本日、43年ぶりとなる全国学力テストが、小学6年と中学3年(約233万人)を対象に行われたとのこと。 公立は愛知県犬山市の14校を除く全てと、私立は6割程度が参加したそうです。これから毎年同時期に行われる予定とのこと。
過去のテストは学力偏重・競争過熱につながるとして中止になっています。今回は、 低下が続いていると言われる学力の傾向を国が把握するため、ということですが、 過去と同じように学力偏重への懸念はあるようです。
私自身、全国学力テストには直接関係が無いので、ふーん、という感じでニュースサイトの記事を読んでいました。 テストの是非については、今のところ特にこれと言った思いも無いのですが、 学力テストを拒否する理由はちょっと気になるものがありました。
「他の学校と比較する必要はない」→自校の教育への自信でしょうか。しかし、競争がある以上、
生徒はどこかで比較される機会があると思うので、不要とは思えませんが・・・・。
「プライバシーの侵害にあたる」→よくわかりませんが、これを言いだしたらテストは受けられなくなる気がします。
侵害にあたる、という判断の境界線は何か?
テストを受けた後、勝手に通信講座の案内やら、 塾の案内やらがどっさり届くようになったら困るでしょうけれどね(^^;
YOMIURI ONLINE
43年ぶり、全国3万3000小中学校で学力テスト
全国の小学6年、中学3年約233万人を対象にした全国学力・学習状況調査(全国学力テスト) が24日、約3万3000校の小中学校で一斉に行われた。
特定の学年全員が対象のテストは1964年以来、43年ぶりで、参加率は98・95%。国が5月以降、 一括して採点を行い、9月ごろに国全体と都道府県別の科目ごとの平均点や問題ごとの正答率を公表する。
今回のテストは、2003年に経済協力開発機構(OECD)が行った国際学習到達度調査(PISA) で読解力や文章表現力の低下が明らかになったことなどを受け、実施が決まった。
愛知県犬山市の14校を除く国公立すべての学校と私立の6割余りの学校が参加。 小学6年約117万1000人、中学3年約116万1000人の計約233万2000人が、 午前8時半ごろから試験に臨んだ。
この日行われたのは、国語、算数・数学の2教科。
小学6年生はまず国語の「知識」(20分間)で、漢字の読み書きなどの問題、続く算数の「知識」(同) で、基礎的な計算問題に取り組んだ。その後、文章を読んで意見をまとめる国語の「活用」(40分間)、 図やグラフから答えを導き出す算数の「活用」(同)の問題に挑戦した。
中学3年生は国語の「知識」(45分間)、「活用」(同)、数学の「知識」(同)、「活用」(同) の順番で、試験に取り組んだ。学力調査の後には、小中とも生活実態などをたずねる意識調査も行われた。
今回、市町村別や学校別の成績については、国としては公表しないが、都道府県や市町村、 学校には提供する。このため、自治体や学校は、公表される全国平均などと比べることで、 それぞれがどの位置にあるのかを把握し、独自の学力向上策につなげることが出来る。また、児童・ 生徒にもそれぞれの成績が通知されるため、各自の課題を見つけることも可能だ。
全国学力テストは1956年から行われ、61年からは中学2年、中学3年全員が対象となったが、 競争の過熱や教職員による反対闘争などで、64年に打ち切られた。来年以降も、小学6年、中学3年を対象に、 毎年4月の第4火曜日に行われることになっている。
(2007年4月24日14時1分 読売新聞)
毎日インタラクティブ
学力テスト:小6、中3対象に3万2700校で始まる
全児童・生徒対象のテストとしては43年ぶりに復活した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト) が24日、国公私立の約3万2700校で一斉に始まった。対象となる小6、中3の児童・ 生徒約233万人は各学校の1時間目開始時刻から国語Aの問題に取り組んだ。小学校は午後0時半ごろ、 中学校は同2時半ごろに試験日程を終了する予定。
テスト問題は、国語、算数・数学ともに、身に着けておくべき「知識」(A)と実生活の場面に活用する 「活用」(B)の2種類がある。小学校は国語A▽算数A▽国語B▽算数B、 中学校は国語A▽国語B▽数学A▽数学Bの時間割で行われ、最後に生活習慣などを尋ねる調査(アンケート) が実施される。
愛知県犬山市(小中学校14校)が国公立では唯一不参加を表明している。 私立では4割弱の学校が参加しなかった。
テスト結果は9月公表予定だが、政府の教育再生会議などが前倒しを求めており、 文部科学省は集計が終わり次第発表する方針。文科省は、国全体と都道府県別の状況のみを公表する一方、市町村・ 学校別の結果公表は各市町村・学校の判断に委ねられている。このため、 結果公表のあり方を巡って各地で混乱する可能性もある。
調査の発送、採点、集計などは小学校はベネッセコーポレーション(本社・岡山市)、 中学校はNTTデータ(同・東京都江東区)に委託する。
テストの経費は準備費用も含めて約77億円。来年度以降、4月の第4火曜日に毎年実施する方針。
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東京都練馬区貫井の区立貫井中(境田聡校長、生徒数411人)では、 3年生の約160人が試験に臨んだ。午前8時35分ごろから解答用紙(マークシート)のつづりが配布され、 生徒はすべてのマークシートに出席番号を記入。男性教諭が「記入漏れがないか、全部チェックして」「机の上は鉛筆、 シャープペン、消しゴム以外は片付けて」などと指示した後、国語Aのマークシートだけを切り離して試験開始を待った。 生徒たちは緊張した面持ちで試験を受けた。【高山純二】
■ことば(全国学力・学習状況調査) 全国の国公私立の小学6年生と中学3年生の全児童生徒を対象に文部科学省が行う国語、算数(数学)の試験。「知識」 と「活用」に関する2種類の問題が出題される。併せて生活習慣や学習環境などを尋ねる調査も行われる。 以前行われていた同様調査は、学力偏重、過度の競争に陥るなどの批判があり、 全員対象の調査は61年度から4年間で終了。抽出による調査も66年度を最後に廃止された。
毎日新聞 2007年4月24日 10時58分 (最終更新時間 4月24日 11時46分)
asahi.com
学力調査、3万校が粛々テスト 不参加校は通常授業
2007年04月24日13時55分
全国3万3000近い学校で、小学6年と中学3年のほぼ全員が一斉にテストに向き合った。 24日午前に始まった全国学力調査。かつて激しい反対運動が起こり、実施と中止、 拡大と縮小の間を揺れ動いてきた全国一斉テストの復活は43年ぶりで、総額77億円をかけた大事業だ。一方、 愛知県犬山市の公立学校など、参加しなかった学校では通常の授業が行われた。
東京都杉並区の区立和田中学校では午前8時45分から約90人が三つの教室でテストに臨んだ。 区や都の学力調査も経験しているので、生徒も先生も慣れた様子だった。
1時間目は国語の「知識」を問うテスト。45分で解くが、 早めに終わって机に突っ伏している子もいたという。
普段から、社会の仕組みへの関心を高める授業をしている藤原和博校長は23日の朝礼で 「全国の小6と中3生が学力テストを受けますが、費用はいくらかかっていると思う?」と問いかけた。
生徒からは「30万円」「500万」「4億5000万!」などの声が飛んだ。 昨年度分だけで問題作成や予備調査などの予算が29億円だったことを話すとどよめきが上がった。
藤原校長は「約30億といえば、体育館とプールが付いた立派な校舎を新築できるぐらいの予算。 大きな投資をして行う調査です。いい加減な気持ちではなく、しっかり受けてね」と伝えたという。
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全国の公立で唯一不参加となった愛知県犬山市の小中学校では、通常通りの授業が行われた。 犬山北小学校には大勢の報道陣が詰めかけるなか、子どもたちが笑顔で授業に臨んだ。
6年2組では1時間目の国語の時間、詩を音読するのにどの部分を強調したいかなどを班ごとに発表。 少人数に分かれて話し合うのは、市教委が進めてきた「学び合い」の授業の一つだ。子どもたちは「ここは全員で読もうよ」 など、自由に意見を交わしていた。
加地健校長は「犬山の教育は、全国唯一がたくさんある」。瀬見井久教育長はこの日、 「テストの目的がいまだにはっきりしない。学力を上げるだけなら全員を対象にする必要はない」 と改めて反対の立場を示した。
学力調査はプライバシーの侵害にあたるなどとして、 自分たちへの調査取りやめを求める仮処分申請をした京都市と京都府京田辺市の小中学生9人。 京都地裁の結論は出ておらず、うち小学生の1人は24日、保護者と相談して「周りの目が気になるから」と学校を休んだ。
この児童の保護者は「行くと受けさせられるので、親権者として登校させない。 不当に欠席扱いされるのは不愉快で、引き裂かれる思いだ」と話した。
私立の参加は全国で6割、特に東京都内では約2割にとどまった。進学校を中心に 「学校行事がいっぱいだし、他の学校と比較する必要はない」(文京区の桜蔭学園)との声が多い。
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文科省の集計によると、調査に参加する学校のうち、国公私立の計221校が24日には調査を行わず、 後日遅れて実施する。修学旅行と重なるなど日程上の都合のため。問題は24日実施分と同じで、同様に採点されるが、 全体の集計には加えない。問題を別に用意しなかったことについて、文科省は 「学力を自らチェックすることが目的のため支障はない」と説明している。