大阪市立小学校の校長が、6年生の児童7人の頭を手で叩いたとして、戒告処分となったそうです。
処分を受けた校長は、「指導のつもりだった。深く反省している」として昨日付で依願退職したとのこと。
大阪市教委は、桜宮高校の体罰自殺問題のこともあり、体罰にナーバスになっているのでしょう。今回問題のあった小学校が桜宮に近い都島区内だそうですから、なおさらかもしれません。
しかし、7人の頭をしばくに至った理由が、一人が校内にナイフを持ち込んで他の子供を脅し、一緒にいた六人の同級生が先生に知らせなかったから、ということです。
これは、明らかに児童らの方に非がありますし(ナイフを使った1名はともかく、他の6人も同罪扱いというのはどうか、という意見はあるかと思いますが)、一発ずつ叩いた、怪我は無し、というのであれば、私の感覚では十分に指導の範囲だと思えますね。
私が子供の頃は、そういうのが珍しくなかったので、そのように思うだけかもしれません・・・・ただ、体罰に限りませんが、今は、ケースバイケースで無く、ただ包括的に物事を扱うことが多い気がします。
とは言っても、大阪市教委も体面上、処分せざるを得ないのでしょう。しかし、当事者の校長が退職という形の幕引きは残念ですね。
指導の方法を改めて校長を続けてゆく方が、過ちを犯した後の生き方を子供たちに示していく、という点では良かったのではないかと思います。
辞めて責任をとる、というスタイルが常に正しいわけではないでしょう。
YOMIURI ONLINE
ナイフで脅した小6の頭叩いた校長処分…退職
大阪市教委は31日、児童7人の頭を手でたたいたとして、同市都島区内の市立小学校の校長(62)を25日付で戒告の懲戒処分にしたと発表した。
校長は「指導のつもりだった。深く反省している」として、31日付で依願退職した。
市教委によると、校長は5月、6年男子児童が校内にナイフを持ち込んで他の児童を脅し、一緒にいた同級生6人も先生らに知らせなかったことを知り、7人を別室に呼び出して頭を1発ずつたたいた。7人にけがはなかったが、市教委は「市立桜宮高の体罰自殺問題を受けて、暴力に頼らない指導を目指す中、管理職が手を上げた責任は重い」として懲戒処分とした。
(2013年8月1日11時59分 読売新聞)
繰り返しキャプテンを圧迫し、死に至らしめた桜宮高校の一件と、今回の一件とを一緒くたにして良いとは思えず、教育委員会の無能さばかりが気になってしまいました。
今回の一件、非は明らかにナイフを持ち込んだ児童にあり、その「指導」を目的にしたという状況で、連帯責任(危険な存在に対して、暴力に屈しないという方法で、正しく通報すること)を指導したのであれば、必要不可欠な「罰」であったと、拙僧は考えます。
結局、今回の一件なども、「指導」ではなくて、「排除」の状況に拍車を掛けるだけのような気がします。これで、以降はこのナイフを持ち込むような危ない児童は、ただ、警察に通報されて、排除されてお仕舞いです。社会がそういう方向に向かっている気がして、とても残念です。教育現場の密室化は危険ですが、教育現場が社会から自立出来ていなければ、まともな指導が出来るとは思えません。
個別の事情はさておき、体罰は体罰、ということで教育委員会はとにかく処分をしたのでしょう。何もしなければ、つまらないマスコミ叩かれる、または市長が文句を言う、といった展開になるのを恐れたのでは。
>「指導」ではなくて、「排除」の状況に拍車を掛けるだけのような気がします。
今回のような場合、手を出さずに教え諭して指導すべきだったのでしょう。
校長は退職では無く、教育方法を改める方向で努力をすべきだったと思っています。
体罰→処分→退職、が常態化すれば、「排除」が手っ取り早い対処として一般化しそうですね。
日本全体がそうなるかはともかく、大阪市ではそんな流れが出来ても不思議では無い感じがします。