2007年04月16日

漢字に100以上の「地域文字」が

 漢字にも実はある地域でしか使われていない、という「地域文字」が100以上ある、という研究結果を、 早稲田大学の笹原教授が「国字の位相と展開」という本にまとめられたそうです。

 大部分が、日本で作られた独自の漢字である「国字」で、いわば「漢字の方言」ですね。 地域限定で使われている漢字があったとは全然知らなかったのですが、面白いですね。もともとは全国的に使われていた漢字が、 長年経つうちに地域限定になってしまったり、またある地域特有のものを表すためにできた漢字、というものもあるようで、 日本の文化の厚みを感じさせます。
 今では使われなくなった地域文字もあるでしょうし、現在まで生残ってきた文字は、 地域文字の中でもある意味ポピュラーなものかもしれません。

 引用のasahi.comの記事でも、地域文字は漢字変換で出てくるものがあったり、無かったり。 最近は手書で文字を書く機会が減ってしまい、IMEで簡単に出てこない文字は敬遠される傾向にあると思います。この先、 地域文字が生残って行くのは難しいかもしれないですね。

 

asahi.com
漢字にも「方言」 早大教授が100以上の地域文字発見

2007年04月16日06時06分

 話し言葉に方言があるように、漢字にも「地域文字」がある。早稲田大教授(日本語学)の笹原宏之さん (41)は高校時代から、各地の文献を当たって100字以上を拾い出し、近著「国字の位相と展開」(三省堂) でまとめた。日本で作られた和製漢字「国字」が大部分を占め、「人々と文字の格闘の跡が読み取れる」という。

 国字は1万近くある。例えば「辻」は、道を表すシンニョウと交差する意味の「十」の組み合わせだ。

 江戸中期の儒学者、新井白石は「日本で作られ、漢籍には見られず、訓しかない字」と定義した。「峠」 「畑」「働」などが有名で、地名に地域特有の文字があることも、江戸時代から知られていた。

 地域文字は、新潟県や秋田県八郎潟周辺で見られる「●(かた)」、山形県鶴岡市で使われる「寉(つる) 」をはじめ、名古屋市の「杁(いり)」や京都市の「椥(なぎ)」、茨城県の「圷(あくつ)」 など地名や人名として残っている。長崎県壱岐の「■(しめ)」は室町時代に編まれた中央の辞書に載っていたが、 いまは壱岐だけで見られる。

 自分の名前の「笹(ささ)」が国字と知ったのは小学校低学年。高校時代から、 江戸時代の異体字研究書や戦前の漢和辞典、電話帳からも国字を拾っては、世界最大の漢和辞典として知られる諸橋轍次の 「大漢和辞典」にあるかどうか調べてきた。

 情報伝達の効率だけを考えれば、地域文字は消えるはずだが、しぶとく生き残った。 「文字が文化そのものだからです。生活に結びついた文字はただの道具でなく、雰囲気や背景の文化を伝えます」

 文字に地域差が出るのは、漢字に限らない。

 いま、笹原さんが注目するのは東京・六本木に3月末、オープンした東京ミッドタウンだ。 「店名など横文字がほとんどで、ある種の雰囲気を出している」という。

●はさんずいに写

■はシンニョウに神

 

posted by いさた at 13:09 | Comment(2) | TrackBack(1) | 思い事(なるほど) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
地域文字と言っても、古文書や碑文を当たればもっとあるはずですよ。
自分で作った文字は一人文字とでも言うのでしょうか。
Posted by のびぃ太 at 2007年04月16日 23:36
>地域文字と言っても、古文書や碑文を当たればもっとあるはずですよ。

引用記事からは研究の詳しい内容がわかりませんが、ある線引はあるのでしょう。例えば江戸時代以降とか。

>自分で作った文字は一人文字とでも言うのでしょうか。

百年後ぐらいに誰かの目に止り、読み方がわからないので「謎の文字」とか騒がれたりするかもしれませんね(^^;
Posted by いさた at 2007年04月17日 10:15
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「地域漢字」の研究進む
Excerpt: 特定の地方にしかないような「地域漢字」の研究が進んでいるとのことです。
Weblog: つらつら日暮らし
Tracked: 2007-04-16 18:26
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