大阪空港発高知行の全日空機に、前脚を出せないトラブルがあり、高知空港で胴体着陸。ある現役機長によれば、
「理想的な着陸」で、ケガ人が無かったそうです。一安心ですが、この影響で高知空港はしばらく閉鎖になるようです。
トラブルが発生したボンバルディアDHC8-Q400型は、トラブルが多く問題になっているようです。点検整備ではなく、
製造メーカー側に原因がある可能性が高そうです。
今回は一つ間違えば大惨事になる可能性もあっただけに、人的被害が無くすんだのは良かった。 クルーは良い仕事をしましたね(^^) 昨日の記念撮影機長と比べると、その感慨も一層増します。
今後はトラブルの原因を解明して、再発しないようにしないといけません。設計の問題であれば、 同型機に乗る場合は注意が必要。
毎日インタラクティブ
全日空機:前輪が下りないまま着陸 高知空港
13日午前8時10分に大阪(伊丹)空港を離陸し、高知空港(愛称・高知龍馬空港) に向かった全日空1603便(乗客56人、乗員4人、ボンバルディアDHC8−Q400型)が、 同空港上空で車輪がある前脚を出せなくなった。同機は空港上空で数十回にわたり旋回し、車輪が出ないまま、 二つある後輪だけで同10時54分に胴体着陸した。着陸の際に機体前方から少し火花も見えたが、 火災や爆発などは起きなかった。けが人はなかった。消防車や救急車が数十台待機した。同機の前脚は、 油圧装置で出し入れする仕組みで、故障の際には手動でも出せるようになっていた。しかし、 今回は手動でも出なかったといい、国土交通省などが油圧系統の故障の可能性を含め調べる。
同機を巡ってはこれまでにも、計器異常や車輪が出ないなどのトラブルが相次ぎ、国土交通省が昨年4月、 同機を製造したボンバルディア社とカナダ政府に設計上の改善をするよう要求していた。
同機はエアーセントラルが委託を受け運航。午前8時過ぎ、大阪空港を飛び立ち、 同55分に高知空港に降りる予定で、操縦は今里仁機長(36)と、岸野安芳副操縦士(34)。 今里機長は飛行時間は7978時間で、05年からボンバルディア機の機長を務めているという。
国交省航空局によると、午前8時49分ごろ、今里機長から高知空港側に「ギア(車輪) トラブルがあった。燃料は残り3100ポンドある」と連絡。同9時17分ごろ、 機長が地上職員に双眼鏡で機体を見てもらい、前脚が出ていないことを確認した。 機長は空港近くの高度約1万メートルで待機すると連絡したうえで「手動で前脚を下ろしてみる」と話した。
しかし前脚が出ないため、機長は同10時10分ごろ、「(滑走路にいったん後輪を接地させ、 すぐに高度を上げる)タッチ・アンド・ゴーの衝撃で前脚が出る可能性があるのでやってみる」と連絡。 挑戦したが前脚は出なかった。
同空港上空で着陸を試みたが、着陸できず上空での旋回を繰り返した。空港の海上側から、 やや機体が左右に揺れながら滑走路に着陸、数百メートルにわたり機首部分が滑走路の路面にこすれた。着陸後、 消防車が放水などをした。
このトラブルで高知空港は当面、閉鎖される見通し。 各地の空港からの高知空港への便は運航を取りやめるとみられる。
全日空広報によると、トラブルを起こしたDHC8−Q400は03年11月に運用開始、 現在13機が運航している。トラブルがあった機体は、05年7月から使用している。総飛行時間は2966時間52分 (10日現在)で着陸回数は4197回。
同機種はトラブルが多く、全日空は昨年2月24日、プロジェクトチームを作り26項目を点検、 5月4日まで点検作業を行った。さらに2回目は、別の26項目を作り、7月末に点検が完了したばかりだった。
◇ことば ボンバルディアDHC8−Q400 カナダのボンバルディア社製のプロペラ機。 ジェットエンジンを使ってプロペラを回す「ターボプロップ機」。全長32.8メートル、全幅28.4メートル、高さ8. 3メートル。座席数74席。巡航速度は時速650キロ。低騒音とジェット機に匹敵するスピードが特徴とされる。 全日空は03年11月に運用開始。現在13機が運航している。
毎日新聞 2007年3月13日 11時01分 (最終更新時間 3月13日 14時18分)
全日空機が13日、高知空港で胴体着陸した事故で、 テレビ中継を見ていたある大手航空会社の現役機長は「映像を見ている限りは理想的な着陸だったと思う」 と全日空機の着陸方法を評価した。
前輪が出ない場合の手順としては、(1)着陸時の火事を招かないために出来るだけ燃料を減らす(2) 客室乗務員(CA)が着陸前に乗客を落ち着かせ、心構えを説明(3)着陸する時はできるだけ主脚をハードランディング (強い衝撃を伴う着陸)させ、速度を落とす(4)主脚設置後は、機首を落とさずに水平飛行(5)機首を地面に落とす−− などが考えられるといい、この機長は「教科書的な手順に沿っていたと思う」と話した。 パイロットはシミュレーターを使って、脚が出ない場合の訓練を行っているという。
また「主脚が出ない場合は、機体がバランスを崩して滑走路から飛び出す恐れがあるが、 前脚の場合はその可能性は小さい」と指摘。前脚が出なかった理由については 「脚を作動させる作動油のトラブルなどが考えられるが、実際どうだったかは分からない」と話した。
◇同メーカー製でトラブル多発は問題
航空評論家・前根明さんの話 事故は大事に至らなかったが、同じメーカー製の航空機で、 これだけ多くのトラブルが続くのは問題だ。事故は航空会社の整備だけでは防ぎきれず、 メーカーによる品質管理体制の見直しなどが必要になるだろう。
毎日新聞 2007年3月13日 13時34分 (最終更新時間 3月13日 14時09分)
感動しました。
プロとして恥ずかしくない仕事だったと思います。素晴しい。
> luckymentaiさん
今回は、現場のクルーに救われて無事に終りましたが、機体の安全性は、おっしゃる通り、メーカーなどが一体となって確保しないとダメですね。
最後の手段は、ボンバルディア機の代替となる国産機の開発でしょうか。