2006年12月22日

大阪市営地下鉄「今里筋線」開業(訂正有り)

 12月24日正午に、大阪市営地下鉄の新線「今里筋線」が開業。都心部を通らず、大阪市東部の住宅街を走るため、 採算が疑問視されるなかでの営業開始のようです。

 大阪の地下鉄で、単独で黒字なのは御堂筋線ぐらいなのでは?今里筋線は約30年後に黒字転換の見通しだそうですが、 日本の人口減少が言われている中で、見通し通りに行くのか疑問。やがて、運賃の大幅値上げにつながりそうな気がします。

 新線の駅は、既存の私鉄やJR駅を南北につないでいますが、既存の鉄道を相互に乗換えるような需要があれば、 意外と利用者が見込めるのかも知れません。

 

2006/12/23 17:25 追記
開業日を勘違いしていたので修正しました。12月22日ではなく、24日でした。

 

asahi.com
16年ぶり新線、厳しい船出 大阪地下鉄「今里筋線」

2006年12月22日11時06分

 大阪市営地下鉄で16年ぶりの新線となる「今里筋線」が24日正午、開業する。 市東部の住民の足として期待されるが、収支予測は下方修正され、黒字転換は約30年後の見通しだ。 市の財政難で延伸計画は凍結され、地下鉄事業そのものの民営化も俎上(そじょう)にのぼる。 前途多難な中でのスタートだ。
写真

 ■祝辞なし

 来賓祝辞も音楽隊によるファンファーレもなし。24日の発車式は、90年3月の鶴見緑地線 (現長堀鶴見緑地線)の開業式典とは一変、出席者も3分の1近い約250人に。「時代が変わった。質素倹約です」 と市交通局の広報担当者。

 市は昨年末、着工前の99年にたてた需要、収支予測を下方修正した。 1日の平均利用客数は16万人から12万人へ。年間では1500万人近い減少になる。 単年度の現金収支の黒字転換も20年後から約30年後とされた。

 今里筋線は既設7路線と違い、梅田や難波などの都心部を走らない。 市の需要予測は当初から過大との見方があった。市公営企業審議会委員の山田浩之・京大名誉教授(都市・交通経済学) はいう。「市はまだ甘い。住宅地を縦断するだけでは1日12万人も難しい」

 ■新鮮味なし?

 地下鉄を街づくりにどう生かすか。沿線の東成区は9日、区民ホールに住民約170人を集めて、 開業記念のフォーラムを開いた。地元商店街の関係者や住民ら5人が約1時間半、意見を交わしたが、 肝心の今里筋線については、今里新道筋商店街振興組合の寺田正晴理事長が「開業日は、各店舗で先着20人のお客様に 『開通記念』のタオルを贈呈します」と触れた程度だった。

 沿線の他の区では、開業に合わせた主催イベントの予定もない。ある区の担当者は 「既存路線との接続を重視したため、新駅が少なく、住民や地元商店街には新鮮味があまりない」と話す。山田名誉教授は 「行政が率先して企業や学校が沿線に集まるよう仕掛けないと、赤字が膨れあがる恐れがある」と警告する。

 ■1キロ225億円

 438億円――。市が着工前の予定から「節約」した建設費用の総額だ。財政難のため、 工法は次々と見直しを余儀なくされた。変電所は4カ所から3カ所に減らし、 トンネル内のわき水などを下水道に流すポンプも小型化した。

 それでも建設には2718億円かかった。1キロあたりにすると225億円。 15年度に開業予定の仙台市営地下鉄「東西線」(14.4キロ)の1キロあたり約190億円に比べ、割高感は否めない。

 大阪市の地下鉄事業は、一般会計から毎年100億円の補助金をもらうことで黒字を維持しているが、 人口減による運賃収入の低下で、早ければ6年後に赤字に転落する見込みだ。今里筋線南端の今里駅(東成区) から東住吉区まで6.7キロを延伸する計画には、さらに約1300億円が必要で、06年度の着工は凍結され、 計画中止も含めて検討されている。

 

 

posted by いさた at 13:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 時事(なにわ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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