ウルトラマンメビウスの放送が終了して2週間。ウルトラシリーズはしばらく充電期間に入るようで、 次作はいつになるかわからないようです。少し間を空けたところで、 ウルトラマンメビウスの全体的な感想など書いてみたいと思います。
さてメビウスは、ウルトラシリーズ生誕40周年を記念して作られた作品です。
往年のウルトラシリーズと地続きの世界の話であり、懐かしい怪獣や宇宙人、もちろんウルトラ兄弟からウルトラの父・
母まで登場する、お祭り的な面も持っています。
懐かし怪獣が出てくる点は、前作のマックスとのつながりを感じさせる点でもあります。
(マックスの懐かし怪獣は、造形は似ているが、基本的に以前のウルトラシリーズとは異なった設定であった点が、
メビウスとの違いですね)
メビウス世界では、メビウス自身、そしてGUYSクルーが成長していく様が描かれました。最初の頃は、 メビウスもてんで弱く、また隊員も未熟な点が多く、またボガールの設定が好きになれなかったこともあり、正直、 見ているのがつらかったですね。過去のウルトラシリーズにまつわるネタや、懐かし怪獣で何とか興味をつないでいた状態。
それが変ったのは、やはり「別れの日」「約束の炎」からです。 ミライ=メビウスであることをGUYSクルーに知られてなお、地球に留まって戦い続ける、というのは驚愕しました。 この展開なら、これまでは最終回と相場が決っていましたが、メビウスではこのまま続行になるとは!
それ以前の「虚空の呼び声」「日々の未来」で、サコミズ隊長がミライの正体を知っていた、 というのも驚きでしたが、このビッグサプライズにはかないません。
「別れの日」以降は、
かつて無い強敵出現の暗示、さらにウルトラ兄弟の登場、悪の四天王来襲、
そして最終三部作で最凶のエンペラ星人降臨へと盛上がり、楽しく見ることが出来ました。
後半は、
ミライ=メビウスであることを知っている、という設定を随所にうまく使っていて、
人間とウルトラマンの相互理解を助ける設定にもなっていました。そして、成長したGUYSクルーがメテオールを駆使して、
ともすればメビウスと同等の実力で敵に立ち向う、というのも今までに無い画期的な点だったと思います。
この二つの点が、
最終話でメビウスとGUYSクルーが一緒になって変身する、
そしてウルトラマンとメテオールの合わせ技で勝利する、というラストにつながっているのではないかと思います。
これに関連して、最終話では、メビウスとウルトラマンヒカリが融合しますが、
ヒカリも実は重要なキャラクターだったのですね。本編では、当初はメビウスの師匠的ポジションでしたが、
最後はメビウスと対等な立場ですね。それだけメビウスが成長したということなのでしょうが、
本編だけ見ていると違和感がありました。ネット配信していたヒカリの別伝を見ていたら、また印象は違うのでしょうが、
本編にももう少しヒカリの出番があった方が良かったかもしれません。
また、 後半で一番印象に残った敵は、私はヤプールでした。映画のラストボスでメビウスに敗れるが、本編で復活。 また封じられたかと思いきや、四天王の一人として「脅威のメビウスキラー」「エースの願い」で再復活し、メビウスを追いつめる様はまさに「復讐鬼」 でした。最終的に敗れましたが、またいつの日が復活してくるのではないでしょうか。
GUYSクルー各人にスポットを当てた話がいくつかありましたが、
最も魅力的なキャラクターだったのはサコミズ隊長。当初から、昼行灯のようだが、隊員の統率と判断力に長けており、
謎の多い人物でした。
後半、隊長の謎が少しずつ明らかになっていきました。実はアストロノーツで外見と実年齢があっていない、
やはりGUYS総監だった、そしてゾフィーと関わりがあり、最後の最後でゾフィーに変身(融合したのか?)。
後半の注目すべきストーリーの一つだったともいます。
ということで、 約1年間見続けたメビウスですが、作品としてどうか?と問われれば、「40周年記念作品として、 お祭り的豪華キャストが楽しい。ただ、水準以上ではあるが傑作とまではいかない」という評価ですね。
メビウスでは、
地球防衛クルーがメビウスの存在を知りつつも、ウルトラマンとの絆を築く過程が描かれた点、またメテオールによって、
ウルトラマンに勝るとも劣らない戦力で、人間がよりウルトラマンに近い立場であった点が、画期的であったと思います。
将来、
これらの点が活かされて、ウルトラシリーズに新しい展開をもたらすのであれば、メビウスは新境地を切開いた作品として、
また違った評価がなされるのではないでしょうか。
とにもかくにも、 楽しんで見れた、ということで「今までありがとう」(^^)