厚生労働省の専門家会議が、新型インフルエンザ対策のガイドライン原案を示したとのこと。 新型インフルエンザが大流行した場合、4人に1人が感染し、死者が17万〜64万人に上ると推計されているそうです。
ワクチン接種は、医療従事者や、最低限の社会の機能を維持する人たち「社会機能維持者」が優先で、 それ以降も接種の順位付けがされています。対策の目的別の接種順位も示しているそうで、生ぬるい手は使わない、 理性的な対策と言えるようです。
もし、不幸にも新型インフルエンザが流行、ワクチン接種となり、子供よりもまずは大人から、 という順位になった場合。自分自身が子供よりも先に接種を受けられるだろうか?と考えてみるけれど、やっぱり 「先に子供からワクチンを打ってくれ!」となるでしょう。子供の方が身体も弱いだろうし、 死の危険が高い病気ならなおさらに。
こうなると、ガイドラインの趣旨からすれば、他の接種希望の大人を優先して接種する、ということになるでしょう。 ということは、私のような、医療従事者でもなく、社会機能維持者でもない親は、 新型インフルエンザにかかる可能性は高いのでしょうね(^^;
asahi.com
ワクチン接種、医師らを優先 新型インフル対策で指針案
2007年01月19日17時41分
鳥インフルエンザからの変異が懸念される新型インフルエンザに備え、厚生労働省の専門家会議は19日、 人から人への感染が発生、大流行に至る過程(フェーズ4〜6)を想定した対策のガイドライン原案を示した。 ワクチンの優先接種の対象として、医療従事者のほか電気、ガス、水道、警察などの7職種を提示。 具体的な対象者の範囲や人数には踏み込まなかった。発生後72時間以内に交通制限や臨時休校などの「地域封じ込め」 を行うことも検討するが、厚労省は「実施は困難」とみている。
厚労省は専門家会議で原案を議論したのち国民の意見を聞き、 今年度中に正式なガイドラインをまとめる考えだ。
厚労省によると、新型インフルエンザが大流行した場合、国内では4人に1人が感染し、 1300万〜2500万人が医療機関を受診。死者は17万〜64万人に上ると推計されている。ガイドラインは、 政府が05年11月にまとめた行動計画について実務的な対応を示すもの。人から人への感染がない段階(フェーズ3まで) のガイドラインは、すでに策定されている。
新型インフルエンザのウイルス株から製造し、有効性が高いとされる「パンデミック(大流行)ワクチン」 は、完成までに1年以上かかる。それまでの対策として、国内のワクチンメーカー4社が、 東南アジアで流行している鳥インフルエンザのウイルス株から「プレパンデミックワクチン」を製造中。 2月までに1000万人分を作る。
ガイドライン原案では、国外で人から人への感染が確認された段階でこのワクチン接種を始める。 医師や看護師、保健所職員などの医療従事者に加え、社会生活に最低限必要な「社会機能維持者」に優先的に接種する。 職種は「電気・ガス・水道・食料供給・通信・交通・警察等」とだけ記載。今後より具体的に対象範囲を決める。
パンデミックワクチンは、医療従事者と社会機能維持者に続き、 優先的に接種するグループを▽呼吸器疾患などの医学的ハイリスク者▽成人▽小児▽高齢者に分類。例えば、 成人に重症者が多く、死者を最小限にすることを重視した場合、優先順位を(1)医学的ハイリスク者(2)成人(3) 小児(4)高齢者とした。高齢者に重症者が多い場合や「国の将来を守ることを重視」という観点からの順位も示し、 さらに検討する。
医療体制では、都道府県が病院内の敷地や公共施設に「発熱外来」を設置する。 ベッドが満床になるなど医療機関での対応が難しくなった段階で軽症者と重症者を見極め、重症者は公共施設などに収容、 軽症者は自宅で静養してもらう。
感染拡大を防ぐ初期対応では、感染者の家族や接触者に抗ウイルス薬「タミフル」を予防投与する。