来年のえべっさんの福男選びでは、スタート時の先頭グループ全員の顔写真を撮影し、
本人と写真を照合することになったようです。
一昨年、一番福を取るために同僚が他の走者をブロックしたとして問題になり、
現在はくじ引きでスタート位置を決めていますが、好位置が売買対象になる恐れがあるため、
さらに写真照合で本人確認をし不正を防ごう、ということだそうです。
一番福のために、場所取りなどで努力しようという気持はわかるのですが、 神事の中で不正なプロセスから一番福を得たところで、御利益があるとはとても思えませんけどね。逆にバチが当るのでは?
今回の措置は、神社側が、福男選び参加者からの要請に応えた形ですが、ちょっとやり過ぎではないでしょうか。 神事というよりも、陸上競技や競馬的な催物に変質して行っているように思えます。
要請には切りが無いと思うので、数年後にはコース上至る所にビデオカメラを設置して走者を監視し、 走路妨害などの違反行為があれば失格にする、なんてことになっているかもしれませんねぇ。
YOMIURI ONLINE
ズルは許さぬ、西宮「えべっさん」顔写真で本人と照合
「えべっさん」の総本社、西宮神社(兵庫県西宮市)が、本殿への一番乗りを競う十日えびす恒例の 「福男選び」で、来年から、あらかじめ参加者の顔写真を撮影し、スタート直前に本人と照合することを決めた。
一昨年、他の参加者の走行を妨害したとして「一番福」が返上される騒ぎが起きるなど競争が過熱。 その後はスタート位置をくじで決める方式を導入しているが、 前方の好位置が売買などの対象にされる恐れがあるためという。神社側は「神前で不正を見過ごしては、福も逃げてしまう」 と厳正を期す構えだ。
福男選びは「開門神事」と呼ばれ、午前6時に表大門が開くと同時に約200メートル先の本殿まで走り、 3着までがその年の福男に選ばれる。毎年約2000人が参加し、 猛ダッシュで参道を駆ける勇壮な神事として知られるが、 1着が認定される一番福を巡り、 参加者が数日前から泊まり込みで場所取りをするなど〈先陣争い〉が激化。 一昨年の騒動では1着でゴールした男性の同僚が他の参加者をブロックしたと批判され、男性は一番福を返上した。
こうしたトラブルを防ごうと、同神社は昨年から場所取りを禁止。本えびすの1月10日午前0時、 境内に参加希望者らを集め、くじで12人ずつ9列(計108人)の先頭グループのスタート位置を決め、 番号札を渡して整列を求めている。
さらに今秋、常連の参加者から、「前方の好位置を確保しようとする意気込みは神社側の想像以上で、 また不正が起きてもおかしくない」との指摘が寄せられたため、「公平性をより確実に」と、 顔写真による本人確認を決めた。
来年は、くじでスタート位置が確定した先頭グループ全員の顔写真をデジタルカメラで撮影。 開門1時間半前の午前4時半に再集合してもらい、本人と顔写真を照合するという。
同神社は「1着だけに福が訪れるわけでなく、参拝者みんなに行き届く。 マナーを守って気持ちよく参拝してほしい」としている。
(2006年12月22日14時30分 読売新聞)