東京都練馬区が、維持管理に手間がかかる天然芝の代用として、人工芝を混ぜた「ハイブリッド芝」の開発に乗り出しているとのこと。
街の緑被率アップのために導入したいようです。サッカー場の芝として海外で施工例があるそうですが、緑化目的では例が無いようです。
まあ、何ですね・・・天然芝を地毛とすれば人工芝がヅラで、ハイブリッド芝は増毛、といった感じでしょうか?
本流としての「緑化」からは邪道だと思いますが、面倒な管理をしたくないけど、緑は欲しいな、という場合の妥協案としてはアリかもしれませんね。
「緑被率」という数値目標をクリアするのが重要であって、緑化の本質については重要ではないということですかね。
緑化は必ずしも芝生だけではありませんが、緑被率アップのために手っ取り早く面積を稼げる、という判断も働いていそうです。
でも、これがもし緑被率にカウントできるようになったら、全国で流行るかもしれません。芝生以外にもハイブリッドな緑が開発されるかも。
YOMIURI ONLINE
人工でも天然でもない芝…行政期待、疑問の声も
維持管理に手間がかかる天然芝の代用で、人工芝を併用した“ハイブリッド芝”の開発に、東京都練馬区が乗り出している。
低コストな上、緑被率の向上にもつながるとして、同区は今年度から開発費600万円を投入、「ねり芝」の愛称も決まった。同区では都市緑化の切り札になればと期待しているが、「緑化事業の水増しにもつながりかねない」と専門家から疑問視する声も上がっている。
◆背景に宅地開発
ねり芝で使用する人工芝は丈が10センチほどと長く、通常より芝の間隔が広いのが特徴。この隙間に砂を深さ約8センチ敷き詰め、その上に天然芝の種をまく。芝生施工の専門企業によると、踏みつけなどに強いことから、海外のサッカー場などで施工例はあるが、緑化目的で導入したケースは聞いたことがないという。
同区が、ねり芝の導入に前向きなのは、区内で宅地開発などが進んでいることが背景にある。現在の同区の緑被率は25%。東京23区内では1位だが、じりじりと低下している。このため、同区では2007年度からの5か年計画で、公立校5校の校庭計約1・4ヘクタールを全面天然芝にする計画を立てたが、芝刈りや肥料やりなどの維持管理に手間がかかることから、学校側が反発。結局、区内25校の校庭を部分的に芝生化することで、1・1ヘクタールの緑化にこぎ着けるのがやっと。「2038年時点で30%」を掲げる同区の目標は、このままでは達成できそうにない。
◆発想が「想定外」
水やり、芝刈りなど定期的なメンテナンスが必要な天然芝とは異なり、ねり芝は維持管理が楽でコストの抑制も可能と同区は主張する。ただ、緑被率は植物をベースに計算することから、本来は人工芝は算入されない。このため、同区では今後、ねり芝の二酸化炭素(CO2)の吸収量を算出するなど、研究開発を通じて「植物として『緑被率』にぜひともカウントされるようにしたい」ともくろむ。
これに対し、「緑被率を向上させる目的は、『自然を守ろう』という考え方を広めるため」と指摘するのは、都自然環境部計画課。天然芝に人工物を交ぜるという発想自体が「想定外」だとして、「植物と主張すること自体、難しいのでは」と手厳しい。
◆手間は同じ?
樹脂製の人工芝を使用していることから、真夏の日差しを受けて温度が上昇するという心配がある。たとえ天然芝を交ぜても、「ヒートアイランド現象」にどの程度の効果があるかは疑問という指摘も。都内の緑化コンサルタント会社幹部は、「造花でつくった花壇のようなもの。見た目には緑色かもしれないが、『緑化』の趣旨から、かけ離れている」と憤る。
これに対し、日本芝草学会副会長を務める日本大学の藤崎健一郎専任講師(造園学)は、「人工芝を覆い尽くすぐらいに天然芝が生育すれば、緑被率にカウントしても問題ないのでは」と一定の理解を示す。ただ、そこまで生育すると、芝刈りや肥料やりなどの日常的な管理作業が必要。「そうなると、手間は天然芝とあまり変わらなくなるだろう」と指摘している。
(2013年4月19日15時52分 読売新聞)
> 天然芝を地毛とすれば人工芝がヅラで、ハイブリッド芝は増毛
やっぱりこういう印象ですよね(笑)
拙僧も、同じように感じました。
緑化という事から言えば、ヅラはもってのほかで増毛は邪道だと思いますが、「数値目標のクリア」が目的化してしまうと、こんな話も出てくるのでしょうね。