先日の、北陸電力志賀原発の臨界事故隠蔽を受けて、 中部電力が91年に浜岡原発(志賀原発と同型炉だそうです)で制御棒が想定外に脱落したトラブルがあったことを公表。また、 東北電力でも同型炉で88年に同様なトラブルがあったそうです。東北電力の方は公表したのかどうか、 引用記事からはわかりません。
中部電力のケースでは、脱落した制御棒が離れていたため、臨界状態にはならなかったそうです。 電力会社の隠蔽や改ざんは、最早珍しくも何とも感じませんし、もっと重大な事故が隠蔽されている可能性もありますね。
人間がすることのなので、トラブルが発生すること自体は仕方が無いと思います。それよりも、 そんなトラブルが発生した後、再発しないように対策がなされたのか、という点が非常に気になります。 何も対策をせずに危険を抱えたまま、ただ隠蔽して責任逃れをしていただけ、というのが最悪なストーリー。
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北陸電力 原発制御不能トラブルを隠蔽
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浜岡・女川でも制御棒脱落 沸騰水型、臨界には至らず
2007年03月19日11時18分
中部電力の浜岡原発3号機(静岡県御前崎市、沸騰水型炉、出力110万キロワット)で、 91年の定期検査中に制御棒3本が想定外に抜けていたことがわかった。 抜けた制御棒の位置が離れていて臨界にはならなかったが、 同じ沸騰水型炉の北陸電力志賀原発1号機の臨界事故隠しを受けて、中部電力が19日公表した。また、 88年7月には東北電力女川原発1号機(宮城県、沸騰水型炉、出力52.4万キロワット) でも定期検査中に制御棒が脱落していたこともわかった。いずれも沸騰水型炉であり、 相次ぐ制御棒の脱落に同型の原子炉の信頼性が問われる事態に発展しそうだ。
経済産業省原子力安全・保安院は「国への報告義務はなく、隠蔽(いんぺい)にもあたらない」 としているが、両社とも外部には公表せず、トラブル情報が電力業界で共有されていなかった。
中部電力によると、定期検査中の91年5月31日、 原子炉の状態を中央制御室に知らせるための信号の確認試験を終え、 制御棒駆動装置に水が流れるように配管の弁を開ける作業をしていた。制御棒は全部で185本あり、 最初の3本の制御棒の弁を開けたところ、制御棒(全長3.6メートル)が全部、3分の1、8分の1抜けたという。 トラブルは1時間ほど続いた。ただ、抜けた制御棒が離れた位置だったため、臨界状態にはならなかったという。
抜けた原因について、中部電力は「配管内に圧力がかからないように弁は閉めていたが、 途中の別の弁に水漏れがあり、制御棒を引き抜く側に水圧がかかったのが原因ではないか」としている。
一方、保安院は19日、臨界事故隠しをしていた志賀原発の緊急調査に入った。