2007年01月23日

「公園は住所と認めない」逆転判決

 公園を住所として認めないのは不法だ、との訴訟に対する控訴審の判決が大阪高裁でおりました。 一審では住所として認める判決でしたが、今回は逆転して住所とは認めない判決でした。テントは撤去や移転が容易な上、 都市公園内に住居を設けることは認められいない。したがって社会通念に基づく住所とは言えない、という判決。

 約1年前の一審時に記事を書いており、一審はよくわからない判決だな、と思っていましたが、 今回の判決はごく常識的な判断だと思います。原告は最高裁に上告する方針だそうですが、最高裁で争うことになるのか。

(関連記事)
住所は公園−裁判で認められる

 

asahi.com
野宿の公園テント、住所と認めず 大阪高裁が逆転判決

2007年01月23日10時19分

 大阪市北区の「扇町公園」でテント生活をしている男性が、 公園を住所とする住民票の転居届を同区が受理しなかったのは不当だとして、 同区長を相手に不受理処分の取り消しを求めた行政訴訟の控訴審判決が23日、大阪高裁であった。田中壮太裁判長は 「テントは容易に撤去や移転ができるうえ、都市公園内に住居を設けることは認められておらず、 社会通念に基づく住所とはいえない」と判断。「公園は住所」と認定した一審・大阪地裁判決を取り消し、 不受理処分は適法とする判決を言い渡した。男性の逆転敗訴で、男性側は最高裁に上告する方針。

 03年時点で全国最多の約6600人の野宿者がいるとされる大阪市では、 西成区のビルなどに日雇い労働者らが大量に住民登録していた問題が発覚し、 東住吉区の長居公園ではテントの強制撤去に向けた準備が進む。高裁の判断は、同市のホームレス対策に影響を与えそうだ。

 原告は山内勇志さん(56)。判決によると、山内さんは98〜99年ごろ、 同市住吉区のパチンコ店寮から扇町公園に移り住み、00年ごろからは公園内に組み立てたテントで生活を開始。 04年3月、テントがある場所を住所とする転居届を出したが、北区役所は「公園の適正な利用を妨げる」 として不受理とした。山内さんはこの処分を不服として05年3月に提訴した。

 判決は住民基本台帳法上の住所について、昨年1月の一審判決と同様に 「生活に最も関係の深い全生活の中心を指す」と指摘。さらに、 住所と認められるためには日常生活が営まれているだけでは足りず、 「その形態が健全な社会通念に基づいた住所としての定型性を備えていることが必要」とした。

 そのうえで山内さんのテントについて、「角材やベニヤ板で組み立てられた簡易な構造で、容易に撤去・ 移転ができるものであり、土地に定着していない」と指摘。独立した電気設備もなく、 一般市民向けの水道やトイレに頼る便宜的な生活だと判断した。

 また、自治体が設置した都市公園の管理基準などを定めた「都市公園法」 が公園内に住居を構えることを認めているとはいえないとし、「我々の健全な社会通念に沿わない」と結論づけた。

 市のホームレス支援策については「野宿者の立場からみれば、不十分と評価されることは否定できないが、 それなりの成果を上げていることも認められる」と述べた。

 一審判決は、 山内さんのテントが寝泊まりや食事の場所として約4年間にわたり利用されていることなどを理由に、 「客観的に生活の本拠としての実体を備えている」として公園を住所と認定。区の不受理処分を取り消す判断をしていた。

 

posted by いさた at 13:16 | Comment(0) | TrackBack(1) | 思い事(固め) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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<住民登録訴訟>公園テント「住所でない」原告、逆転敗訴
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Tracked: 2007-01-23 22:55
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