気象庁が、今年の年末を目標に天気予報のコンピューターシステムの精度をアップさせ、 的中率世界一を目指すとのこと。
詳しくは、YOMIURI ONLINEの引用記事を読んでいただくとして、要は、 地球全体の大気のモデルをより細かくブロックに分割して天気をシミュレーションしよう、ということですね。 観測ポイントを819万から1億1000万ポイントに増やすことで、これにより週間天気予報の的中率が数% アップするようです。
週間天気予報は現在70%程度の的中率だそうです。システムの精度を上げても数%のアップということは、
現在の予測技術は頭打ち傾向にあるように思えますね。的中率80とか90%を目指そうとすれば、
観測ポイントをもっと爆発的に増やさないととても無理、といったところでしょうか。
しかし、それを目指すためには、例え的中率が数%アップするだけ、といっても必要な改良であることには間違いないでしょう。
天気予報の的中率に関しては、シミュレーションの精度向上に加え、 過去の観測データの蓄積も貢献しているでしょうから、逆に言えば、 現在までの蓄積を利用すれば多少シミュレーション精度が低くても70%程度の的中率がある、ということですね。
週間予報の的中率が70%から75%に向上しても、私個人はあまり差を感じないでしょうね。しかし、 数日先の天候が、ビジネスに大きく影響するような人たちにとっては数%の向上に、とても意味があるのかも知れません。
YOMIURI ONLINE
世界一当たる天気予報に、気象庁の観測ポイント1億強へ
気象庁は今年末をめどに、世界一の天気予報の的中率を目指し、コンピューターシステムの精度を上げる。
大気に関する観測ポイントを1億強と大幅に増やして、 3日後の台風進路予測のずれを今の320キロから20%減の260キロに減らし、 週間天気予報で当たる確率を世界トップクラスの7割前後からさらに数%アップさせる方針だ。
同庁が週間天気予報などに使っている2〜9日後の予報計算では、 地球全体の大気を細かいブロックに分けた「全球モデル」を採用。このブロックの各頂点の気温、気圧、 風速などの観測データをスーパーコンピューターに入力し、天気を予測している。
同庁は昨年春、それまでよりも約20倍計算が速いスパコンを導入したのを受け、 全球モデルも改良する方針を決定。ブロックの頂点を現在観測している60キロ間隔の819万ポイントから、 20キロ間隔の1億1000万ポイントに増やす。
この改良に伴い、すでに20キロ間隔だが予報範囲が東アジアに限られている翌日までの予報モデルや、 24キロ間隔の台風の予報モデルも全球モデルに統合する。
世界では、ヨーロッパ各国が出資している「ヨーロッパ中期予報センター」(英国) が25キロ間隔に頂点を置いたモデルを運用しているが、これを上回る精密度での予測計算が可能になる。同庁予報部は 「高速のスパコン導入で、複雑な気象現象に合った詳細な分析もできるようになる。より正確な予報を目指したい」 と話している。
(2007年4月21日14時32分 読売新聞)