引用記事のタイトル『「花咲じいさんの灰」を特定』が気になって読んでみたところ、植物に花を咲かせる 「開花ホルモン」を、日本とドイツの研究グループがそれぞれ特定したという記事でした。とりあえず、 イネとシロイヌナズナの開花ホルモンを特定した、ということです。
記事の内容からすると、「花咲じいさんの灰」というのはなかなかしゃれたタイトルですね。開花ホルモン自体は、 その存在を仮定した研究者により「フロリゲン」と命名されているそうです。 ドイツのニュースではこちらが使われているのでしょうか。
この開花ホルモンが特定できたことによって、花の開花を自由に調節できる薬剤(まさに、
花咲じいさんの灰ですね)ができるのではないか、ということです。
例えば、桜の開花ホルモンを使うと、自由に開花させられるので、花見シーズンを「人間の都合で決める」ことができるとか?
そこまで行ったらやり過ぎだと思いますが、花屋の商品としての花の管理には応用ができそうですね。
asahi.com
「花咲かじいさんの灰」を特定 日、独の研究グループ
2007年04月19日11時47分
植物に花を咲かせる「開花ホルモン」を、日本、 ドイツの研究グループがイネとシロイヌナズナでそれぞれ特定することに成功した。開花ホルモンは、いわば “花咲かじいさんの灰”にあたる物質で、70年にわたって多くの研究者が探し求めてきた。 ともに19日付の米科学誌サイエンス電子版に発表される。
開花ホルモンの候補としては、日照時間が短くなると花をつけるイネなどでは「Hd3a」、 日照時間が長くなると花をつけるシロイヌナズナなどでは「FT」というたんぱく質が見つかっている。しかし、 日光を受ける葉から、花芽(かが)ができる茎の先に実際にどんな物質が伝わっているのかわかっていなかった。
奈良先端科学技術大学院大の島本功教授らは、 イネの遺伝子の一部を変えてHd3aたんぱく質に目印をつけ、イネの中でどう動いているか追跡したところ、葉で作られ、 茎を通って茎の先端へ運ばれている様子が観察できた。このことから島本教授は、 このたんぱく質が開花ホルモンであると結論づけた。
また、ドイツのマックス・プランク研究所のグループも、FTたんぱく質が葉で生成され、 茎の先端まで移動したとする研究を発表。Hd3aとFTがよく似た構造であることから、 多くの植物に共通の開花ホルモンが存在する可能性も示された。
開花ホルモンは、旧ソ連の植物生理学者チャイラヒャンが37年にその存在を仮定し、「フロリゲン」 と命名。島本教授は「フロリゲン本体が特定できたことで、 開花を自由に調節できる夢の薬剤の開発につながるのではないか」と話している。