋上とか、日本の領海・経済水域に関わる事態なら、島の保存に乗出すところでしょうが、
瀬戸内海ではそういうことも無いでしょうね。広島と愛媛の県境になっていたら、島が消えたら揉めるかも。
ナナツバコツブムシ、というのは東広島市自然研究会というサイトに写真がありました。 虫と言いますが昆虫ではなく、一見してダンゴムシとそう変らないよう生き物です。 体つきはダンゴムシよりはシャープなようにも思えます。
初めてこの虫を知りましたが、日本ではポピュラーな虫なんでしょうか、 それとも限られた地域にだけ住んでいるような虫なんでしょうか。 庭の石をひっくり返したらダンゴムシに混じって数匹いるかも・・・なんてことは無さそうですが、少し興味が湧きました。
Sankei Web
虫が無人島を侵食 “消滅”の危機 広島の瀬戸内海
. 広島県東広島市の沖合にある瀬戸内海の無人島「ホボロ島」が、無数の虫による侵食で“消滅” の危機にあることが、沖村雄二広島大名誉教授(地質学)の調査で分かった。満潮時は岩が一つ頭を出すのみで、 地元住民は「寂しいが、自然の成り行きで仕方ない」と小さくなっていく島を見つめている。
沖村名誉教授は、地元で「島がなくなる」と言われていたホボロ島を調査。 岩に穴を開けて住むナナツバコツブムシという体長約1センチの虫を多数発見した。 ホボロ島は風化しやすい岩でできており、ナナツバコツブムシがもろくなった岩に穴を開け、 その岩を波がさらに削っていると結論づけた。
1725年に364メートルあった島の外周が、 1825年には220メートルになったとの記録があるという。現在は東西約90メートルの細長い形に縮小、 別の種類の岩でできている周辺の島に変化はない。
「台風の後に目立って小さく見える。特にここ10〜15年の間に小さくなったようだ」 と郷土史を調べている東広島市の矢原大和さん(68)は話す。
沖村名誉教授は「風と波による浸食は通常数千〜数万年かかるが、虫がかかわることで急速に進んでいる」 と驚いている。
(2007/05/03 09:36)