2012年09月13日

富士山の噴火 大地震との関係

昨年の東日本大震災とその4日後の静岡県東部の地震により、富士山のマグマだまりに大きな圧力がかかり、噴火を起しかねない状況であったことが、研究によりわかったとのことです。

噴火に至らなかったのは、圧力以外のマグマ量やマグマに含まれるガスの量が十分では無かったなど、噴火の条件がそろわなかったと考えられるようです。

 

富士山は300年ほど活動が静かですが、過去にはたびたび噴火をおこした記録があるので、噴火をしても不思議ではない山ですが、昨今の状況から見て、噴火の可能性は高くなってきているということでしょうか?

地震や火山の噴火はわからないことがたくさんありますが、地震により噴火が誘発されるということからは、近い将来に発生が予測されている南海トラフを震源とする地震で、富士山の噴火が起きる事も十分に考えられます。

 

地震以外にもこちらの災害対策も必要ですが、溶岩流となると、影響範囲から逃げるぐらいしか、有効な手段が無さそうです。

富士山のようなシンボリックな山が噴火したら、物的な被害はもとより、精神的に受ける衝撃の方が大きい気がします。

東南海地震の後、富士山の噴火が起きたら「日本もついに終りか・・・」という感慨が強烈に襲ってきそうです。

産経ニュース
震災で富士山に圧力 専門家「噴火しなかったのはたまたま」

2012.9.13 10:04

昨年3月11日の東日本大震災と4日後に静岡県東部で起きたマグニチュード(M)6.4の地震によって、富士山のマグマだまりに噴火を引き起こしかねないほどの大きな圧力がかかったことが防災科学技術研究所(茨城県つくば市)などのチームの研究で分かった。

宝永噴火よりも強く

圧力の高まりだけが噴火の要因ではなく、現在のところ、噴火の兆候は観測されていない。ただ富士山の直近の噴火である1707年の宝永噴火で直前の宝永地震により富士山に加わった力より、今回の力は強く、チームは「地震から数年たってから噴火する可能性もあり警戒が必要」としている。

チームは昨年3月の2つの地震で生じた地殻の変動をもとに、富士山の直下でマグマが滞留しているマグマだまりにかかった力を推定。マグマだまりの中心が地下約15キロにあると仮定した場合、2回の地震により最大で計約1.6メガパスカル(約15.8気圧)の力がかかったとの結果を得た。

力の向きはマグマを上下に押しつぶす方向と、東西に引っ張る方向だった。静岡県東部の地震はマグマだまりの近くで起きたと推定されることから、大震災より影響は大きかったらしい。

富士山も含め、過去には0.1〜数メガパスカル程度の力で噴火した例もあるという。マグマだまりの状態が違うとみられるが、同研究所の藤田英輔主任研究員は「1.6メガパスカルというのは小さくない」と指摘している。

噴火に至っていない理由としては、十分な量のマグマがたまっていなかったことや、マグマに含まれるガスが十分ではなかったことなどが考えられるという。

大地震後に噴火の例も

大地震の後に火山が噴火した例は世界各地に存在する。

防災科学技術研究所によると、地震が起きると火山地下にあるマグマだまりにひずみがかかって変形し、噴火が誘発されることがある。マグマはガスを多く含むため、周囲からの圧力が変化するとガスが泡となって膨張、炭酸水のように噴き出して噴火に至るという。

2004年のスマトラ沖地震では数カ月後に火山が噴火、10年のチリ地震でも翌年に噴火があった。一方で岩手県の岩手山で1998年、活動が活発化している最中にマグニチュード(M)6.2の地震が発生したが噴火には至らず、活動は収束。どの程度の力で噴火するか正確には分からないのが現状だ。

南海トラフの影響も注視

防災科学技術研究所などは現在、南海トラフの巨大地震による影響も調べている。南海トラフ沿いの地震は、東海地震や東南海地震など震源域の場所により複数の地震が想定されているが、特に東海地震は富士山に近く影響が大きくなるとみられ、さらに調査を進める方針だ。

国は2004年、富士山の噴火による経済的な被害は最大で約2兆5000億円に上るとの想定を報告。山が大きく崩れた場合、被災者数は約40万人になるとの専門家の試算もあり、噴火による被害は甚大とみられる。

東日本大震災の影響で富士山が噴火しなかったのはたまたまで、マグマの準備ができていたら噴火してもおかしくはなかった。大震災の前よりは噴火の可能性が高まったと言っていい。マグニチュード9級の地震の後、数年して噴火した例もある。数十年の長いスパンで見ていかないといけない。

富士山噴火と地震 史料に残る富士山の噴火は8世紀の記録がある。平安時代には数多くの噴火があり、864〜866年にかけて起こった噴火では、流れ出た溶岩により現在の西湖と精進湖ができたとされる。1707年には、南海トラフを震源とする宝永地震の49日後に、宝永噴火が起きた。その後300年以上、大規模な噴火はない。昨年3月の東日本大震災と静岡県東部での地震後、5合目付近で亀裂が発見されたほか、今年2月には3合目付近から水蒸気が出ているのが確認された。いずれも噴火の兆候を示すものではないとされている。

posted by いさた at 16:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 自然災害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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