昨日のことですが、今月の初めに天井の崩落事故を起こした笹子トンネルが、下り線のトンネルを対面通行で使って、仮復旧しています。
ニュースサイトで「笹子トンネルで事故」の文字を見ると、また崩落?とどきっとしましたが、追突事故だったそうです。
仮復旧は、年末年始の混雑時期に間に合ったと言うべきでしょうか、対面通行なので渋滞のボルトネックにはなるでしょうが、一般道だけよりはずっとマシかもしれません。
現在は天井板を撤去して、換気のために出入り口付近にジェットファンを付けているようですが、読売の実走した記事ではトンネルの中程では視界が悪かったそうです。排気ガスが滞留しているのか?
本格復旧では、もっとジェットファンの数を増やす必要がありそうですね。
さて、崩落事故の原因はまだはっきりしていないようですが、吊り金具のボルトをコンクリートに固定していた接着剤の劣化により、ボルトが抜け落ちた可能性が指摘されています。
同じ形式の他のトンネルを緊急調査したところ、問題のあるトンネルもいくつかあったようで、緊急対策工事が行われているトンネルもあります。
コンクリートそのものや、ボルトそのものについては、結構耐久性が意識されていると思いますが、接着材の劣化は、盲点を突いて出てきたような問題にも感じますね(私の仕事の範囲では使うことがほとんど無いからかもしれませんが)。
理論的には数十年の耐久性がある構造物ものでも、実際に建造して使っていると、理屈ほどの耐久性は発揮できていない感じがしますね。
実際に造ってみないとわからない・・・・もしくは、こまめな維持管理を続けて、はじめて期待した耐久性が発揮できるのかもしれません。
YOMIURI ONLINE
笹子トンネル仮復旧、排ガスか視界不良も
中央道笹子トンネルが仮復旧した29日、対面通行となったトンネル区間は、開通を待ち望んだ帰省客などが数多く通過した。
実際に車を走らせながら、通行状況や安全対策を確かめた。
一宮御坂インターチェンジ(IC)から上り線に乗り、東京方面へ向かうと、道路脇に「この先 対面通行」と書かれた表示板が複数設置されていた。勝沼ICを過ぎて約2キロで対面通行区間に入る。中央分離帯を撤去して新たに舗装した連絡路を通り、下り線に合流。制限速度は50キロだが、比較的スムーズに車は流れた。
笹子トンネル内では制限速度が40キロに変わる。上部は天井板が撤去され、アーチ状に丸みを帯びたトンネル本体が姿をさらし、補修されたような跡がいくつも見えた。天井板があった頃より、かなり高く感じる。
大月側の出口付近には、天井板で仕切られた換気スペースの代替として、ジェットファンが4か所に計8基取り付けられていた。だが、トンネル中間部は排ガスのためなのか、もやがかかって視界が悪かった。
大月ICでいったん降り、折り返して下り線へ。初狩パーキングエリア(PA)を過ぎると長い渋滞に捕まった。関東近郊の県外ナンバーが多く、年末の帰省ラッシュと重なったようだ。
約1時間かけて笹子トンネル周辺の渋滞を抜け、釈迦堂PAにたどり着いた。同PAでは、渋滞が終わって安堵(あんど)の表情を浮かべる家族連れの姿が目立った。
(2012年12月30日20時22分 読売新聞)
30日午後3時5分頃、山梨県の中央自動車道下り線・笹子トンネル内で、乗用車など5台が絡む事故が発生し、同20分から約3時間にわたり、大月ジャンクション―勝沼インターチェンジ間が通行止めとなった。
笹子トンネルは、天井板崩落事故のため、下り線を対面通行にして29日に仮復旧したばかり。この事故で、乗用車を運転していた会社員男性(40)が軽傷。県警によると、渋滞で停止していた乗用車に後続の車が追突するなど4台の玉突き事故が起き、うち1台が弾みで対向車線にはみ出し、軽乗用車と衝突したという。
(2012年12月30日19時27分 読売新聞)