行方が注目されていた6カ国協議は、共同文書を採択して昨日閉幕。
北朝鮮がとりあえず60日以内に寧辺の核施設停止などで重油5万トンの支援を受取れ、さらに核施設を無能力かするなど、
核放棄への取組みが進めば段階的に支援を行う、という内容で、
北朝鮮は最大で重油100万トン相当の支援を受けることができる、という内容。当初の重油5万トンの支援には、
日本は参加しないという事です。
その他、日朝国交正常化や米朝国交正常化などのために作業部会も設置するそうです。
交渉決裂で一歩も進まない状態に比べれば、少し前進した、という状態のようですが、
まずは北朝鮮が核施設停止などの行動を起すのかどうかが問題ですね。
北朝鮮が、自身の外交の重要カードである核をそう簡単に手放すとは思えませんが・・・・
重油50万トン相当ぐらいまで援助を引出しておいて、将来またごねられるように、コアとなる技術・
施設は温存しておく手もあるでしょう。重油100万トンの援助で、ごねるのは終り、というつもりは無いと思います。
日朝関係の作業部会が設置される、ということですが、拉致問題は進展があるのでしょうか。北朝鮮を見ていると、 諸外国の支援を引出すことと、米朝関係の改善以外は眼中にないように見えます。
YOMIURI ONLINE
6か国、共同文書採択し閉幕…日朝正常化へ作業部会も
【北京=瀬口利一、黒見周平】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議は6日目の13日午後、 北京の釣魚台国賓館で全体会合が開かれ、北朝鮮の核放棄に向けた「初期段階の措置」 と見返りのエネルギー支援などを盛り込んだ共同文書を採択、閉幕した。
北朝鮮が60日以内に寧辺(ヨンビョン)の核施設の停止や監視を受け入れる代わりに、 他の5か国が重油5万トンを支援し、北朝鮮が施設を無能力化すれば支援規模も大幅に増やすとしている。 日朝国交正常化など課題別の5作業部会を30日以内に開催することも盛り込まれた。次回協議は3月19日に開催される。
「共同声明の実施のための初期段階の措置」と題された共同文書は、 北朝鮮の核放棄を盛り込んだ2005年9月採択の共同声明の履行を具体化した初めての文書。 06年10月に核実験に踏み切った北朝鮮の核開発に歯止めをかけられるかどうか注目される。ただ、核施設の使用停止 (シャット・ダウン)などあいまいな規定も多く、今後の争点に浮上しそうだ。
共同文書は、第1段階として60日以内に、北朝鮮が寧辺の再処理施設を含む核施設の活動停止・封印や、 監視・検証のための国際原子力機関(IAEA)の復帰を受け入れる代わりに、5か国は重油5万トン相当の経済・ エネルギーや人道支援を提供し、米国は北朝鮮のテロ支援国指定解除や敵国通商法の適用終了の作業を開始するとされた。
さらに第2段階で、北朝鮮が核計画を完全に申告し、すべての核施設を無能力化した場合、 最大重油95万トン相当を追加支援するとされた。
一方、共同声明に盛り込まれた〈1〉朝鮮半島の非核化〈2〉米朝国交正常化〈3〉日朝国交正常化〈4〉 経済・エネルギー支援〈5〉北東アジアの平和・安全メカニズム――の五つの課題別に作業部会を設置し、 いずれも30日以内に第1回会合を開くとされた。初期段階措置の実施後、 速やかに6か国外相会議を開くことも盛り込まれた。
中国首席代表の武大偉外務次官は閉幕式でのあいさつで、共同文書の採択で 「朝鮮半島非核化は重要で堅固な一歩を前に進めた」と強調した。
日本首席代表を務める佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は13日夜の記者会見で、経済・ エネルギー支援について「参加することを表明しているのは米韓中露だ。日本が当面、 参加する方針でないことには完全に理解がある」と述べ、重油5万トンの支援に日本は参加せず、 他の4か国が負担することを明らかにした。
(2007年2月14日1時33分 読売新聞)